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【第2回】デジタルJ-POPの作り方~コード進行編②~

前回に引き続き今回もコード進行について、書いていきたいと思います。前回はデジタルJ-POPでよく使われているコード進行の型を書きましたが、今回はその発展形、その進行に付随するであろう進行、自分がよく使う進行などを書いていきたいと思います。

※すべてCmaj(Am)スケールで表記します

※各敬称略

・Am→Dm→G→C

Am→F→G→CのFをDmに変えた形で、巷では4度進行と呼ばれていて、個人的にFの時より切なさが増す感じがします。最近この形にハマってます。Fのほうが開放的でDmのほうが箱に入っている感じがします。なんとなくゴシック系の曲で使われている印象があります(偏見)。

使用されている曲は

fripSide「fermata~Akkord:fortissimo~」
西野カナ「会いたくて、会いたくて」などでしょうか。

「fermata~Akkord:fortissimo~」ではAm→Dm→G→C,Am→F→G→Cを交互に使っています。自分の曲で恐縮なのですが、初音ミク「リャナンシー」のサビも(Dm/Cになっていますが)交互に使っています。

西野カナ「会いたくて、会いたくて」に至ってはイントロもメロもサビもアウトロもすべてAm→Dm→G→Cで始まっていて後ろにBm7-5とE7sus→E7を持ってくることでめちゃめちゃ暗い雰囲気になっています。

<基本形>

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・Am→F→C→G

Am→F→G→CのGとCを入れ替えた進行で、一時期EDMブームで爆発的に使われていました。その影響で2012~2015くらいのボカロ界隈でも流行ってましたね。洋楽チャートにこの進行の曲ばかり並んでいたのと、形が酷似しているため洋楽版小室進行と自分は呼んでいます。

使うとなんとなく小室進行より洋楽っぽくなる印象があり、コードにメロディをつけるとそれっぽくなる気がします。またAm→Fの開放感は健在なので、壮大な感じにもなります。

この進行の使用曲も数えきれないほどありますが、デジタルJ-POPに限定してパッと思いつくのはfripSide「scorching heart」のサビ...くらいしか思いつきません!すみません!

※また余談ですがAm→F→C→GのF→CをC→Gに変えると三代目J Soul Brothersになります。

<基本形>

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・F→F#dim→G→G#dim

これは個人的に好きな進行なのですがあまり見かけない(さみしい)...もしかしたら他に良い代替コードがあるのかもしれないですね(無知)。

ベースが半音ずつ上がっていく進行で、めちゃめちゃ暗く悲しいけどその緊張感がイイ!半音ずつ上がっていく進行は大野愛果さん作曲の曲でよく耳にします。自分はBメロでよく使っています。

この形とは若干異なりますが、愛内里菜「恋はスリルショックサスペンス」でもBメロで(dimではなく7-5ですが)似た進行を使っています。

また個人的にBメロサビ直前は作る人の腕の見せどころじゃないかと思っていて、サビ直前で明るくするか暗くするか、どれだけ溜めてサビでドカンとできるか、その人の曲を盛り上げる腕がためされるのかなと思っています。(クラブミュージックではドロップ前のビルドアップの部分に当たるのかな...?)

<基本形>

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・Bm7-5→A♭m7-5→Am→G→F#m7-5→F→Dm→Em

この進行も好きなのですが全然耳にしない!かなしい!これも時代!使うと一気に歌謡曲っぽくなる進行で、サビで小室進行や王道進行など何かしらの進行で4小節使った後に使うことがあります。

使用されている曲は

篠原涼子witht.komuro「恋しさとせつなさと心強さと」
fripSide「1983-schwarzesmarken-」のサビ

「恋しさとせつなさと心強さと」はこの進行モロに使っていますが、「1983-schwarzesmarken-」はBm7-5→Am♭7-5の箇所をもっとシンプルにしていると思われます(コードが聞き取れませんでした...)。

戦場ヶ原ひたぎ・貝木泥舟「木枯らしセンティメント」のサビも同じニュアンスに聞こえますが、4度進行と呼ばれる進行を2回繰り返している形なので除外しました。

自分が普段使用している形は、Bm7-5→Am♭7-5をDm→E7に、F#m7-5をF#にして使っています。F→Dm→EmもF→C→DやF→G→E7、F→D→E、F→E7→Bm7-5などその時々のメロディによって、一番相性の良かった進行を採用しています。
Fからの展開は無限の可能性を秘めている...

<基本形>

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<普段使っている形>

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ここに書いた進行以外にもまだまだ発展形はありますが、今回は主に自分が使う発展形の進行を書きました。なので王道進行や456進行の発展形は書きませんでした。

書いておいてなんですが、デジタルJ-POPでは前回の進行を主軸に使ったほうが良いと思います(笑)コード進行が複雑になるということはメロディを当てるのも難しくなり、またわかりにくさ、歌いにくさが増してしまいます。

あくまでもデジタル「J-POP」なので、わかりやすくてナンボだと個人的に思っています。使うときは塩小さじ一杯の感覚で!

次回はメロディについて書きたいと思います。今回もお読みいただきありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします。

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