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【ホラー連載】 ココカラダシテ 第三顔

これまでのできごと
・ 2019年7月23日 19:11 陳野洋平は嘔吐した。
・ 2019年7月19日 22:25 水原恵は失踪した。

 ゴッ。ゴゴゴ。ゴン。
 ゴッ。ゴッゴゴゴ。ゴウン。

 俺は……いったい……。

 ゴッゴ。ゴゴゴ。ゴン。
 ゴン。ゴッゴゴゴ。ゴウン。

 音が……聞こえる……。
 叩き、引きずり、唸るようなあの音が……。

 聞こえる……。

 ああ……。

 俺は……。
 俺は……。

 俺は。

 陳野洋平(つらのようへい)は、悪夢にうなされていた。

2019年 7月23日 20:57

 ダシテ……
 ダシテ……

 ココカラ……

 昏い底で、たった一人。

 ココカラ……

 己を見失い、

 ダシテ……
 ココカラ……

 ただひたすら揺蕩っている。

 ダシテ……
 ココカラ……

 ここに広がるのは荒涼たる死の光景。

 ココカラ……
 ココカラ……

 紫に蠢く、肉塊の大地だ。

ココカラダシテ

 
 暗黒の空の下、俺は立ち上がった。肉だ。肉だ。肉だ。広がっている。昏い空の下、紫に蠢く肉の大地が広がっている。煮詰めた腐臭のごとき臭いが立ち込め、地平に連なる肉の山並みは、ビクビクと、のたうつように震えている。

 ダシテ……
 ココカラ……
 ココカラ……

 俺は足元を這いずる肉筋虫たちを踏み潰した。すべてが無意味。すべてが無価値。生命(いのち)の不在。条理の不在。ここに存在するのは底知れない闇と悪意、そして、あのおぞましく、名状しがたい──。

 ダシテ……
 ダシテ……
 ココカラ……

 それでも俺は……決意を込めて顔をあげる。たった一人でも立ち向かう。己を奮い立たせ、次なる戦いへと身を投じる。俺は最後まで抗い続けるのだ……あの、恐るべき宇宙悪魔たちに。

テレッテー! 
うわーい、ぼくはあんこくをつらぬく、
あおきりゅうせい!
うちゅうをかけるせんしだ!

 見つめる先。地平に連なる山並みがボコボコと音をたて、その肉が沸騰したように沸き立っていく。紫の血煙が吹き出し、悪臭を撒き散らし、肉の山は膨らみ始める。ボコリボコリと盛り上がり、病的におぞましい瘤を生やしながら増殖を続けるそれは、肉の柱と化していく。

 ココカラ……
 ココカラ……
 ダシテ……

 柱はグジュグジュと膨らみ伸びていく。その根本では、ヴヴ、ヴヴ、と羽音のような音をたてながら、膨らんだ瘤が破れ、紫の膿を噴き出す。ブシュブシュと蠢くその破れた跡に目が開き、口が開き、鼻が盛り上がる。

 ダシテ……
 ココカラ……
 ダシテ……

 柱の根元から上へ上へ上へと向かって、ヴヴ、ヴヴ、波のように、瘤の破れは連鎖していく。ヴヴ、ヴヴ、無数の顔をつくりだし、ヴヴ、ヴヴ、顔から顔が生え、ヴヴ、ヴヴ、吹き出す汁から顔が零れ出し、ヴヴ、ヴヴ、眼球から顔が産まれ、ヴヴ、ヴヴ、舌に顔が絡み付き、ヴヴ、ヴヴ、顔が顔を喰らい、ヴヴ、ヴヴ、おぞましき肉柱は暗黒の天頂へと向かって、高く、高く、高く、高く、それは昏き昏き増殖を繰り返していく。

 その顔、すべてが同じ顔だ。それは俺の敵。滅ぼすべき、俺の敵だ。

わるいうちゅうあくまめ!
ぼくがたいじしてやるぞ!

 つつつつつつ……
 つらつらつらつらつら……

 顔どもが口を開く。
 不快な声音で喚きはじめる。

 つらつらつらつら……
 つらつらつらつらのくん……
 つらのつらのつらのつらのくんさぁ……


「陳野くんさぁ……もう少しなんとかならない?」

 
 俺は激昂した。
 俺の宇宙光線銃が火を噴いた!

しゅばーん、しゅばーん、
ばきゅんばきゅん!

 俺は宇宙悪魔に高速タックルをかまし、馬乗りとなってマウントを取る!

「陳野くんさぁ……」

 パウンドの嵐をお見舞いする! 容赦なく!

どうだ、えいえい。
まいったか!

「は?」

 殴る、殴る!

「は?」

 不快な臭いが立ち込める。

「陳野くんさぁ……」

 奴は泣き出し戦慄いている。だが、俺は決して殴るのをやめない!

えーん、えーん。
ごめんさい……

 ココカラ……

「は?」

 プレゼン直前に姿を消しやがって!
 この! この! 偉そうにしてたくせに!

ごめんなさい……

 ダシテ……
 ココカラ……

ごめんなさい……

 ココカラ……
 ダシテ……

わっはっはっ!
あやまったって、ゆるさないぞぉ!

 胸を押し潰す悔恨。

ココカラダシテ

 
 底知れない、闇だ。


 …………………………………………。
 ……………………。
 …………。


(う……)

 まず最初に感じたのは、優しい、優しい温もりだった。洋平はその暖かさに癒されながら、微睡みから少しずつ目覚めていく。

(あ……れ……?)

 次に、体の弛緩に気がつく。まるで麻酔にかかったように動くことができない。力を入れることも、そして口を開き、声を発することもできない。

 でも……洋平は安心していた。少しも不安はなかった。なぜなら。

(あったかい……)

 感じる温もりがただひたすら暖かくて、幸福な気持ちが湧いてきて、悪夢の不快さが霧散していって、洋平は、ただひたすらに幸せだった。

(あれ……。揺れ……て……る)

 微かに体の揺れを感じる。洋平は瞼を動かす。うっすらと薄目を開けることはできるようだ。眼球も……動かせる。少しずつ焦点が合ってくる。周囲の様子が見えてくる。

(あ……。車の……中?)

「ほんっとうに、大変だったんですからっ!」

 美咲の声だ。夏野美咲(なつのみさき)。洋平の彼女だ。洋平は、ようやく温もりの正体に気がつく。美咲の手だ。隣に座っている美咲が、包み込むように洋平の手を握りしめているのだ。

(あったけえ……)

 女神様じゃん……。
 美咲、やっぱり女神様じゃん……。
 俺の、女神様……。

 洋平は、幸せだった。

「へーそれでその彼氏さん、倒れちゃったんだあ」

 あん? なんだ? この至高の幸福に割り込んでくるとは! 洋平はムカついた。しかもオッサンの声! 眼球を動かす。どうやら声の主は運転手……なるほどここは、タクシーの中だ。

「そうなんです。この人、急に吐いて、それから倒れちゃって。でも、凄かったなぁ……」
「そんなにびっくりするぐらい、顔みたいだったの?」
「そうなんですよ。本当に顔っぽい瘤。凄かった……」

 思い出した。そうだ、あの時俺は……。

「ふーん、それで瘤の人は救急車で運ばれて?」
「警察まで来て大変でしたよ……。彼も救急車に乗せようと思ったんですけど。この人、朦朧としながらも、めっちゃ拒否ってきて」

 え、そうなの?

「ははは……それでタクシーを呼んだわけ。体調悪い人、あんまり乗せたくないんだけどなあ……」
「あ……すみませんっ」

 は? なんだこのタクシー。感じ悪っ。あのさ、美咲。謝る必要なんてないからね。タクシーは乗車拒否できないんだからさ。道路運送法第十三条!

「いいよいいよ、乗車拒否したら怒られるし」

 ほら見ろ。つーかこいつ、なんで客にタメ口なんだ? 女相手だと図々しくなるタイプのオッサンか? あ? なめてんのかおい?

「でも顔みたいな瘤かあ。最近、多いみたいね」
「え、多いんですか?」
「そう。奇顔病とか言うらしいけど。顔みたいな瘤が、ブワッと全身にできるんだって」
「うわ、怖っ」

 む。全身に顔? そういうのを最近どこかで見たような……。

「で、治療法はまだ見つかってないんだとか」
「えー!? 感染してたらどうしよう……」
「感染は……しないってテレビで言ってた気がするなあ」
「あはは……気がする、なんですね」

 マジかよ。家に帰ったら全身しっかり洗わないと。
 って、このタクシーはどこに向かってるんだ?

「ところでさあ、気になってたんだけど……」
「はい、なんでしょう」
「目的地……あの陳野家まで行くってことは……」

 ああ、俺の家かよ。

「その彼氏さんって……」
「はい、あの陳野家の御曹司です!」
「はああ……やっぱりそうなんだ……そりゃたまげたなあ」

 フン。ようやく気がついたか、庶民め。せいぜい驚きひれ伏すがよいよ。

「でも陳野家ってさあ、なんていうか……アレだよね。いわゆる、いわくつきってヤツだよねえ」

 は?

「どんどん人が死んでさあ」

 おい。

「しかも全部不審死で。怖いよねえ……。いやあ、陳野家にもまだ生きてる人っていたんだ? たまげたなあ」

 はあ? マジでなめてんのかこいつ?

「それに彼氏さん、大変なんじゃない?」
「ん。どういうことですか?」

 ん? どういうこと?

「都内であれだけの土地だからさ」

 ……嫌な予感がする。

「維持費だったり、固定資産税だったり、凄いことになってんじゃないかなあ」

 おいおい、やっぱりかよ。急になんだよ……。
 おい、そういう話はやめろよ……。

「え、そういうものなんですか?」
「うん、そういうものだよ。税金だけでも平均年収の何倍も取られてるんじゃないかなあ?」
「えっ。そうなんですか? マジっすか……知りたくなかった情報です……」

 おい……。
 生々し過ぎんだろ……。
 やめろよ、そういうの……。

「先祖代々の土地つき豪邸に住んでるのに、借金したり、いい歳してアルバイトしたりでなんとか凌いでいる人、けっこういるんだよねえ! ガハハ!」

 ガハハじゃねえよ……生々し過ぎる……怖い怖い怖い! 確かにさあ、大変なんだよ? でもさあ、だから俺は頑張ってるんだよ……やりたくない仕事だって頑張ってるんだよ……資産運用だって頑張ってるんだよ……最近だって親切な人に教えてもらって、海外のプライベートバンクを使った資産運用を始めたんだよ……。

「彼氏さん、お勤め先は? 給料だけでやっていける? 大丈夫?」
「大手商社だし、けっこう羽振りはいいんですけど……もしかして、無理してるのかなあ……」

 無理なんかしてねえよ……世の中には優しい人がいっぱいいるんだよ……俺ぐらいの豪邸持ちになると、そういう人から毎日電話が来るんだよ……そうそう、優しい人から購入した未公開株! 一般人では絶対に買えないやつ! これは本当に凄いことになるぞ……本当に……本当に……凄いことになるんだ……。

「駅からも遠い丘の上だから、マンション立てるのも難しいだろうしなあ」
「えー。夢が、ないですね……」

 おいおい……なんだよ美咲……声を沈ませるなよ……そんなの真に受けるなよ……。そもそもあの土地にマンションなんか絶対につくらねえよ……俺は死んでもあの土地は手放さねえ……死んだって……絶対に……あの土地は……だってあの土地は……絶対に……ダメ……ダメなんだ……。

 絶対に…………。
 絶対に……。
 絶対に。

「彼氏さんに、ちゃんと確認したほうがいいよ?」

 やめて!

「はい、今度会話してみます」

 やめて!

「うん、それがいいと思うよ」

 やめて!

 ……。

 …………。

 ゴッ。

 あああぁ!

 ゴッ。ゴッ。
 ゴンッゴゴゴ。

 音が、音が聞こえる。音が!

 ゴッ。ゴッゴゴゴ。
 ゴッ。ゴゴゴ。ゴンゴ。
 ゴッゴゴゴ。ゴウン。

 コココココココ……
 ゴッ。ゴゴゴ。ゴンゴ。
 ココココココココココココココ……
 ゴッ。ゴゴゴ。ゴウン。
 ココココココココ……
 コココ……

 ココ……
 ココカ……
 ココカラ

 ゴッ。ゴッゴゴゴ。
 ゴッ。ゴゴゴ。ゴウン。
 ゴウン。

 ココカラ……

ココカラダシテ

 
「あれ、お姉さん、もしかしてショックだった?」
「うーん、そんなことは……。いやいや、本当だったらやっぱり、ちょっと、いやけっこう、ショックかも……」

 ダシ……
 ダシテ……
 ダシテ

 俺は……美咲……

「もしかしてお姉さん、資産目当て?」
「いやいやいや……そんなんじゃないんですけど。でもやっぱり、期待はしちゃいますよね……」

 ココカ……
 ココカラ……
 ココカ、ラ
 お前を……美咲……

「だから、あーあ、もし言ってることが本当だったら……」

 美咲……
 俺はお前が……
 ダシテ……
 俺は……
 ダシテ
 ダシテぃ
 ダステ

「がっかりですね」

 美咲……
 ダシテ……
 ココカラ……美咲……
 ココカラ
 ココカラ

 あ……。

 温もりが、冷えていく。
 俺は……。

 ああ……。

 孤独だ。

「運転手さん」「んー」「運転手さんって、角田雅彦(つのだまさひこ)さんって言うんですね」「なに、急に」……「ねえ……まっちゃん、って呼んでもいいですか?」「えー?」……ココカラ……美咲……ダシテ……「まっちゃん」……「えへへ、なんか照れちゃうな……」……「まっちゃんってぇ、けっこうイケメン、かも?」……美咲……ココカラ……美咲……ダシティ……「へへへ……からかわないでよ」……「からかってないですよお、私」……ダステ……「本当に、まっちゃん、ちょっといいかもなって」……美咲……美咲……美咲……「えー、彼氏さんに悪いよお」……ココカ、ラ……なんで美咲……ダシテぃ……「物知りだしい、イケメンだしい」……美咲……美咲……「次もまっちゃんを指名しても……いいですか?」……ココカ……ラ……ダステ……ダスティ……「えへへ、嬉しいなあ。なんだか勘違い……しちゃいそう」……美咲……美咲……美咲……!

 ゴンゴ。ゴンゴ。ゴウン。
 ゴッゴゴゴ。ゴウン。
 ゴッ。ゴゴゴ。ゴウン。

 闇に飲み込まれていく。
 光が見えない。
 感じていたはずの温もりが、ああ……。

 消えていく。

 …………………………………………。
 ……………………。
 …………。


 よーちゃん
 よーちゃん!
 よーちゃん!

「よーちゃん!」

「……あ」

 洋平は目を覚ました。タクシーの中だった。

「え……夢?」

 美咲はくすりと笑った。

「なーに、寝ぼけてるの。着いたよ? よーちゃんの家」

 洋平は顔を上げ、外を眺めた。暗がりの中、街灯が大きな門を照らし出している。陳野家の門だ。「あああ……」妙な声が出た。

「なんだよ……夢かよ……夢だ……」

 力なくシートの上で腰を滑らせた。

「良かった……本当に良かった……」

 美咲は心配そうに洋平の顔を覗き込んでいる。

「大……丈夫……?」
「うん、なんとか……」
「心配だから。私、今日は泊っていくね」
「……美咲」

 洋平は……照れくさそうに笑った。

「あの、ありがとう」

 幸せな気持ちだった。

 ああ……。

 女神様!
 やっぱり女神様だ!
 美咲は俺の女神様!

 暖かい気持が甦ってくる。悪夢なんて、まるで無かったみたいだ。この温もりが続けばいい。いつまでも続けばいい。それだけで、もう他には何もいらない……そんなことすら思ってしまう。

 女神様。
 俺の女神様。
 俺の女神様!

 女神さ……あれ?

 タクシーの支払いを済ませようとする美咲の肩越しに、それはあった。洋平は思わずじっと見つめてしまう。美咲が運転手と話をしている。しかし、その声は洋平に聞こえてはこない。

「あ……」

 洋平の瞳孔が広がっていく。その見つめる先にあるタクシー運転者証には……「ああ……なんで……」……確かにこう書かれている。

 角田雅彦。

「あああ」

 夢で出てきた名前と同じ? 夢……夢……夢じゃない? 夢ではなかった……? え?

 ゴッ。

 あああぁ!

 ゴッ。ゴッ。
 ゴッゴゴゴ。ゴウン。
 ゴッゴゴゴ。ゴウン。ゴウン。

 闇が、広がっていく。

 夢。

 夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢じゃない。

 夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢。

 夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢美咲美咲美咲美咲夢。

 夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢美咲美咲美咲夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢ココカラ夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢ダ死テ夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢ココカラ夢夢夢夢夢美咲美咲美咲美咲美咲夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢ダシテぃ夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢ココカラダシテ夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢じゃない夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢ココカラダシテ夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢夢じゃない。現実だ。現実だ。現実現実現実現実現実現実現実現実現実現実現実現実現実現実現実現実現実現実現実現実現実美咲現実現実現実現実現実現実現実顔顔現実現実現実現実現実現実美咲現実現実現実現実現実現実現実現実現実現実現実現実現実ココカ現実現実現実現実現実現実現実現実現実現実現実現実現実現実美咲美咲美咲現実現実現実現実現実顔現実現実ラ現実現実現実現実現実現実ダスティ現実現実現実現実現実現実現実現実現実現実現実現実現実現実現実現実現実現実現実美咲現実だ。

 洋平は手で顔を覆った。

 恐ろしい。恐ろしい。恐ろしい。恐ろしい。恐ろしい。恐ろしい。恐ろしい。

 もう、何も信じられない。

 底知れない、闇だ。

続く

「ココカラダシテ」は毎週火曜日、
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