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伝える力と聴く力

当社では毎朝の朝礼で1分間スピーチを実施しています。やり始めて1年近く経ちますが、自分の番が回ってくるのが憂鬱だな、ネタを考えるの面倒だな、何でこんなことしなければならないの?と思っている人もいるのではないでしょうか?今日は改めて、1分間スピーチをする意味について書きたいと思います。


*この記事は、AJグループ各社(アーキ・ジャパン、アクト・ジャパン、AJホールディングス)社員に向けた社長メッセージです。noteで #オープン社内報 として公開することで、社外の方にも当社の文化社風、大切にしている価値観、経営者の考え方などが少しでも伝われば幸いです。


ビジネスの場では、相手に何かを説明して、理解、納得してもらったうえで行動してもらいたい、ということがよくあると思います。しかし、何度説明しても分かってもらえない、うまく説明できず勘違いされてしまう、なぜか相手をイラつかせてしまうなどといった経験はありませんか?また、ダラダラと説明が長くて何が言いたいのかわからない人や、逆に言葉が足りないために何を考えているのかがわからないという人と接したこともあるでしょう。これは伝える力が乏しいことが原因かもしれません。

1分間スピーチでは、1分という限られた時間の中に、伝えたいことをまとめなければなりません。自分が見聞きしたり体験した事象の概要、それを受けて思ったことや感じたこと、聞いている人へのメッセージや結論、これらをわかりやすく組み立てることで論理的思考力が養われます。また、頭の中で考えていることを言葉にして、相手に理解しやすい表現で伝えるという言語化能力も身につきます。さらに少し応用編ですが、ひとつのニュースを聞いたり、記事を読んだりした時に、その内容を自分の仕事などと結びつけて考えることができると、思考の幅がぐっと広がりますよね?これは抽象化力というスキルにつながってきます。このように1分間スピーチひとつで様々なスキルを身につけることができるのです。

スピーチをするのは月に一度くらいですから、それ以外の日は誰かのスピーチを聴くことになります。この人の話を聴くというのもとても大切なビジネススキルのひとつです。スピーチは人に“伝える”ことを目的としていますから、伝えたい相手が理解しているかどうかを確認しながら話を進めることになります。その相手が、よそ見をしていたり、むすっとした顔をしていたらどうでしょう?話が面白くないのかな?うまく話せていないのかな?と不安になり、辛く、苦しい時間ですよね。何かを伝えようとしている人が、リラックスして、事前に組み立てた話を展開できる環境を作ってあげるには聴く力が必要です。

聴く力は相手から話を引き出すスキルです。話に合わせて、頷いたり、笑顔を見せたりと共感することで、相手は「伝わっているんだ」と安心して話を展開することができます。また、自分の話をきちんと聞いてくれる人、という認識から信頼関係にも発展します。ビジネスにおいて、相手に本音で話をしてもらうことは重要です。何を考え、どうしようと思っているのか、その本音を聴き取るとこで、こちらの対応も大きく変わるもの。だからこそ、本音を引き出すには相手の話を聴く力をつける必要があるのです。

私自身も毎月のTSUNAGUミーティング(全社会議)の冒頭の話や、このnoteを通じてのメッセージ発信を繰り返すことで、伝える力を鍛え続けています。同時に、会議や1on1、普段の雑談においても皆さんから話を聴く姿勢を意識しています。人前でプレゼンをするような機会はないとか、営業のようにお客様と折衝をする仕事ではない、ということではありません。伝える力と聴く力、これはコミュニケーションの基本であり、誰もが身につけるべきビジネススキルです。

改まって研修をするのではなく、日々のルーチンの中で自然と身につけて欲しいという想いから朝礼に組み入れました。少し憂鬱に感じることもあるかもしれませんが、自分のスキルアップの一貫と捉えて取り組んでくださいね。

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