死闘ジュクゴニア_01

総集編・最終章『創世大戦』 #死闘ジュクゴニア

今すぐ連載に追いつきたい。そんな貴方のための総集編プログラムです。

本編目次】【キャラクター名鑑【総集編目次】

第四十一話「アタシは強い!」

 ゲンコ、ゴンタ、カガリの前に帝国の移動幕営ジンヤが姿を現した。その人智を超えた威容に圧倒されるゲンコとゴンタ。自分が全てを引き付け、その間に二人を逃がすと告げるカガリ。カガリは胸を張り、力強く宣言する。

「アタシは強い!」

 その時、ジンヤでは親衛隊率いる銅頭鉄額のアイアーンが吠えていた。

剣山刀樹のミツルギめ。クソみたいなお前に、手柄なんてやるものか……俺が、この俺が! この銅頭鉄額のアイアーンが! 全てを滅ぼしてやるのだ!」

 

第四十二話「カガリ奮戦!」

 カガリの劫火の力によって燃え上る親衛隊たち。しかしカガリの前に銅頭鉄額のアイアーンが降り立ち、二人の激突が始まる。その頃、ジュクゴニア帝国地上軍を率いる剣山刀樹のミツルギによる非情な采配が始まろうとしていた。

「なにをしている……行け。お前も早く死んで来い」

 

第四十三話「剣山刀樹のミツルギ」

 劫火のカガリ銅頭鉄額のアイアーン。二人の激闘。アイアーンの四字ジュクゴの力に対し、カガリは互角以上の闘いを繰り広げる。しかしその時、戦場が動いた。剣山刀樹のミツルギによって作り出された巨大な剣の波。それに督戦され、追い立てられた決死のジュクゴニア帝国軍が二人に殺到する。ミツルギは冷たく檄を飛ばす。

「容赦なく縊れ! 全てを……縊り潰すのだ!」

 

第四十四話「ゲンコとゴンタ」

 殺到する軍勢。カガリは消耗していき、ついには力尽きようとする。その時、剣の山の間を軽やかに跳躍しながら現れたのはゲンコとゴンタだった。

「わたしの元気をカガリさんに!」
「おいらの根性を、カガリネエチャンに!」
「お前たち、ジュクゴ使いだったのか」

 二人に刻まれた元気根性の二字のジュクゴが、カガリに再び力を与える!

「こっからはずっとこっちのターンってやつだっ!」

 

第四十五話「大反撃!そして」

 元気と根性の二字によって力を得たカガリは剣山刀樹のミツルギ銅頭鉄額のアイアーンを打倒する。ようやくジュクゴニア帝国の攻勢が一息ついたと思われたその時、カガリの表情が一変する。

「お前ら……早く……早く逃げろっ……!」

 ジンヤから戦場を見下ろす強大なジュクゴ使いたち。それは屍山血河のフォル震天動地のシンキ星旄電戟のバーン。カガリは悟っていた。それがいまだかつてない恐るべき相手なのだと。

「あたしは……あたしはここで踏ん張るんだ。そうすれば……そうすればもう一度お前と……そうだろ、ハガネ!」

 

第四十六話「もう一度お前と」

 カガリの前に降り立った震天動地のシンキ。二人の間には絶望的なまでの力量差があった。震天動地の力に圧倒され、死を迎えつつある中で、カガリは思った。

 やり直したいなぁ。できればあいつと……。あいつとだったらやり直せる気がする。ダメかな。あたしじゃやっぱダメかな。はは。でもせめて最後に……。せめて最後に、もう一度あいつに会いたい。なぁ、ハガネ。お前の顔が見たい。でも……やっぱりダメなのかな。ダメなんだろうな。でも……でも。せめて。せめてもう一度。もう一度お前と──

「カガリぃーーー!!!!」

 叫びとともに上空に輝く四字の翼、不撓不屈の翼。電光石火のライ、そしてハガネによる刹那の瞬撃によってシンキは敗れ去る。

「無様……油断……したっ! このワシとしたことが!」

 カガリに駆け寄るハガネ。カガリは最期の力を振り絞り、ハガネに告げる。

「あたしは……お前のことが好きだっ。好きなんだっ」

 しかしハガネはその言葉に応えることができない。カガリは悲しく笑うと、その鼓動はハガネの腕の中で停止した。

 

第四十七話「それは神のごとく」

 息を引き取ったカガリを抱きしめ、慟哭するハガネ。しかしライはジンヤを見つめ、恐怖を抑えながらハガネに警告する。

「奴だ……奴が……来るっ!」

 突如、二人の脳裏に鳴り響く超自然の念話。

「愚か! 実に愚かなり!」

 天から降臨する黄金に輝く少年。それはジュクゴニア帝国大元帥バガンであった! バガンは咆哮する。

「我こそはジュクゴニア帝国の真の盾! 我こそはジュクゴニア帝国の真の矛! 我こそは全てを打ち砕く者! 我こそは愚かなる叛逆者どもに鉄槌を下す者である!」

 バガンは光の巨人と化し、天空に恐るべきジュクゴ──霊長類最強の五字を描き出す。ハガネは戦慄した。

「勝てるのか……こいつに……俺は……勝てるのか……っ!」

 ライはそんなハガネの瞳を真っ直ぐに見据えて言った。

「今こそ……今こそ決死の覚悟を決めよ!」

 

第四十八話「圧倒する力」

 ハガネはカガリの体を抱え飛んだ。ライは少しでも時間を稼ぐべく、己の全てを賭けて闘う。ライが放つ最大の必殺技が巨人の腕を引き裂く! しかしバガンは笑った。

「見るがいい、ライよ! そして知るがいい! 我の一撫でによって世界がどのように変わるのかを! そして己の無知を、無力を理解せよ!」

 一方、ハガネは戦場から離れ、ゲンコたちと落ち合う約束をした場所にカガリを横たえる。

「カガリ……すまなかった」
 そして前を向き、歩き出した。
「……ありがとう」

 再び戦場へと飛んでいくハガネ。そのハガネの上空をバガンが放った凄まじき力が通過していく。激しい閃光。地平に咲く巨大なる花。バガンの力によって、一撃のもとに都市が──町田が消滅した。

「理解せよ、愚かなるものどもよ! 我への抵抗は無意味なのだと!」

 咆哮するバガンの瞳には二字のジュクゴが輝いていた。

 その右の眼には「最」!
 その左の眼には「強」!

 黄金に輝く「最強」の二字!

「あらためて知るがいい! そして理解せよ! 我こそは全てを圧倒する者! 我こそは全ての力の頂点! 我はバガン! ジュクゴニア帝国大元帥、最強のバガンである!」

 ちょうど同じ頃。帝国宰相、摩訶不思議のハンカールは奇妙な少年ゴウマに語りかけていた。

「ゴウマ……そろそろ我々も動くとしよう。君の目覚めの時が。始まりの時が近づいているのだ」

 そのゴウマの瞳の中で、何かがバチリと輝いていた。

【第四十九話「激突する不屈と最強」に続く!】

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