見出し画像

越境 -思い込みの檻から抜け出して新しい世界へ

社員の皆さん、あけましておめでとうございます。
皆さんはどのように年越しをしましたか?私は毎年自宅で紅白~CDTVを見ながら、「この人誰??」「この曲聞いたことあるけどこのアーティストが歌っていたのか~」とその年にヒットしたアーティストのアップデートをしながら新年を迎えています。

さて新年度のキックオフミーティングでも共有しましたが、今年は配属人数と単月売上の過去最高記録を更新できる見込みです。コロナで一旦採用活動を休止、配属数が落ち込んでから、上昇基調に戻すまでだいぶ苦労しましたが、やっとこれまで見たことのない景色を見ることができそうです。そこで、新年最初の皆さんへのメッセージは「越境」です。業績だけでなく、皆さんの内面においても、ボーダーラインを越えて新しい世界へ飛び出していって欲しい。そんな思いを書きました。

限界の正体

皆さんはこれまでに「もうダメだ」「どうすればいいんだ」「これ以上は無理だ」と限界を感じたことがあるかと思います。
男子400mハードル日本記録保持者の為末大さんは著書の中で、「限界は人間が作り出した思い込み」だとし、限界のことを壁ではなく檻の中に入るようなものと表現しています。

僕は限界とは壁ではなく、「檻」のようなものではないかと考えています。なぜなら、限界は、一方向的ではなくて、周囲を囲まれるように外側からつくられているからです。壁やハードルは、目の前にのみ立ちはだかりますが、限界はもっと立体的です。限界をつくり出す要因は、ひとつではありません。身体的能力、時間、性格だけでなく、社会の常識、周囲の期待、他人との比較などさまざまな影響を受けていて、僕たちは、前も、後ろも、右も、左も、上も、塞がれています。そして、いつの間にか「限られた世界」(=限界)の中に取り込まれ、そこから脱出することはできないとあきらめてしまうのです。いったん、限界を感じると、その中でしか思考ができなくなります。

為末大 「限界の正体」 自分の見えない檻から抜け出す法

限界を感じるときというのは、八方ふさがりのような感覚に陥りますから、とても共感できる表現だと思いませんか?「限界」に対して「壁」や「天井」のようなイメージを持っていましたが、自分の思い込みが作り出した「限られた世界」に取り込まれていると考えると、考え方や捉え方次第でそこから抜け出せる気がしてきます。

この限界の檻から抜け出す方法について、為末さんの言葉を参考にしながら3つの観点で私なりの考えを伝えたいと思います。

根性論ではなく戦略論でいこう

「限界を越えろ」と言われると根性論の世界を思い浮かべますが、スポーツの世界でも、無意味にうさぎ跳びをさせるスポ根の世界から、科学的な根拠に基づいた戦略的なアプローチが重視されるようになっています。意味も分からず努力だ、継続だ、積み重ねだ、とむやみに「量」をこなすのではなく、どのように「質」をあげていくか「考える力」をつけることが、限界を超えることに繋がります。

量のアプローチはいつの間にか量をこなすことが目的になってしまい、お客様に提供する価値であったり、自分自身の成長やキャリアであったり、という本来の目的を見失いがちです。そればかりか、質の低いサービスを連発したり、(うまくいかない)質の低い行動を繰り返すことは、かえって顧客満足度の低下や成長スピードの鈍化を招いて、限界の檻に取り込まれることになりかねません。

思い通りに物事が進まなかったときは一度立ち止まり、なぜうまくいかなかったのか、どうしたらうまくいくのかを考え、思考の質、行動の質をあげる戦略的なアプローチをとりましょう。その際、ひとりで考え込むのではなく、チームの仲間と一緒に経験を共有しながら新しい戦略を立てることを意識してください。自分がうまくいかなかったことは、他の仲間にとっても有益ですし、新しいアイディアは情報交換、意見交換の中から生まれるものです。業務報告に終始するようなミーティングではなく、意見を出し合う時間をもつことを意識してみましょう。かならず限界突破の戦略が出てくるはずです。根性論ではなく戦略論でいきましょう。

人の期待を満たそうとしなくていい

限界の檻に取り込まれるもうひとつの思考が、「人の期待」を満たそうとすることです。お客様や技術者の課題に対してソリューション(価値)を提供することはとても大切なことです。しかし、相手の期待を満たせるかどうかはまた別のこと。期待のイメージやレベルは人によって違いますから、それを全て満たそうとすることは、他人軸で行動することになり、自分本来の思考や行動がとれなくなってしまいます。

相手にとって価値があると信じた行動をとることが重要なのであって、期待を満たせたかどうかは相手が抱いていた期待イメージによって変わるものであり、それは自分ではなく相手の問題です。

以前「ありがとう」という言葉にやりがいを求めてはいけないという話をしました。

自分ができるのは、「自分が信じる最善の道を選ぶこと」だということを忘れないでください。

結果は努力の過程にすぎない

3つめの思考が「努力が報われない」というものです。こんなに勉強したのだからテストで満点をとりたい。こんなにゴルフの練習をしたのだから100を切るスコアを出したい。人は一生懸命努力するほど結果を求めるものですし、結果が出なければ努力が報われないとモチベーションを落とすこともあります。でも、たとえ期待した結果が出なくとも、努力によって自分自身が成長したことには変わりはありません。

よく「結果が全て」や「結果がでなければ意味がない」と言われますが私はそうは思っていません。目標として一定の”結果”を定めることは大切ですが、そこを起点に物事をスタートすると、その過程における健全なモチベーションを維持することができないからです。目標を定め、努力をして、結果が出たら、目標との差分を認識して、改善する。結果とは努力を継続するための指標に過ぎません。あくまで結果はそれまでの努力の結果であって、全ての終着地点ではなくひとつの過程なのです。

結果から思考をスタートすると、結果を出すためにやらなきゃとかしなければならないというプレッシャーが原動力になります。しかし、こうした脅迫的なモチベーションは常に思い通りの結果が出なければ途中で疲れてしまって持続できません。そうではなく、目標を目指しながら、試行錯誤したり、仲間と協力したり、たくさんの成功や失敗を経験したり、その過程を楽しむ感覚でいることができれば、結果のひとつひとつに気持ちや行動を縛られることはありません。全ては自分が楽しむためにやっているのであって、結果はあとからついてくるものですから。

今年度、過去の業績を塗り替えることもひとつの過程にすぎません。皆さんひとりひとりが自分で作った檻から抜け出し、自分の強みや可能性を広げ、仲間と一緒に新しい世界へどんどん飛び出していきましょう。

今年もよろしくお願いします!


あとがき

  1. 関東地方の元旦は気持ちのいい青空でした。冬場の天気は地域によって全然違うと思うけど、過去の統計から東京の晴天率は78%。なんと静岡、徳島では100%らしい(2019年までの統計)
    元日の晴れ出現率ランキング発表 過去15年の気象データを分析 - ウェザーニュース (weathernews.jp)

  2. お雑煮って地域によって全然違うっていいますよね?妻の実家では、まるごと焼いた鯛とお餅に、三つ葉とゆずの皮を乗せた鯛雑煮をいただきます。これが絶品。皆さんのお雑煮はどんな感じ??

  3. 元旦におせちを食べたあと、子供にせがまれて近くのショッピングモールにあるアミューズメント施設でUFOキャッチャー。ポケモンのヒトカゲのぬいぐるみをゲットするも、あまりにコスト効率が悪い。。。最後にコインゲームでもやるかと1000円分のコインでやり始めたら、長男の台が大フィーバー。ジャックポットがあたって1500枚のコインがじゃらじゃらじゃらじゃら、、、その後も確変続きで無駄な時間だなと思いつつも3時間離れられない。元旦から景気がよくて今年は楽しみだと捉えるか、ここで運を使い果たしたと捉えるか。当然前者でしょ!

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?