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【付録付き】PDCAを回すための「必要最低限の採用定例」テンプレート

中途採用などの採用活動において、採用定例を実施していない企業はないと思いますが、営業のように定例の実施方法やあるべき論が語られていないなぁ、と感じています。営業の定例(R社のヨミ会など)が有名な企業は多くありますが、採用の定例が有名な企業は個人的には聞いたことがないです。(採用に強い企業はもちろんいますが、どんな定例をやっているのか想像もつきません。笑)

今回は、私なりに採用定例の実施方法について考えたので、noteで共有したいと思います。後半に必要最低限の採用定例のテンプレートを付けているいるので、これから採用を始められる方、採用定例を見直したい方は、ぜひ参考にしていただけますと幸いです。


株式会社トラックレコードで採用戦略・採用ブランディング支援事業のディレクターをしている西村です。
トラックレコードでは、採用に課題を抱えている企業様(クライアント)のために採用の戦略設計や、ブランディング施策の立案、サイトやピッチ資料などのクリエイティブ制作、採用の実務支援(RPO)をおこなっています。

採用の実務支援では、各クライアントと毎週採用定例を実施しており、そこで培ったノウハウをもとにPDCAを回すために必要な最低限の採用定例について記載したいと思います。

⚠️注意:こちらのnoteで記載している内容は、実際にクライアントに提供している採用定例ではなく、どなたでも利用できるように簡易的にしたものになります。そのため、ご支援時の内容と異なることをご了承ください。実際の業務で提供している採用定例の形式に関してはトラックレコードへお問い合わせください。

採用定例の目的は?

採用定例は大きく分けて二つの目的を持っています。
①採用の進捗を報告・共有すること
②改善に向けた活動を管理・推進すること

①採用の進捗を報告・共有すること

採用計画、新規ポジションの有無、各ポジションや候補者の進捗状況、エージェントからの紹介数、スカウト送付数、返信数など、目標や定量的な数値に加え、候補者様毎の個別アクションを確認したり、共有するために行われます。やり方は様々ですが、進捗の共有はどの会社でも採用定例で実施されている内容だと思います。

②改善に向けた活動を管理・推進すること

採用課題の洗い出し、各課題への対策立案、対策アクションの実行状況、アクションの結果など、採用の改善に向けたPDCAを実施することが目的になります。文字にすると目新しい内容ではないのですが、実際には採用定例で改善に向けた議論がされていないケースが非常に多く、上記の①で完結している会社をよく拝見します。またヒアリングをすると、課題は認識できているものの、対策を決めていなかったり、アクションを管理できてなかったり、誰も対応していないままになっていたりします。

採用の改善、PDCAを回すためには?

上記の②で記載の通り、採用定例では改善に向けた活動の進捗や推進について共有・議論することが必要です。
ではどのように採用の改善策を立案して、管理すると良いでしょうか?
以下の4つのステップをご紹介します。

STEP1:目標設定

課題の特定をするためにもまずは目指しているゴールとなる目標設定をすることが大事です。目標がないまま進むことで、活動に対する評価が正しくされないまま採用が進むことになります。
目標は基本的に定量のものを設定しましょう。採用で一番分かりやすいのは、採用数だと多いますが、期間と合わせて設定してください。

例:2024年3月までに営業メンバー3名の採用

一方最終的な採用数は実現するまでにリードタイムが長く、週次や月次に対する進捗を計りにくいため、より短期的な目標も合わせて設定しましょう(これを採用KPIと呼んだりします)。
より短期的な目標としては、コントロールできるアクション数やその結果となる発生数などです。以下が例としてよく挙げられます。

例:
スカウト送付数:20件/週
スカウト返信率:5%
エージェント定例実施数:2回/週
エージェント紹介数:5件/週
カジュアル面談数:5件/月
選考応募数::4件/月
1次面接数:3件/月
2次面接数:2件/月
内定数:1件/月

活動の内容に応じて、短期の目標は複数設定することで、さまざまな角度で進捗を評価することができます。
これから採用を始める際に、実績がなく目標が立てられない、という場合もあるかと思いますが、その際はとりあえず暫定で決めて、採用を進める中で調整してください。

STEP2:進捗の把握、課題の特定

目標に対して、現在の状況を正しく把握することが大事です。目標となる指標に合わせてデータを集計できている必要があります。

例えば、短期目標にスカウトの送付数、返信率、エージェントの紹介数、応募数を設定している場合は、それぞれのデータが常に集計できるよう、各種媒体の情報や紹介された数、応募数などを記録してください。
また、決めたサイクル(例えば、週次)で目標と比べて、達成しているのか未達なのかを把握することが大事です。目標が未達の部分は必ず課題があるので、しっかり認識しましょう。採用がうまくいかないと言っても、応募数が少ないのか、通過数が少ないのかで対策は大きく変わります。

テンプレートでは週次で目標と比較するように設計しています

STEP3:改善策の立案、タスクの洗い出し

課題の箇所が特定できたら、対策の立案です。課題によって対策は無限にあるので、網羅的にご紹介するのは難しいので、1つ例に挙げて、お伝えしたいと思います。

例えば、スカウト送付数は予定通り目標を達成できているが、返信率が低い場合、考えられる要因は「興味を持っていないる人に届いていない」または「届いているが魅力的に見えていない」などがあります。改善策としては、興味を持っている人に届けるために、利用する媒体を変更する、すぐに転職を検討している候補者に絞り込む、より業界が近しい人に絞り込む、現年収が求人よりも低い人に絞り込むなどがあります。また届いているが魅力的に感じられない場合は、スカウトのタイトルを変更する、求人の内容(業務内容)を変更する、報酬などの条件を変更するなどがあります。

大事なのは、立案する改善策は何を目的としているのか、どんな課題を解決し、どんな結果を期待するか、仮説をしっかりと持つことです。そうすることで次のステップで振り返りができるようになります。

改善策が立案できたら、実行するためのタスクを洗い出し、完了状態を定義します。例えば、求人内容の変更の場合は具体的に何を変えるのか決め、新しい内容で公開されるまでをタスクとます。

テンプレートでは、テーブルで各タスクの目的、ステータス、期限を管理

STEP4:実行、振り返り

決まったタスクを実行していく際には担当者と完了日時を明確にしましょう。定期的にタスクの実行状況を確認し、予定通り完了していない場合は、なぜ完了していないのかを把握して、行動を変える必要があります。思ったようにタスクが進まないことは多々あるので、そのままにせず、どのように完了させるのか、場合によってはタスクそのものの変更を定例内で議論することが大事です。

タスクが完了したら振り返りを実行します。タスクの実行によって解決したかった課題が解決されているのか、仮説通りに結果が出ているのか、評価を行います。仮説通りに解決できた場合は別の新しい課題を特定します。仮説通りにいかなかった場合は別の改善策と対策の立案をするためにSTEP2に戻ります。

目標を設定する、状況を把握する、課題を特定する、対策を立案する、実行する、振り返りをする。このようなサイクルを週次で細かく運用できるようになると、採用成果につながります。もちろん、実現するためにはリソースと体制が必要になります。

実行した施策に対して、結果を振り返り、次の仮説/対策を検討し、アクションを資料に記載します

どんなメンバーが必要?

多くの会社で採用定例は採用チーム(または人事チーム)だけで行われていいます。一方で採用課題の解決には採用チーム(または人事チーム)だけでは完結できないものが多く、現場の協力が必要です。例えば、求人要件の変更、面接内容の改善、スカウト送付文面のアップデートは現場メンバーとの連携が必要です。

そのため、採用定例は原則、採用の実務を担当しているメンバーと採用方針を決めている責任者、面接官を担当されている現場メンバー、求人を出している部門の部門長に参加いただく必要があります。
参加者全員で目標を共有し、採用の課題を認識し、改善活動のタスクに一緒に取り組むことでスピード感を持って採用課題の解決に繋がります。

【付録】必要最低限の採用定例テンプレート

上記の目的やPDCAを回すために必要な採用定例向けのテンプレートを用意しました。以下のNotionにアクセスし、ぜひコピーして自社用にアップデートしてください。

最後に

(定型文っぽいですが …)いかがでしたでしょうか?
採用は企業のフェーズや事業内容、カルチャーが大きく影響するため、目標も会社によって違い、活用する採用手法も異なります。一方で必ず採用には課題があり、継続して解決するためのPDCAが必要です。どの会社にも当てはまる採用勝ちパターンはないので、PDCAを通して自社の最適解を見つけてください。今回ご紹介した内容と、付録のテンプレートが採用活動のお役に立てると嬉しいです。

最後に宣伝です。
私の所属する「トラックレコード」では、採用に課題を抱えている企業様のために採用の戦略設計や、ブランディング施策を立案、サイトやピッチ資料などのクリエイティブ制作、採用の実務支援(RPO)をおこなっています。採用に関する課題がありましたら、ぜひ以下のリンクよりご相談ください。ご連絡お待ちしています。

またトラックレコードでも絶賛メンバーを募集していますので、興味がある方はぜひご連絡ください。カジュアル面談もご応募お待ちしています。



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