グループディスカッションにおける『ハード面』のアプローチ
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1. 記事の目的
グループディスカッションは就職活動の選考における唯一の実技試験とも言えます。
様々な資格でも実技試験の対策は難しいように、選考におけるグループディスカッションの対策も難しいという声を多く聞きます。
しかし、難しいという最大の要因は、選考基準の不明瞭さにつきます。
また、その不明瞭さゆえに、基準を満たすためのアプローチ方法が明確でないことが多いです。
そこで、選考におけるグループディスカッションについて、選考基準やアプローチ方法を透明性のあるものにし、体系化することで、数をこなす練習の中でも上達に向けて明確な目的意識を持てるようにすることを目標に当記事にてまとめていきたいと思います。
特に、当記事では基準を満たすための具体的なアプローチ方法についてご紹介していきます。
グループディスカッションの選考基準については、下記の記事にて詳しく説明していますので、気になる方は是非読んでみてください。
2. 評価基準を満たすためのアプローチ(ハード面)
評価基準を満たすためのアプローチは、プレイヤーの貢献度に該当します。
また、この貢献度については、下記の図のようなイメージになります。
当記事では、この発言品質の中でも、ハード面の成果に該当する『発言内容』の評価を上げるためのアプローチ方法について詳しく見ていきます。
ちなみに、ハード面とは、グループのアウトプットとして発表する最終成果物の質に関わる側面を指しています。
3. ハード面のアプローチ
ハード面のアプローチにおける役回りは、『方向性を決める人』『素材を用意する人』『調理および盛り付けをする人』の3つ存在します。
色々と試行錯誤した結果、料理に例えることが最も理解しやすいという現時点での結論に至ったため、あえてこのように役回りについてまとめました。
(1)方向性を決める人
議論の向かうべきゴールを明確にし、方向性を決める役割を担う。
この役割を果たすために、特に以下の2点を全うします。
(2)素材を用意する人
「前提確認」と「論点設定」が定まったうえで、その2点の枠組みの中で必要な情報を提供します。
この役割を果たすために、特に以下の2点を全うします。
(3)調理及び盛り付けをする人
出揃ってきた素材を上手く調理(整理)して、最終的に一つの料理へと完成させるべく盛り付け(構造化)していきます。
4. ハード面のアプローチの具体的イメージ
昔、ジャニーズグループSMAPの番組で、「BISTRO SMAP」(ビストロスマップ)というものがありました。
ゲストが出したお題に対して、ゲストの心を満たすべく、二つのチームに分かれたSMAPのメンバーが時間制約のある中で料理を提供し、勝者を決めるというものです。
選考におけるグループディスカッションと比べた時、この番組の流れが非常に酷似していますので、この番組を例にハード面のイメージを共有したいと思います。
<BISTRO SMAPの番組の流れ>
① お題提供
図のようにゲストのお題が提示されます。
そして、まずチームメンバーで相談し、このお題を満たすための方向性を決めます。
どんな分野(和風?中華?等)でどんな料理を作るのか。つまり「前提確認」と「論点設定」です。
② 素材の用意
お題に対する「前提確認」と「論点設定」によって方向性を決めた後、料理に必要な素材を選びに行きます。この時、「この素材よりこっちの素材の方が適切かな?」「お題を意識した時、この素材を活かすのが良いと思う」「この素材は、ゆでることでこんな旨味成分が出る」など、「仮説立案」と「情報提供」に該当する思考プロセスにより素材を揃えます。
③ 調理及び盛り付け
初めに決めた方向性に基づき、集めた素材を調理することで料理を完成させます。このとき、見た目によるメッセージ性なども加味して、ああでもないこうでもないと言い合いながら盛り付けにも意識します。
これは、グループディスカッションでいう「内容整理」や「内容評価」に該当します。
このようにして、出来上がった料理を提供(プレゼン)することで、お題を出したゲストの期待に応えるわけです。また、番組内ではゲストが食事をする際、工夫した点についても実際にプレゼンしています。
以上のように、時間制約のある中でざっくりしたお題が提示されたとき、上記の流れで一つのものを仕上げていくことが最も効率よくアウトプットへと繋がっていきます。
これは選考のグループディスカッションに限ったことではなく、当番組のように、『多人数でリアルタイムかつ時間制約のもとに一つの合意形成を成す』においては、同じことが当てはまります。
5. まとめ
当記事では、評価基準の中でも、成果物の品質に関わるハード面におけるアプローチ方法についてご紹介しました。
品質向上という観点でのチーム貢献において、この考え方を念頭におき、日々のグループディスカッションの練習に是非取り組んでもらえたらなと思います。
ソフト面については、以下の記事にてご紹介していますので、合わせてご一読ください。
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