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機械仕掛けのコウノトリ 39

第1話

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 心の整理などつくわけがなかった。

それでも、やらなくてはならない。一人でも。それが親というものだから。

そう言い聞かせながら、私は子供達を引き渡す準備を進めていた。

その事を子供達に話すタイミングだけを考えて、それ以外の事は機械のように考えないようにした。

それは突然腹痛で起こされた午前四時の朝のような空虚と未練をどうしても避ける事ができずにいる感情を離すためだった気もする。

それでも、夢から覚めただけだと割り切ることもできた気でいた。

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