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やりたいことが見つからなくてもいい

キャリアに関する悩みのひとつに「やりたいことが見つからない」という話をよく聞きます。就職・転職活動をするにあたって、自分のやりたいことがみつからず方向性が定まらなかったり、普段仕事をしていてもこれが自分のやりたいことなのだろうか、とふと疑問に思ったりすることがあると思います。私は、やりたいことが見つからないのであれば無理に探そうとしなくてもいいと思っています。特に新卒や20代のころはやりたいことが分からなくて当たり前。やりたいことは、色々な仕事を経験したり、多くの人と出会ったり、刺激を受けたりしながら、自然と見えてくるものだからです。今日は自分のキャリアの方向性について話をしたいと思います。


*この記事は、AJグループ各社(アーキ・ジャパン、アクト・ジャパン、AJホールディングス)社員に向けた社長メッセージです。noteで #オープン社内報 として公開することで、社外の方にも当社の文化社風、大切にしている価値観、経営者の考え方などが少しでも伝われば幸いです。



若いうちは将来のキャリアイメージがもてなくて当然

キャリア構築の基本的な考え方は、将来の自分の成りたい姿、ありたい姿をイメージして、そのために今できること、経験すべきことを見定める。そして、自分の価値観や強みなどに基づいた”軸”をしっかりともち、キャリアゴールに向かって一歩ずつ積み重ねていくという考え方です。当社で実施したキャリア研修でも、10年後のキャリアの理想像から逆算して、自分がいま取り組んでいることと結びつけるという演習をやって、それぞれのキャリアの道すじを言葉にして共有しましたね。

しかし、どうしても自分の将来像が描けない、やりたいことが見つからないという人もいるでしょう。特にまだ社会人経験が浅ければ、自分ができることもよく分かっていませんし、仕事やキャリアの選択肢や可能性も見えないので、具体的なイメージがわかなくて当然です。ですから、自分のやりたいことが見つからなくても、不安に感じたり焦ったりする必要はありません。ましてや、やりたいこと探し、自分探しの旅に出るなどといったことも余程時間に余裕がある人でなければ必要ないでしょう。

偶然を呼び込むちから

「個人のキャリアの8割は予想しなかった偶発的なことによって決定される」とする計画的偶発性理論という考え方があります。これは心理学者のジョン・D・クランボルツ教授によって1999年に発表されたキャリア理論で、「何をしたいのかという目的意識に固執しすぎると、目の前に偶然訪れたチャンスを逃しかねない」とクランボルツ教授は指摘しました。変化の激しい時代において大切なことは、世の中の変化に対応しながら細かく軌道修正していく柔軟性。その観点からすると、キャリアの初期段階においてはあえて目標を設定しないという判断も決して悪いことではありません。

計画的偶発性理論とは偶然起こるラッキーを待てばよいということではありません。ここで重要なのは偶発だけど計画的だというところです。予期せぬ偶然は自ら呼び込める人と、そうでない人がいます。これは運やツキのありなしではなく、偶然を呼び込むための行動をとっているかどうかです。

(計画的偶発性を起こす行動特性)

  1. 好奇心:新しいことに興味を持ち続ける

  2. 持続性:失敗しても諦めずに努力する

  3. 楽観性:何事もポジティブにとらえる

  4. 柔軟性:こだわりすぎずに柔軟な姿勢をとる

  5. 冒険心:結果がわからなくても挑戦する


”できること”を増やすことが将来の選択肢を広げる

クランボルツ教授によると計画的偶発性を起こす5つの行動特性があるといいます。ただ、若いうちはあれこれ考えたりせず、目の前の仕事に集中することが大切。しっかりと仕事に取り組んでいれば、その仕事を通じて新たにできることが増えていきます。元気よく挨拶ができるようになった。ビジネスメールが書けるようになった。人の話に耳を傾けられるようになった。自分の考えを端的に伝えられるようになった。初めは小さなことでも構いません。先週の自分、先月の自分より何ができるようになったかを書き留めていきましょう。できることひとつひとつは、自分がどんな人間なのかを表現するためのタグづけのようなもの。ブログのハッシュタグをつけるように、もしくはペタペタとポストイットを貼り付けるようなイメージで自分のできることを増やしていきましょう。

自分自身を特徴づけるような”できること”が増えてきたら、自然とビジネス成果にもつながってきます。そうすると周囲から、○○さんはこんな人という評判がたち、自分の特徴なり優位性なりを活かすことができる仕事やチャンスがめぐってくる。これが計画的に偶発的チャンスを手にするということなのです。

将来のキャリアビジョンや理想の姿が見つからなくても心配することはありません。今皆さんが向き合っている仕事は、必ず将来の可能性や選択肢を増やすことに繋がっていく。それを信じて”できること”を増やすことに目を向けていきましょう。


あとがき

  1. 先週は小学生の次男の運動会でした。これまで3年間はコロナの影響で中止になったり、親は観に行けなかったりでしたが、久しぶりの通常開催。子供たちどうしも、家族にとっても、こうした行事は大切ですよね。川崎市の小学生は運動会でE-JUNC Dance(いーじゃんダンス)なるものを踊るのが恒例になっています。E-JUNCのEはエネルギー、JUNCはジャンクション(合流)で、川崎の方言である「いーじゃん」とかけられています。
    E-JUNC DANCE | かわさき舞祭 (areafare.com)

  2. 名古屋に出張に行ったときに、前から食べてみたかった味仙の台湾ラーメンを食べました。もともとあまり辛いものは得意ではないのだけど、これは、辛すぎる、、、ちょっとマイルドになるかなと思って生卵入りにしたけど、全然無理。半分くらいでギブアップでした。
    元祖台湾ラーメン | <公式>味仙本店 - 元祖名古屋名物台湾ラーメンの中国台湾料理店 (misen.ne.jp)

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