札幌に、なぜ「俊カフェ」ができたか (9)

オリジナルグッズが決まって、デザインを上仙文江さん、実際の制作・販売をポエムピースにお願いし、私は看板制作や、各種申請、スタッフ決め、メニュー内容の検討、取材対応、クラウドファンディングReadyForのブログでの開店までの進捗報告などなど、日々すべきことは山積みでした。

開店当初のメニューは非常にシンプルでした。取材で知り合い味に惚れ込んだZIKKAというカフェのコーヒー、この場所に以前店を構えていたじりりたのハーブティー、俊太郎さんにもお送りしている生姜ジャムを使った紅茶、SYMBIOSISのイベントで知ったM(みゅう)のクッキー。これだけでした。

もっとも悩んだのは料金設定でした。カフェの友人がいろいろなアドバイスをくれたのにも関わらず、原価計算などが全くできないまま「美味しいものをお出ししたい」「本をゆっくり飲んでいただきたい」「回転率を上げるようなやり方はしたくない」「とにかくのんびりしていただきたい」「でも売り上げが少なければ家賃が払えない」「どうする?どうする?」。フリーライターとして仕事を請け負い、見積書を出すのとは訳が違う。悩みに悩んで「ドリンク500円(=お代わりしやすい価格)」「お席料500円(何度もご利用くださる方には年間パスポートもご用意)」を俊カフェのご利用いただく際の料金にしました。

(半年後、この「お席料」は廃止しました。実は東京のとあるブックカフェの料金設定を参考にもさせていただいたのですが、札幌で、カフェで、いくらゆっくりしていただくために…とは言え、あまり好意的に受け入れて頂けているとは思えず、スタッフと相談をし、ポエムピース松崎さんからもアドバイスをいただいて、廃止を決めました。)

開店前に、さらに手持ちの本を充実させるべく、ネット内を徘徊したり、古本屋さんに足を運んだりして蔵書は400冊ほどになりました。(その後、さらに増えて現在は約500冊となりました)

2017年4月29日には、私とスタッフがお客様に慣れるためのプレオープン。お友達が何人も来てくれました。すぐに慣れたとは言えない状況の中、それでもその後、5月3日に晴れて「俊カフェ」が誕生しました。

開店当日は本当にたくさんのお花やお祝いをいただきました。店内だけでは収まりきらず、階段、外にまでお花を出して、とても幸せな気持ちでスタートを切ることができたのでした。(続く)

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