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グループディスカッションにおけるソフト面のアプローチ

※当記事は約5分で読めます【約2,000文字】

1. 当記事の目的

グループディスカッションは就職活動の選考における唯一の実技試験とも言えます。

様々な資格でも実技試験の対策は難しいように、選考におけるグループディスカッションの対策も難しいという声を多く聞きます。

しかし、難しいという最大の要因は、選考基準の不明瞭さにつきます。

また、その不明瞭さゆえに、基準を満たすためのアプローチ方法が明確でないことが多いです。

そこで、選考におけるグループディスカッションについて、選考基準やアプローチ方法を透明性のあるものにし、体系化することで、数をこなす練習の中でも上達に向けて明確な目的意識を持てるようにすることを目標に当記事にてまとめていきたいと思います。

特に、当記事では基準を満たすための具体的なアプローチ方法についてご紹介していきます。

グループディスカッションの選考基準については、下記の記事にて詳しく説明していますので、気になる方は是非読んでみてください。

2. 評価基準を満たすためのアプローチ(ソフト面)

評価基準を満たすためのアプローチは、プレイヤーの貢献度に該当します。

また、この貢献度については、下記の図のようなイメージになります。

当記事では、この発言品質の中でも、ソフト面の貢献度に該当する『発言調整』の評価を上げるためのアプローチ方法について詳しく見ていきます。

ちなみに、ソフト面とは、成果物の品質に直接的にかかわるアウトプットではなく、合意形成に導いていくための議論全体における調整のことを指します。

3. ソフト面のアプローチ

グループディスカッションをするとき、『司会』『タイムキーパー』『書記』の3つの役割を決めるというような慣習があります。

しかし、どれもそのままの役割を果たすだけでは、十分な評価を得られないことが多いです。

十分な評価を得るために重要なポイントは、

『役割』+『目的意識』

のアプローチとなります。

この目的意識を考えるうえで、そもそもグループディスカッションの定義を確認したいと思います。

グループディスカッションとは、

①    「リアルタイムで時間制約のある中で」
②    「多人数の参加者がいて」
③    「その総員の意見から一つの合意を出す」

というものです。

つまり①~③の状況下で最終的に一つの合意形成をすることが目的となります。

以上から、

<ソフト面のアプローチ>
3つの『役割』を通して合意形成に導いていくための議論全体における調整

ということになります。

4. ソフト面のアプローチにおけるポイント

先ほど、『司会』『タイムキーパー』『書記』の3つの役割を果たすだけでは、十分な評価を得られないことが多いと言いました。

その理由として、上記の役割に目的意識がある時と無い時の違いについて触れたいと思います。

(1)『役割』のみを意識したアプローチ

『司会』:参加者に発言機会を与えながら議論の進行を促す。

『タイムキーパー』:時間の管理をして、参加者に残り時間を共有する。

『書記』:発言内容を記録する。

以上のようになります。

ここに、『目的意識』が加わった際にどう変化するのかを次に見ていきましょう。

(2)『役割』+『目的意識(合意形成に導くための調整)』を意識したアプローチ

・『司会』+『目的意識』
⇒司会として、発言の交通整理を行い、さらに総員の合意形成という条件を達成するために多くの参加者から発言を引き出す

・『タイムキーパー』+『目的意識』
⇒時間制約の観点を意識しながら、論点確認を含めた【進捗管理】、議論が割れた際のコンセンサス【合意形成】を担う

・『書記』+『目的意識』
⇒客観的に発言を構造化しながら記録しつつ、議論にも主体的に参加していくことで、最終的な合意成果物に発言を「収束」させていく役割を担う

以上のように、合意形成に導くという目的が加わるだけで、各々の役割に主体性が求められるようになります。

そして、この時、「司会は発言の交通整理をしながら」、「タイムキーパーは時間の観点を持つことで、進捗や合意形成の確認をしながら」、「書記は発言を構造化して記録しながら」、参加者全員の同期を図っていくことになります。

同期が出来ていないメンバーが一人でもいれば、それは総員の合意形成ではなくなるため、そういった参加者がいないか、常に目を配らせてスムーズな進行を心掛けるようにします。

これがソフト面のアプローチの意味するところとなります。

5. まとめ

当記事では、評価基準の中でも、合意形成に導くための議論全体における調整に関わるソフト面におけるアプローチ方法についてご紹介しました。

議論の進行という観点でのチーム貢献において、この考え方を念頭におき、日々のグループディスカッションの練習に是非取り組んでもらえたらなと思います。

ハード面については、以下の記事にてご紹介していますので、合わせてご一読ください。

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