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機械仕掛けのコウノトリ 49

第1話

前話

 紙に書かれた番号が呼ばれると再び私の体は硬直した。そして、落ち着かせるようにゆっくりと立ち上がり、呼び出した職員の元へ行く。

指示をされて、その場所に進んで行くとスライドドアの隣には似つかないパイプ椅子が一つ置かれていた。私はその中に座りまた呼ばれるのを待った。

そして、その時はあっけなく訪れた。

「石原明美さん。お入りください」

無機質な職員の声が注意を向けたドアの中から大音量のように聞こえた。私は立ち上がり、スライドドアを開ける。三人の職員が表情を変えず、私を見つめていた。

指示された場所に座り、求められた自己紹介を済ませると真ん中の清潔にまとめた三十代ほどの男性が質問をした。

「あなたは子供をまた自分で育てることになった時、どのように振舞いますか?」

私の足に力がこもる。熱が上がり、拳を握りしめていた。

「私は…」

こみ上げる全てを私はもう止めようなどと思えなかった。

左手に金の滝が打つ 第1話

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