古川奈央

札幌で、詩人・谷川俊太郎さん公認「俊カフェ」をやっています。谷川俊太郎さんの詩集、絵本…

古川奈央

札幌で、詩人・谷川俊太郎さん公認「俊カフェ」をやっています。谷川俊太郎さんの詩集、絵本、対談集、エッセイ、雑誌などなど閲覧用の本が約500冊のほか、音楽やグッズもご用意。コーヒーなどと共にのんびり読書をお楽しみいただけます。編集者・フリーライターでもあります。各種SNSで発信中。

最近の記事

札幌に「俊カフェ」ができてから (2)

兎ゆうさんによる「絵本と詩の朗読会」に続いて毎月の開催を決めたのは、スヌーピーについてのお話会です。私が主に読んでいる俊太郎さん作品は詩や絵本なので、ピーナッツについてはかなり疎い状態。そこに、マニアと呼んで差し支えないであろう「ともくん」と言うお客様が現れました。話をすればするほど、ピーナッツ愛を感じます。そこで、スヌーピーについてファンが集まりおしゃべりをする時間を設けていただきました。 こうして、少しずつ俊カフェが動き出した初夏のある日。東京で「俊読」と言うイベントを

    • 札幌に「俊カフェ」ができてから (1)

      3月末、俊カフェオープンまでのことを綴らせていただきました。 その後、コロナ禍で活動自粛要請が出たり、あちこちの店が閉まり、イベントなどもどんどん中止、延期となっていきました。 店を開けられないなら、店の中がわかるものを…と思い、通販サイトを開設しました。店の休業中も注文への対応をしたり、編集の仕事をしたり、ここを乗り越えるための資金繰りに奔走したりもして、気づくと5月も後半となってしまいました。 noteでは「札幌に、なぜ俊カフェができたのか」を書ければと思いスタート

      • 札幌に、なぜ「俊カフェ」ができたか (9)

        オリジナルグッズが決まって、デザインを上仙文江さん、実際の制作・販売をポエムピースにお願いし、私は看板制作や、各種申請、スタッフ決め、メニュー内容の検討、取材対応、クラウドファンディングReadyForのブログでの開店までの進捗報告などなど、日々すべきことは山積みでした。 開店当初のメニューは非常にシンプルでした。取材で知り合い味に惚れ込んだZIKKAというカフェのコーヒー、この場所に以前店を構えていたじりりたのハーブティー、俊太郎さんにもお送りしている生姜ジャムを使った紅

        • 札幌に、なぜ「俊カフェ」ができたか (8)

          2017年3月、谷川俊太郎さん宅をポエムピース松崎氏とともに訪ねた日。実は「近くで仕事がある」ということで、DiVaのボーカルまこりんも、少し遅れて俊太郎さん宅へ来てくれました。 「俊太郎さん、札幌にお越しの際は、ぜひいらしてくださいね」という私に、「もちろんいくよ」と俊太郎さん。「来年の1月に行くから、その前後に合わせてくれたらいいな」と。 そこですかさずまこりんが「DiVaも一緒に行けたらいいですね」。 俊太郎さんも「そうだね」。 なんと、雑談の中でサクサクとあっ

        札幌に「俊カフェ」ができてから (2)

          札幌に、なぜ「俊カフェ」ができたか (7)

          ポエムピース社長の松崎氏より、俊カフェオリジナルグッズの提案をいただき、何を作ろうかのアイディア出しが始まりました。iPhoneのカバー、ティーシャツ、ハガキ・・・色々考えながら、現実的なところを出していきました。 同時に、友人で信頼の厚いデザイナーの友人・上仙文江さんに、ロゴやフライヤー、ショップカードなど印刷物一式を依頼。同時にオリジナルグッズのデザインもお願いしました。 また、アイコン的な俊太郎さんの似顔絵のイラストが欲しいと思い、デザイナーである友人に相談。共通の

          札幌に、なぜ「俊カフェ」ができたか (7)

          札幌に、なぜ「俊カフェ」ができたか (6)

          華宮のオーナーから「建物の2階が空くけれど、やってみない?」と声をかけていただき、私はすぐにクラウドファンディングに申し込みました。いくつかあるサイトの中から選んだのはReadyFor。これは、知り合いの写真家さんが写真集を出すために活用しており、見慣れていたからという単純な理由でした。まずは申し込み申請から。誰でもがクラウドファンディングを気軽にスタートできるわけではなく、まずは審査があるのでした。 数日後、審査に通りました、と連絡が来ました。ここから本格的なスタートです

          札幌に、なぜ「俊カフェ」ができたか (6)

          札幌に、なぜ「俊カフェ」ができたか (5)

          前の記事から2カ月以上も空けてしまいました。締め切りがないとダメですね。ついつい後回しにしてしまいます。「札幌に、なぜ「俊カフェ」ができたか」続き、書きます! 「KAKU IMAGINATIONの2階が空くのだけど」と連絡をくださったのは、私が30歳の頃からずっと髪を切ってもらっている美容室「華宮」のオーナーさんでした。KAKU IMAGINATIONは、100年近くの歴史を持つ建物。古くは札幌軟石を運ぶ馬車鉄道の事務所が入っており、次には栄養学校が入りました。この学校、現

          札幌に、なぜ「俊カフェ」ができたか (5)

          札幌に、なぜ「俊カフェ」ができたか (4)

          勢いでもう1本書きます!なぜ私が「とても個人的な谷川俊太郎展」を開催したか。(1)で書いた通り、詩、音楽、グッズにハマった私は「常設の場を持ちたい」と強く思うようになり、それを見たSYMBIOSISの友人が「いきなり店を持つのは大変だから、まずは企画展をして体験してみては?」と提案してくれたから、なのでした。 あとで聞いた話では、友人は「店をやるのは本当に大変だから、企画展をすることでそれを体験して、諦められたら…」という親心があったそうです。ただ、大きな反響に手応えを感じ

          札幌に、なぜ「俊カフェ」ができたか (4)

          札幌に、なぜ「俊カフェ」ができたか (3)

          あああ。前の記事から1カ月以上も経ってしまいました。せめて隔週でアップしていこうと思っていたのに。もしも、もしも待ってくださっている方がいらしたら、大変お待たせしました。2019年の年末ギリギリ滑り込みです。気を取り直して、綴ります! 2015年7月、ギャラリーSYMBIOSISを経営している友人の力もあり、企画展「とても個人的な谷川俊太郎展」は大盛況のうちに終えました。最終日の7月30日は人が途切れることもなく、閉館時間になっても1人も帰ろうとする人がいなく、じゃっかん(

          札幌に、なぜ「俊カフェ」ができたか (3)

          札幌に、なぜ「俊カフェ」ができたか (2)

          2015年7月に17日間開催した「とても個人的な谷川俊太郎展」。 なぜ述べ1000人以上もの来場者があったのか。 一つは、俊太郎さんから直接私物をお借りし、展示したこと。俊太郎さんから私物を送っていただいた時、電話で丁寧に説明をいただき、それを展示物の横に添えました。 次に、約150冊の詩集や絵本などを並べ、それらを自由に閲覧できるようにしたこと。現在俊カフェでは、雑誌なども含め約500冊の本を閲覧用の棚に並べていますが、企画展開催時は、ここまでの本があるとは想像もして

          札幌に、なぜ「俊カフェ」ができたか (2)

          札幌に、なぜ「俊カフェ」ができたか (1)

          2017年5月3日、札幌市の中心街にほど近い、狸小路7丁目の1本南側に、詩人・谷川俊太郎さん公認「俊カフェ」をオープンしました。 なぜあなたが? なぜ札幌に? どういう経緯で? お客様からも、取材をしてくださった方々からも、「どうして? どうして?」の質問をたくさんいただきました。 俊太郎さんは東京にずっとお住まいなのに、どうして札幌に私が「俊カフェ」を開いたのか。そのことを、まずは簡単に書いてみようと思います。 私の通っていた札幌開成高校(現在の市立札幌開成中等教育

          札幌に、なぜ「俊カフェ」ができたか (1)