大学院後の就活の話から。業界を先取りするのは得でも、絶対ではない。
みなさん、こんにちは。ずっと大学院関連の話が続いていましたが、今回は大学院を修了した後について書いてみようと思います。以前から書いていますが、私の個人的関心は国際協力にあり、より具体的にいうと平和構築にあります。なので、大学院の後は、その業界に足を踏み込もうと決めていました。就職活動を始めたのは最後の学期の途中からだったと思います。主に使ったのはPARTNERという求人サイトです。そこにはNGO/NPO、国際機関、政府機関、民間企業などの求人がたくさんあり、国際協力分野の求人サイトと言えるでしょう。私が狙ったのは主にNGOの駐在員ポストでした。また、将来的に駐在員になることが前提のポストもありました。
2、3のNGOの面接を受け落とされてしまいました。修論を書いている真っ最中だったり、そもそも面接が苦手な上に、久しぶりだったので、仕方ない結果だったのかもしれません。ただ1団体だけ、大学院修了後の着任になることを伝えると、タイミングを合わせて最終面接をすると言ってくれたところがあり、保留状態なのがありました。就職先が決まらないまま、帰国することになり、二週間の隔離が始まりました。その間に応募した、広島にあるNPOと縁があり職が決まりました。この団体は国際協力業界の団体ではあったのですが、海外駐在を置いて事業を行うような私が希望していたNGOではなく、外務省委託で研修を行っているところでした。面接がうまくいかずNGO駐在員志望は自分の経歴では足りていないのかもしれないと思い始めていた無職の私は就職を決意しました。
その団体は前述したように外務省委託で研修事業をやっていたのですが、私が入った時は契約期間があと6ヶ月で切れるところでした。原則、スタッフの契約も同じく終わるので、そこからまた出直そうという気で業務に励みました。業務は研修運営で少数人数でまわしている団体ということもあり、慣れないことが多く非常にストレスでしたが、とても良い経験になりました。契約が2021年3月で切れ、私は現在のNGOに入職することが決まりました。
これからNGOで働いてみたいという方に言っておくと、NGOで働く前になんでも良いので同じ業界に身を置いておくと良いです。そこで得た経験・知識は必ず団体選びや、面接に役立ちます。もちろん、実際の業務においてもです。今となっては1職員なので、同業他社がどんな事業をやっていて、規模はどんな感じなのかなど、自然と情報が入ってきますが、当時はよくわからないことが多かったです。団体もたくさんあるだろうから調べるのも大変だと思うかもしれませんが、海外に駐在員を置いて開発や人道支援をしている日本のNGOはそこまで多くはありません。だからこそ情報を集めてそれぞれの団体の雰囲気を掴んでおくことはできるはずで、より効果的に就職活動をできるできると思います。私は運よく良い就職先が見つかり、とても貴重な経験を積ませてもらっていますが、あらかじめ、インターンやボランティアをして業界に浸かってみることや、イベントに足を運んで情報をコツコツと得ていることはとても大事なことだと思い知らされました。
私が学生の頃は、大学生の本分は勉学であり、なんの知識もない若者が現場にいったり、実務につくのは迷惑でしかないという考えを持っていました。本を読み、仲間と政治や社会について議論をするのは大好きで、大学生だからこそできる特権であることを直観的に察知し、実務的なことはその後の事だとと考えていました。今でもそれは一定の真実味があると思っています。しかし、学生が実務をやっても全然問題ないと今では思っています。そもそも学生なので、インターンやボランティアをやったら、学生相応の役目を与えられるので活躍の場があります。さらに実務を経験することで業界に身を置き内側を知ることができます。それは大学を出た後のことを考えるのに役に立ち、効率のいい舵取りができるようになります。今考えると、インターンやボランティアなどやらなかったのは逃げていただけだったのかもしれません。
とは言ったものの、国際協力業界に身を置く方の経歴は十人十色です。なので正解はないと思っています。私の話でいうと、少しくらいインターンやっても良かったなとは思いますが、学生の間は学問一筋で良かったとも思っています。10代後半から20代前半は非常に多感な時期なので、あまり大人の話に揺らされすぎず興味関心に一途でいることは大切です。自分の興味関心に一途でいるからこそボヤけた「軸」のようなものが形成されていき、人生のコンパスになるのではないでしょうか。そういう意味では勉学だろうが、インターンだろうが、ボランティアだろうが、はたまた別の何かでも良いのです。「やりたい」という気持ちに耳を傾けていれば。
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