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書き方に宿るリアルさ

先日、インタビューを受ける機会があった。私は会社のデザイナーとして、関わったプロジェクトや働く環境、やりがいなどを話してインターネットの記事になった。

このようなインタビューは初めてで、当日を振り返ると緊張して話が冗長になっていたり、言いたいことが先行して文脈を無視した話を強引にねじ込んだりと全体的にまとまりがない感じになってしまった。インタビューが終わり、自分のデスクに戻ってからも微妙な気持ちのまま仕事を再開した。

後日インタビュアーの方から記事の初稿が上がってきた。それを読み、思わず声をあげた。無駄が省かれ、話題の順番もスムーズになるように「編集」されていたのだ。
一方で、インタビュー慣れしている人には当たり前の事なのかもしれないが、自分が人生で一度も発したことのない単語や言い回しに変換されている文章があり、違和感が強かった。発言の意図はずれていないし、何より読みやすいので問題はないのだが、本当の自分の言葉とはなんだろうと思った。

この時のインタビューは担当者による編集だが、今この文章も自分自身で消したり足したり入れ替えたり、時間をかけてPCのメモ機能を使って編集しながら書いている。ちなみにこの段落と一つ前の段落の間には1日空いている。

ふと高校生の頃の話を思い出した。当時ちょうどTwitterを周りがはじめ出した頃、クラスメイトが長文で過激なつぶやきを投稿していて、次の日の教室で何人かの生徒から反感を買っていた。
つぶやいた生徒と最も仲の良かった友人もその内容に嫌悪感を抱いていたが、最終的には「実際話すといいやつなんだけどな」と締めていた。スマホでフリック入力だと嫌なやつで、音声だといいやつ。

この行から文章の続きをメモ帳にボールペンで書いてみることにした。あとで、ここで書かれた通りに書き起こす。編集不可能だ。何か変わるだろうか。ちゅうちょする表現や言い回しはあるだろうか。タイピングに比べると単純に緊張感がある。手汗をかいてきた。あとちゅうちょが書けなかった。ここまでテンポよく走り書きをしているのだが、書き起こされるころには、文字は均一化され伝わらないのだろう。タイピングの速度によって字が雑になるフォントがあったら何か伝わり方に影響ができるかもしれない。小さいメモ帳が既にうまってきたので、ここからさらに緊張感のある方法で書く。

この行からは音声入力で文章を作っています話すことが決まっていないのでグダグダになる予感がしていますあんまり普段使わないけど思ったより精度高いなタイピングの時の方がなんだか偉そうな感じがした声に出している方が自分の言った感じが強いこんなちょっとしか喋ってないのに使ってるカロリーが他の書き方と全然違ってなんかシンプルに疲れる音声入力の方がリアルな感じがすると思っていたが編集した文章はしっかり考えて作った文章とも言えるからなかなか難しい

高校時代の過激な呟きの彼も同じ内容を声で入力していたら言葉選びも違っていたかも皆さんはどの書き方にリアルさを感じますか最後に話が色々脱線しましたがそれもリアリティとして大目に見てください

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