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【第5回】サステナビリティ格付け「Dow Jones Sustainability Index」(DJSI)について

こんにちは! shuhigashiです。
第5回目の投稿は、信頼性の高いサステナビリティ格付けの1つとされている「Dow Jones Sustainability Index」(DJSI)について、調べたことを書いていきます。

前回の記事では、ROESGランキングで世界56位(日本勢1位)の花王から学べることについて書きましたが、その中で「外部評価がオンパレードである」点が学べることの1つであると述べました。何とその数24個。笑
ですので、今後はその外部評価を1つずつ調べながら記事に纏めていくことにしました。今回がその初回となります。

それでは、宜しくお願いします!

1.Dow Jones Sustainability Index(DJSI)とは

Dow Jones Sustainability Index(ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス)は、世界的なESG投資の指標とされ、アメリカの大手信用格付会社であるS&Pダウ ・ジョーンズ・インデックス社とスイスのSAM社が協力してつくられた株式指数です。Corporate Sustainability Assessment (CSA)という調査の元、企業の持続可能性について環境、社会、経済の観点から多角的に評価し、毎年対象銘柄が選定されます。

「World Index」は、先進国・新興国双方の主要企業2,470社を対象にした指標で、2020年は323社 (うち日本企業は39社) が構成銘柄として選定されました。
また、「Asia Pacific Index」(アジア太平洋地域の主要企業を対象にした指数)で、今年度は601社の調査対象企業のうち、158社(日本企業82社)が選定されました。

2.ESG投資とは

Wikipediaで「ESG投資」と検索した結果「社会的責任投資」というものがヒットしました。次のような内容です。

社会的責任投資(しゃかいてきせきにんとうし、SRI。別名:社会的投資、サステナブル投資、倫理的投資)とは、市場メカニズムを通じ、株主がその立場・権利を行使して、経営陣に対して企業の社会的責任(CSR)に配慮した持続可能な経営を求めていく投資のこと。

「SRI」(socially responsible investment)・・・。見覚えが。
花王の外部評価のページの先頭でその3文字見かけました。そういうことだったのですね!

で、このSRIとESG投資、何がどうやって紐づいて、Wikipediaさんはコチラをヒットさせたのかと申しますと、次のように記載されてました。

ESG投資との比較
ESG(ESG:環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance))投資とSRI投資には多数の類似点があり、ほぼ同種のものとして扱われている。経済的リターンという側面だけではなく、倫理的な面に配慮した投資という点で、環境・社会・ガバナンスを意識したESG投資とSRI投資は類似している。 ~中略~ SRI投資が日本に導入されたのは1999年であるのに対し、日本でESGが明確に意識されるようになったのは2015年と比較的新しく、当初倫理的側面を強く前面に押し出したSRI投資が特殊な投資手法であると受け止められたのに対し、ESG投資は倫理的側面を意識しつつも最優先するのは経済的リターンだと考えられた。しかし、近年では両者はどちらも倫理的側面と経済的側面を同時に追求できるものと理解されるようになり、ほぼ同義のものとして扱われるようになった。

”倫理的側面と経済的側面を同時に追求”←ここ大事ですよね。
だから、伊藤先生は次のように言われているのですね。

稼ぐ力+サステナビリティ
 ⇒二項対立を超える
  ⇒ROESG経営

で、その関心が高くなってきた中で、今回調べている「DJSI」などのサステナビリティ格付けの指標が投資家にとって1つの判断材料となっている訳ですね。ESGって奥が深いです。

3.DJSIを調べてみる

ということで、DJSIのデータを実際に調べてみることにします。2020年のDJSIの構成銘柄一覧はコチラから参照できます。尚、掲載されているファイル形式がPDFのためExcelに変換し、サクっとデータ分析します。
※Invited Companies は、Excelで掲載しているのに…残念。

もちろん確認するのは、我が日本が対象となる「World Index」と「Asia Pacific Index」の2種類です。

では「World Index」から見ていきましょう。
まずは国別ランキングです。


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Japan、すごい!2位!

次に業種別ランキングです。

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花王は「Household & Personal Products」なので、業種別的には最下位グループに属するんですね。でも世界の同業種5本の指に入っているとなるとすごいことですね。

次に日本企業の一覧です。39社です。

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英語だと、ピンとこないですね。笑
ついでに日本企業のみの業種別ランキングを見ておこうと思います。コチラ

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「Capital Goods」が世界的にも日本的にも1位は変わらないですね。
花王の「Household & Personal Products」は1社のみなので、つまりこの業界では日本一ということですね。流石。


では「Asia Pacific Index」を見ていきましょう。
まずは国別ランキングです。

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世界2位の国ですから、アジアでは当然1位ってことですね。その比率もすごい。半分を占めている。ニホン捨てたものじゃないぞ!(上から目線)

で、次に業種別ランキングです。

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やっぱり「Capital Goods」が1位は変わらないですね。
花王の「Household & Personal Products」は4社なので、つまりこの業界は世界的に見ても、アジア太平洋地域が強いってことですね。

最後に日本企業の一覧です。82社です。

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当然の結果と思っていたのですが「World Index」に選ばれた日本企業39社は、この「Asia Pacific Index」に全社含まれていると思いきや、2社は入っていないです。なぜなのか・・・。具体的な社名でいうと「Mitsui & Co., Ltd.」「Sekisui Chemical Co., Ltd.」の2社ですね。なぜだろう。。

4.どうしたらDJSIに選ばれるのか

単刀直入に述べますと、まずもって次の条件で時価総額によってふるいにかけられます。

✓「World Index」の評価対象
  ⇒ 時価総額で世界の上位2,500社
✓「Asia Pacific Index」の評価対象
  ⇒ アジア太平洋地域の時価総額上位600社

はい。そもそも土俵に立てない企業がほとんどだと思います…。
「時価総額を向上させる必要がある…。」なるほど。

はい。ということでDJSIに関しては、概ね規模の大きな企業が恩恵を受ける指標ということが分かりました。

しかしですよ。

裏を返せば、「DJSIに囚われる必要がない」とも考えることができます。私の記事では主に”企業側”の目線で記事を投稿していますが、投資家目線でこの問題を捉えると、(想像ですが)DJSIもESG投資の判断指標の1つですが、それだけが全てではなく、各企業のIR情報などの開示されている情報を見定めることで、DJSIなどの指標に表れていない(埋もれている)が応援したくなる企業はまだまだたくさんあって発掘することができる!ということです。

そう信じていたい。今日この頃です。

ちなみに、この土俵に立った後、DJSIに選ばれるためにどういうことをするのかについて参考になる記事がありましたので、興味のある方をご覧くださいませ。

また、土俵に立った後、「自分たちではどうにもこうにもできない!」という企業には、DJSIを支援するサービスなんてのも、あるみたいですよ。
ググって出てきたものを1つだけご紹介すると、PwCサステナビリティ社は「ギャップ分析」「質問票回答支援」などのサービスを展開されているようです。

5.最後に

まぁ、確かに「時価総額」って企業を見定める際に最初のうちに見る指標の1つですよね~。だからそういう影響力のある企業且つサステナビリティな企業に対して、投資家たちが応援するっていうことが、地球の未来のためになるってことなんだと、今回、DJSIを調べてわかりました。

でも、先ほども述べましたが、DJSIが全てでは無いですから。前を向いていきましょう!他にも打つ手はたくさんあるんですから!

その中で、自社にFitするものを見定めて、追求していければ、きっと良い企業になっていくのだと、私は信じています!

次回は「FTSE4Good Index Series」と「FTSE Blossom Japan Index」について記事にします!


~行動は今日からはじめる!~
それでは頑張っていきましょう!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
以上です。




Thank you!