【感染症後の世界】必要なテクノロジーに関して#6 ものを作る
こんにちは。草場です。
超有名なメディア、オライリーメディアの創業者ティム・オライリー氏の感染症後の世界で必要なテクノロジーについて書いた本、「21 Technologies for the 21st Century」についてのまとめ第四回です。
Table Stakes(必要最低限のスキル)が6つ示されいます。
1. ナレッジ・オン・デマンド時代の学習
2. コンピュータに何をすべきかを伝える(プログラミング)
3. 数学
4. メディアリテラシーと科学的方法
5. コミュニケーションとコラボレーション
6. ものを作る
前回までの記事はこちら。
今回は最後の必要最低限のスキル、ものを作る、です。
6. ものを作る
「メーカーズ」という本をご存じでしょうか?有名なメディア、Wiredの編集長を12年間務められたクリス・アンダーソンさんが書いた本です。
21世紀の製造業は、アイデアとラップトップさえあれば誰もが自宅で始められる。ウェブの世界で起こったツールの民主化が、もの作りの世界でも始まったのだ。
オライリー氏も、このもの作りに注目しています。
米国は、他国で製造された低コストの製品に依存しているため、その工場が閉鎖されると供給源が無くなるそうです。アメリカでは起業家精神は衰退傾向にあり、他の多くの国よりも低くなっているそうです。
オライリー氏によると、アメリカにはメーカー運動というものがあります。
メーカー運動:生活の中で使用しているものがどのように機能するかを理解し、それらを修理したり作成する方法を理解する。学ぶために作る、物を作ることを学ぶ。自分でやって、他の人と一緒にやること。
メーカー運動の感染症に対する役割について、デール・ドハティの「What’s “Plan C” for COVID-19?」に詳しく書かれています。後で読む。
この、ものを作ること、は起業家精神と強く結びついています。
他人のために製品やサービスを作る組織を作ること、つまりアントレプレナーシップは、最も重要な「ものづくり」のタイプのひとつだ。
それは、ニーズを理解し、どうやって満たすかということだ。多くの人は、これがシリコンバレーの起業家をモデルであり、唯一のタイプだと考えている。「資金さえ得られれば起業家になれるのに」という人がいるが、非常に少ない資金で始められるビジネスは多い。私(オライリー氏)は1983年にオライリーメディアを500ドルの中古家具から始めた。それ以外のすべては、最初に当社のサービス(テクニカルライティング)から得た収入と、顧客に販売する製品から得た収入で成り立っていた。
ものを作ることが、今のシリコンバレーの原型になっているという主張は、注目すべきかと思います。ITのイメージが強いですが、他人に必要とされるものをつくることは、
プロトタイプを作りながらニーズを満たすように変更していく
必要とされているものを作る
人と共同して作業をする
という点で、確かに起業そのものです。DIYを始めてみよう。
近年は、Arduinoが出てきて、もの作りがしやすくなりました。Arduinoは電子工学、ロボット工学を学び、センサーやモーターを使って物理的な世界と対話するあらゆるデバイスをプログラミングするための最適なリソースです。
オライリー氏、ポール・ホーケン氏との共著「Growing a Business」によると、
ビジネスを成長させるには投資家を獲得することから始まるという考えにとらわれないで、ただそれに邁進する自信を持つこと。起業家精神とは、自分が信じているものを作る方法を見つけることであり、小さなステップから始まることが多い。
この起業家精神、が感染症後に大事な要素なのでしょう。以下の文言で、ものを作る、のパートが締めくくられています。
私たちが作る最も重要なものは、私たち自身の未来だ。政府も市場も何十億もの人間の選択の集合体だ。もし私たちが受動性を選ぶならば、私たちは常に無力であり、他の人が行う決定の受け皿となる。
行動を選べば、失敗するかもしれないが、私たち自身の条件で失敗することになる。
市民参加は、私たちの意思決定の最も重要な形の一つだ。これは、選挙政治に参加して投票する以上のことを意味する。それは、私たちの周りを改善し、パンデミックの間だけでなく、常に隣人を助けるために手を差し伸べることを意味する。気候変動、人種差別、不平等などの体系的な問題に取り組むことを意味する。
今まで書いてきた基礎を身につけて、感染症後の未来を、自分たちで作りましょう。
草場壽一
https://sinlab.future-tech-association.org/
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