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【イベントレポ】どうすればDXを実現できるか?(入山章栄さん)

「カオナビ×NewsPicks」主催イベント、レポート第三弾です。

気鋭の経営学者として、数々の書籍や登壇で有名な入山先生。セッションをお伺いするのはこれが初めてで、とても楽しみにしていました!

遠慮も忖度もなく切り込むのが痛快で、見応えたっぷりのセッションでした。
以下、レポートです。


どうすればDXを実現できるか?

・DXはあくまで手段で、目的が必要不可欠
目的なきDXが蔓延している(バズワード化)
・DXがうまくいっているのは”良い会社”
・”良い会社”に必要なのは、「リーダーのビジョン」「現場への権限委譲」

レガシーな組織は、どうすれば変革できるか?

テクノロジーへの理解と、権限委譲が鍵
・綺麗なコンセンサスは不可能に近い
キャズム(16%)を超えて、納得させられるか
・改革者に必要なのは「しつこさ」
・一番の反対者を、「諦めさせる」戦い

どうすれば理解・共感を生み出せるか?

・3つのストーリーを描き、順番に語ること
 ①My Story(自分がやりたい理由、想い)
 ②Our Story(組織にとっての利益・ゴール)
 ③Your Story(あなたにとってのメリット)
・どれ一つが欠けても成立しない。ストーリーテラーになること

コロナは、組織・個人・キャリアをどう変えるか?

【組織】
・企業経営の方向性は不変。スピードと手段が激変
・強烈な危機感が芽生えたのは良い変化
・これまで変われなかったのは、経路依存性(様々な要素が合理的に噛み合っていた)
・一部ではなく、全部を変える唯一無二のチャンス

【個人】
・一つの会社へのエンゲージメントは低下していく
・リモートでの人脈づくりが広がっており、兼業・副業が一般化
・終身雇用も一括採用も存続できない。キャリアの作り方も激変し、これまでの当たり前は成立しない
・企業に対して、個が強くなっていく時代

これからの時代、個に何が求められるか?

・「どんな会社」で、「どんな役割」を担い、「どんな仕事」をしているかで、市場価値の二極化がどんどん進んでいる
旧来の”エリート”が通用しない時代になり、今までの評価軸を捨てて労働市場と向き合うことが必要
・市場価値を最も左右するのは、仕事における意思決定の数と質。不確実な状況で、意思を持って決断できる人が求められる
・大企業の大きな枠組みに入り込み、意思を持たずに仕事をしてきた人は、淘汰されざるを得ない
・正解がない中で、自分で決める機会をつくり出すことが大事

個と企業の関係はどうなるか?

辞める人は辞める時代。"辞めさせない”アプローチは、時代遅れ
『副業を解禁したら社員が辞める』という嘆きは、『自社は魅力がないです』という宣言
副業されようが兼業されようが、選ばれ続ける会社だけが生き残る
個が力を持つ時代への、企業の適応力が問われている

デジタルとどう付き合うべきか?

・デジタルは形式知しかできない
・人間がいかに、暗黙知に時間を使うかが問われている
・ロジックや知識ではなく、感情や共感が人の主戦場
暗黙知の領域で学び続ける力が、大きな武器になる


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