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ホストファミリーがいいとか悪いとか。

新しいファミリーメイトはベトナミーズ

周知の通り、カナダは9/29現在も新規取得の就学ビザ(Study Permit)での入国者を制限している。だから、今現地にいる留学生は滞在2年以上で、学校でも見知った顔ばかり。次男がお世話になっているホストは毎年2人の留学生を預かっているのだが、昨年一緒だったブラジル人は1学年上で高校卒業、ファミリーからも卒業したので、新たに同学年のベトナム人ボーイが9月から家族に加わった。もう2年以上カナダにいるらしいのだが、昨年のホストが合わなかったらしく、ホストチェンジして来たらしい。ロン毛でゲーマーで、いいやつだよという新しい仲間とは、うまくやっていけそうな感じだ。そうそう、オタワの留学生にチャイニーズはさほどおらず、ブラジル人とベトナム人が多いらしい。

ハズレホストの黒歴史

次男、高校1年の時に、学校の修学旅行で1週間ほどシアトルに行った。現地の提携校で募集して、受入れ希望の家庭に振り分けられのホームステイ。次男のホストはインド人ファミリーになった。早速到着初日に送られてきた自室の画像は、マハラジャっぽいインテリアに広々とした部屋。本人もワクワク感いっぱいのLINEだったものだから、これはアタリと安心していたのだが・・・。数日後に先生からまさかのホストチェンジの連絡が来た。

クラスメートたちは、学校帰りのアウトレットや、ホストとの外食を楽しんだりと、限定数日間ということもあって接待攻勢を受けている子たちが多かった。一方、次男の家はネグレクトかっ?と思うほどの放置プレイ。もちろんショッピングなんて連れていってもらえないし、ある夜「ご飯を食べに一緒に行くか?」と聞かれたので「Yes」と伝えると、「今から来客があるから終わるまで待ってて」というので部屋で待機していたら、待てど暮らせど声がかからない。しびれを切らし部屋から出てみると、一家は出かけた後で誰もいない。失意の中で待つこと数時間。冷蔵庫に水もなく、水道水を飲んで飢えを凌ぐ。やがて一家が帰宅し「お腹空いているか?」と聞いてきたので「Yes」と答えると、ベーグル1個が与えられたのみだったという、聞いているだけで涙を誘うエピソード。家が相当汚かったこともあって、ついに不満を抑えきれず、先生にホストチェンジを訴えでた。なんとか転がり先を見つけてもらった後は、シアトル満喫の数日間を過ごすことができたらしいけれど、運がなかったと次男が不憫でならなかった。

長男がアメリカに留学していた時も、2週間のESLコース受講時にお世話になった家庭が夢のように素敵で、今も1歳下のシスターとは連絡を取り合う仲。しかし、その後移動した本チャン留学時のファミリーは、天と地ほども違う家庭で、その落差に愕然としたという。4人きょうだいで、姉はひきこもり、自室は弟一人とシェアで、最初は勉強用のテーブルもなく、冷蔵庫はいつもあまりモノが入っておらず、家の中は汚れている。マザーは家でシッターをしているので朝から小さい子の声や鳴き声が響き渡る。だから、毎日のようにマックで寄り道して空腹を満たし、スクールバスのバス停まで引きこもりシスターを迎えに呼びつけるのも気がひけたので、スケボーを買って毎日往復1時間のスケボー通学。生きる逞しさは十二分に身に着いたであろうが、できることなら違うホストが良かったと、思わずにはいられなかった。幸い、兄弟二人とも、ハズレホストの経緯が留学の想い出をぶち壊すまでには至らず、むしろ次男にいたっては「これほどひどいホストはないから、次はきっといいところに巡り合える」となんともポジティブな切替があったとかないとか。

エージェントなしが功を奏したか?

留学の目的は学びにあるとはいえ、ホームステイ滞在の場合、その当たり外れでその成否に差は出てくることは間違いない。次男のホストファミリー決定のメールが届いた時、祈るような気持ちでプロファイルを開いたことを思い出す。ホストが書かれた書類の上部に「Independent(No agency)」とあり、エージェントありなしは明確に区別されていることにも目が行った。

次男のホストは台湾人のマザーとカナダ人のファザーの、まだ30代の夫婦と小学生の男のコ2人。そして去年はブラジル人、今年はベトナム人のメイトが一人。ストリートビューでおうちチエックしてみると、ごくごく普通の平屋建ての一軒家。周りは同じような家が並ぶ住宅街だ。余談だが、一時帰国時に、家族みんなで家の周辺を表示させて眺めながら、ここは図書館、とか、ここはスーパーで歩くと10分くらいだよ、とか、あぁそうやって普段生活してるのねと、疑似体験が楽しかった。ストリートビューは優れものである。

二人も留学生を預かるのは経済的に厳しいのかなという推測や、自分以外にも留学生がいるというのはどうなのだろうと、実は行く前は少し悶々としていた次男。だけど、もしかしたらすごくいいかもしれないじゃない?もし、問題があればチェンジお願いすればいいし、チェンジはシアトルで経験済みだから自分で交渉できるでしょ?と言い聞かせ、割り当てられたお家に行くことにした。食わず嫌いは得てして損をすることがある。

天国のようなホストファミリー

一歩を踏み出すと見えていなかった違う景色が見えてくる。初めは躊躇していたホストのプロファイルだけど、これ以上ないというほど天国のようなファミリーだった。

★台湾人のマザー

親日の台湾出身で元カナダへの留学生。自身の経験を元に留学生のお世話をしているから、サポートのツボを心得ている。1パック1500円くらいするサッポロ一番や400円くらいのダースも買ってくれる。

★ゴハンが美味しい!

特にアジア人にとってはこの上ない最高のホスト。馴染みのある餃子や小籠包はもちろんのこと、とんかつやカレー(とろけるカレーのルーが売っている)も作ってくれる。もちろんお米は常時炊飯器で保温中。

★冷蔵庫の中はなんでも好きなものを食べていい

お昼は自分で前夜の残り物を適当に見繕ってランチパックに持っていっていいことになっている。

★週末は家族でおでかけ

いちご狩りや紅葉狩り、先日はリンゴ狩りに。1袋1500円くらいで30個リンゴをもいで入れ、それを2袋取ってきたそう。リンゴはマザーがパイやタルトにしてくれる。

★マザーもファザーも政府関係の仕事

これは今回の留学延長の大きな要素で、二人とも公的機関の仕事をしてるために(マザーは普段から在宅仕事)、コロナで失業したカナダ人も多い中、安定した収入を得られていた。ロックダウン中、家庭内が穏やかだったのもこれが大きい要因だったと思う。

★二人のブラザー

まだ英語が覚束ない時に、小学生と遊ぶことで英語に慣れていくことができた。末っ子だったのに、初めて自分より年少のきょうだいができたことも貴重で嬉しい出来事。

★ロックダウン中

庭でおうちキャンプをしたり、一家でジョギングしたり。ファザーはボクシング経験者で、シャドーボクシングを教えてくれ相手になってくれていた。

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・・他の留学生の友達の話を聞いても、これほど当たりの家はないとしみじみ言う次男。もちろん、親ではないから、過度の期待、例えば万が一の事態が起きた時までは禁物だが、ホストファミリーという括りの中では、次男にとっておそらく星5つ★★★★★。

留学を延長するかどうかも、このファミリーだからこその選択肢。もし違う家であれば、とっとと帰ってきなさい!と帰国勧告をしていた可能性すらある。次男が「もう1年延長するかどうか悩んでいる」と打ち明けた時

残った方がいいかもしれないね。でも1年と言わず一生居ていいよ

そう言ってくれたそうだ。自己手配をしていたから、アジア人に最適なホストをピンポイントで充ててくれたのか、あるいは本当に運が良かっただけなのかわからないが、最初にホストが決まった時、会いもしないうちから拒絶反応しなくてよかったと心から思う。

ホームステイエージェントからのレポートにあった

This is a great hosting experience というホストマザーの言葉
He says that his hosts are helpful and include him in their family activities. He goes out for dinner or watches movies with them.  という次男の言葉

そして度々聞かされる、ここは天国だからね、というつぶやき。

それらが延長を考えるにあたって、大いに後押しになった。ハズレがあったこそわかる有難さ。千載一遇とも言える環境ならば、壮大なチャレンジをさせてあげられるのではないかと思うようになったのだ。


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