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【オライリー氏からの助言】ようこそ21世紀へ#8 未来からのニュース②

こんにちは。シンラボ共同代表の草場です。

オライリー氏のレポート、『Welcome to the 21st century』をまとめています。目次は以下です。

・概要
・二度と戻ってこないものは何か
・今、完全に予想外のことが起こるかもしれない?
・未来からのニュース
・堅牢な戦略の展開
・堅牢ではないもの

今日のテーマは、「未来からのニュース」の具体的な例です。

■未来からのニュース
昨日は、未来を予測するシナリオ・プランニングに関しての概要について書きました。

今後の未来、どうなるのでしょうか?どのように予測すればいいのか?具体的な例を元に、オライリー氏が考察されています。

・パンデミックの進行そのものについて
感染症による今後の影響も気になりますが、感染症の進行そのものはどうなるのでしょうか?

症例数や死亡者数は増加しているのか、減少しているのか?パンデミックを抑えることに成功したと思われる場所でパンデミックが再発しているのか?もしあなたがアメリカにいるなら、CovidActNowというサイトはパンデミックの進行を追跡するのに最適なサイトだ。

まずは正確なデータ収集が必須です。日本の場合は以下のサイトでしょうか。

データを見ると、アメリカでは以下のようです。

今のところ、トレンドラインは、社会的な距離を置くことを実践してきた地域では、パンデミックがゆっくりとコントロールされつつあることを示しているように見える。しかし、州や郡はシェルター・イン・プレース条例を緩めることを考え始めている。パンデミックが始まった武漢では、積極的な対応でパンデミックを克服したかのように見えたが、1ヶ月以内に新たな患者が発生したという不穏なニュースがある。

パンデミックを抑制するにはソーシャルディスタンスが必須ですが、その影響を緩めると再度パンデミックが発生すると。日本の第三波の時のような状況です。

このことは、パンデミックへの対応が「一度で終わり」の戦略ではなく、トマス・プエヨが「ハンマーとダンス」というエッセイの中で述べているようなものであることを示唆している。即ち、「症例を減らし、経済を再開し、再発を見て、再びハンマーを落とし、より良いデータが入手できるようになると、対応はますます細かく、ローカルなものになっていくのである」

さて、現状の感染症の症例数のみを見ればよいのでしょうか?

季節性や天候も要因となる可能性があり、パンデミックから脱出したように見えても、パンデミックが再開するかどうかに大きな影響を与える。州や国が再開する時期に入ると、秋の再流行の可能性についての新たな不確実性があるにもかかわらず、将来の予測のすべてを形作ってくれる多くの新しいデータがあるはずだ。

日本では第三波が収まってきているように見えますが、春以降は抑え込むができるのでしょうか?
※このオライリー氏のレポートは2020年6月発行

・治療やワクチンに向けての進展
今後の感染症に対応するための治療方法、予防方法はどのように予測できるでしょうか?
※このオライリー氏のレポートは2020年6月発行

すでにいくつかのワクチン候補が試験段階にあり、病気の予後を改善すると思われる治療法がいくつかテストされている。一方で、これまで見過ごされていた症状や感染因子が発見されたことは、私たちの理解がいかに浅いかを思い知らされることになった。
ワクチンの実現が困難になるかもしれないし、病気を乗り切った人でも再感染する可能性があるかもしれない。この先長い間、私たちは不確実性の中で生きていくことになるかもしれない。「正常な状態への復帰」を含むいかなる戦略も、非常に慎重に考える必要がある。

この辺りは専門知識がないため何とも言えないですが、元に戻る、ということを想定せずに動いていく方が良さそうです。ワクチン等に関してのある程度の知識も、未来予測する上では必要そうです。

・緊急事態が解除されたとき、人々はどのように対応するか
この話題は気になります。日本の場合、緊急事態宣言が解除された場合、もとに戻るのか?経済はどうか?

(アメリカでは)避難所設置義務が発令される前から経済活動が低下していたことを示唆するデータがすでにあり、政府が命令を解除したからといって再開することはないだろう。一流レストランでさえも、電子商取引やテイクアウトの増加にシフトしていくのだろうか?歩いたり、自転車に乗ったり、家でパンを焼いたり、自分で野菜を育てたりする人は増えるのだろうか?

シンラボを共同で運営している、シンギュラリティ・ソサイエティが飲食店のテイクアウトを促進するサービス、おもちかえり.comを推進しています。この流れにシフトするのでしょうか?

企業は再び雇用する自信を持てるだろうか?
さらに重要なのは、消費者は再び消費する自信を持てるだろうか?
閉鎖した企業の何%が再開できるだろうか?
人々は再雇用され、失業率は下がっているのだろうか?
それとも、エコノミスト誌が「90%経済」と呼んでいるような状況に落ち着くのだろうか?

明日は、この続きです。

草場壽一
https://sinlab.future-tech-association.org/

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