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【AIを使いこなすツール】最強、AIキャンバス!『予測マシンの世紀 第三部』#7

こんにちは。シンラボ共同代表の草場です。

AIとの共同に関して、『予測マシンの世紀 AIが駆動する新たな経済』をまとめていきます。推理小説のようで、ドキドキワクワクです。

目次
はじめに―機械知能
安さはすべてを変化させる
第1部 予測
第2部 意思決定
第3部 ツール
 第十二章 ワークフローを分解する
 第十三章 決断を分解する
第4部 戦略(経営層にとってのAI;AIがあなたのビジネスを変容させるとき ほか)
第5部 社会(AIと人類の未来) 

第三部、ツールに関してです。昨日の記事は以下です。

■決断を分解する
いよいよ具体的なAIツールの話に移ります。

今のところ、よくイメージするような強いAI(人間のような知能を持ったマシン)は実現していません。今時点のAIは、予測のためのツールを提供しているだけです。しかし、このようなAIに対する見方は、AIを弱めるものではありません。

かつてスティーブ・ジョブズは、「人間と高等霊長類を分けるものの一つは、人間が道具を作ることだ」と発言した。ジョブズは、人間が他の動物よりも優れた運動能力を持つようになった道具として、自転車を例に挙げた。そして、コンピューターについても同じことを考えていた。「私にとってコンピュータとは、人間が考え出した最も優れた道具であり、私たちの頭脳にとっての自転車に相当するものです」。

今イメージするAIツールは何があるでしょうか?

AIツールは、
発話の意図を予測し(AmazonのEcho)、
コマンドの文脈を予測し(AppleのSiri)、
買いたいものを予測し(AmazonのRecommendation)、
見つけたい情報につながるリンクを予測し(Google検索)、
危険を回避するためにブレーキをかけるタイミングを予測し(TeslaのAutopilot)、
読みたいニュースを予測する(Facebookのnewsfeed)。

すでにたくさんありますね。これらは、どれもワークフロー全体を実行するものではありません。それぞれが誰かの判断を容易にするための予測的な要素を提供しています。

AIは力を与える。

では、ビジネスにおける特定のタスクにAIツールを使うべきかどうかは、どのように判断すればよいのでしょうか?ここですね。前から議論してきたように、すべてのタスクには、その中心に意思決定のグループがあり、その意思決定には何らかの予測要素があります。

そこでこの本では、タスクの文脈の中でAIを評価する方法が提供されます。

AIの役割を見つけるために、ワークフローを分解してタスクを特定することを提案したように、今度はそれらのタスクをそれぞれ取り上げて、構成要素に分解することを提案する。

よくわからないですね。詳しく本の内容を見ていきます。
AIキャンバスという手法が提案されます。この手法は、著者が運営しているCreation Destructive Lab(CDL)で様々スタートアップを見てきて構築されたものです。

CDLでは、最近の機械学習技術を活用して新しいAIツールを構築している多くのスタートアップ企業に触れることが出来た。このラボに参加した企業は、それぞれ特定のツールを構築することを前提としており、消費者向けのものもあれば、企業向けのものもあった。後者のタイプは、企業のワークフローの中でタスクの機会を特定し、自社の製品に焦点を当てて位置づけを行うことに重点を置いている。ワークフローを分解し、予測要素のあるタスクを特定し、その予測を実現するためのツールを提供することでビジネスを構築している。

この本で一貫して見てきた通り、ワークフローのタスクへの分解、そして予測要素のあるタスクを特定、その予測の実現するためのツールの提供、というのが多くのAIスタートアップがやっていることです。こういったスタータップに対して、著者らはどのようなアドバイスをしていたのでしょうか?

彼らにアドバイスする際には、意思決定の部分を、予測、入力、判断、訓練、行動、結果、フィードバックという各要素に分けることが有効だと考えた(図1)。

第七章で以下の図1を見ました。意思決定を分解しましたね?

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図1.タスクの分解(『Prediction Machine』より)

この過程で、予測マシンの潜在的な役割を理解するために、タスクを分解するための「AIキャンバス」を開発した(図2)。このキャンバスは、AIツールを熟考し、構築し、評価するための助けとなる。このキャンバスは、タスクの決定を構成する各要素を特定するための規律となる。各構成要素の説明を明確にする。

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図2.AIキャンバス(『Prediction Machine』より)

兎にも角にも、タスクの決定を構成する各要素(予測、入力、判断、訓練、行動、結果、フィードバック)を特定すると、とても効果的です。それを実現するのがAIキャンバスです。

明日以降、本にある具体例にこのAIキャンバスを適用していきます。

草場壽一
https://sinlab.future-tech-association.org/

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