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2016年 春合宿⑥ 最終回 自転車旅 大阪〜京都

関西人だからって訳じゃないが、関西を走っていて、交通ルールの守らなさにビックリした。まず車はすぐにクラクションを鳴らし僕らが自転車で道路を走っている事に怒りをぶつける。そして自転車は左側通行ということを全く無視し、逆走をしていた。
まさに自転車修羅の国、この世の地獄である。大阪から京都に向かっていた僕らは、少し遠回りになるが万博記念公園に寄り道をして、太陽の塔を見ようとしていた。
僕は大して調べもせず提案した。

これがいけなかった…

大阪でぶらぶらしていたため、夕方近くに大阪を出発した。
道が悪いので少しの距離でも疲労した。公園までまぁまぁの距離を登った。

「ハァハァハァやっと着いた…あれ?やっていない…5時閉園!!?」

僕は自転車を倒して芝生の上に崩れ落ちた。
時間は6時21分 とうに過ぎている
『芸術は爆発だ!』とまで言っていた岡本太郎の万博記念公園が5時で終わりという公務員的な姿勢に甚だ疑問を感じた。
八つ当たりである。

太陽の塔は門から後ろ姿が申し訳なさそうに小さく見えるだけだった。
僕らは無気力感の中、京都へ向かった。
完璧なナイトランであった。
この時の大阪から京都の移動はとても長く感じたことを覚えている。
まだ高槻かよっ!って感じである。
京都へと帰る車が長蛇の列になっていた。

途中でわらい焼というお好み焼きを食べた。

店員が作ってから鉄板に置いてくれるというスタイルはあまり体験したことがなく新鮮で、疲労していた僕らはむさぼり食べた。

無心で走っていると、京都タワーが遠く向こうに見えてきた。暗闇の中に佇むタワーは安心感とともにゴールであるという高揚感を感じた。
光というのはやはり人間を安心させるものである。
僕は京都は修学旅行でしか行ったことがなかった。だから京都の街に夜に入った時の静けさは不気味であった。しかし悪いことをしているという背徳感のようなものがありワクワクした気持ちもあった。
テンションが上がった僕らはそのまま伏見稲荷神社へ行った。

夜の稲荷神社は程よくライトアップされていて荘厳な雰囲気であった。結構暗かったので自転車のライトを取り外して使った。
千本鳥居は何とも言えない不気味さがあった。

これ1人で来てたら絶対怖いだろうな…と思った。たぶん、もっとライトアップしたら華やかになると思うが……

京都駅の近くに仮眠室のあるサウナがあったのでそこへ行った。1000円で宿泊できるのであれば駅にも近いし、京都に来た時はまた利用しようと思った。

京都では四畳半神話体系の聖地巡りと天下一品の一号店を訪問した。

鴨川沿いのスタバに朝行った。夏などは納涼床が川沿いに出るらしく、建物自体がオシャレであったが、僕らは場違いであった。

京都大学の吉田寮。まさに廃墟寸前でカラスが異常に鳴いていた。普通に学生が住んでいたのは笑った。

京大ではセンスの光る看板が一杯あった。

鴨川デルタ。「世間の目を気にして信念を折り曲げるんですか!?」とコンパ会場を爆撃するところである。

下鴨神社の森。夏などは古本市などが行われるらしい。

縁結びのお守りを恥ずかしげもなく買ったが、別に効果は現れていない。結局は自分次第なのである。

天下一品総本店。京都の外れの方にあり、よくここから全国チェーンになったものであるなと感心してしまった。

1号店は他店と違い、スープを工場ではなく、自店舗で作っているらしい。だから、いつも食べているのより美味しく感じた。

京都駅から輪行をして東京へ帰った。

春合宿は実質、2週間程度であったが本当に2ヶ月ぐらいに感じるほど、濃いものであった。休みが多い大学生のうちにしかできない旅であると心から思った。
帰ってきて結構時間が経ってから、これを書いているのだが今でも当時の出来事をありありと覚えている。
それぐらい印象に残るものだった。記憶が新鮮なうちに記録しておきたいと思い、これを書いたが旅行の体験を文章にするのがこんなに楽しいものだとは思わなかった。
書いていくうちに記憶が思い起こされ、2回行った気になるのだ。新たな旅行の楽しみを見つけた気がする。
また自転車旅に行った時も殴り書きたいと思った。

#旅 #自転車 #自転車旅 #京都 #四畳半神話体系 #サイクリング #ツーリング

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