Web3の勉強におすすめな本5冊がこちらです。

いよいよWeb3をちゃんと勉強しようと思いました。

クラウドとか、Web2.0が出てきたときもそうでしたが、「概念」を表すキーワードは、それが世の中に実装されて、実際に使ってみて、ようやく腹落ちするように思います。
Web3も同様で、まだ人によっていろいろな解釈がありますから、とりあえず平積みされている本を端から読んで「なるほどなあ」と思った部分を自分の中に取り入れていくことにしました。

今日は、「なるほどなあ」がたくさんあった本たちと、それぞれの「なるほどなあ」ポイントを紹介します。

仮想通貨とWeb3.0革命 - 千野剛司

「Web3とは何か?」をスッキリ理解できたのがこの本です。
Web3=分散型インターネット、というのがよく聞く定義ですが、この話が抽象的すぎてよく分かりません。
この本では「ビットコインがWeb3の起源である」という導入ではじまっていて、なるほどそういうことだったかと。

つまり、ビットコインが登場してお金というものが非中央集権化されたことをきっかけに、いろいろなものを非中央集権化していこうという世の中の流れがWeb3である、ということです。「インターネット」のように、ひとつの仕組みが世界中に広がっていくイメージでWeb3を理解しようとするから分からないのであって、お金とかデジタルアートとかメタバースの土地とか、非中央集権的な仕組みで取引されるものが増えていくこと、と理解すると、かなり分かりやすくなります。

さらに、ビットコインのように、ブロックチェーンのトークンを中心に育っていくコミュニティがDAOである、つまりビットコインが最初のDAOであると説明しています。これも分かりやすいですね。
この本では他にも、DAOやNFT、DeFiなど、重要キーワードが事例とともに詳しく説明されているので、Web3のキーワードを全体的に理解するのにおすすめです。


メタバースとWeb3 - 國光宏尚

Web3の概念が、著者の國光さんの解釈でわかりやすく要約されています。
たぶん、前提知識なしでこれを読むと、抽象化されすぎてわかりにくいのですが、一度Web3関連用語についてインプットして、なんだかわかったようなわからないような…という段階でこれを読むと、すごくスッキリします。

特になるほどなと思ったのは、「DAOの本質はインセンティブ革命だ」という話です。

たとえば、新しく登場したサービスがいいなと思って課金したとします。後にそのサービスが大ブレイクしても、古参ユーザーだからといって特別な利益を得られるわけではありません。
でも、ビットコインが登場したとき、これに期待して投資した人は、後に億り人になりました。つまり、いろんな取引をトークンで管理すると、関わった人すべてが金銭的利益を得られる、これがDAOだ、ということです。

と、このような調子で、いろんな話が「そういうことかー」と落とし込まれていく良い本です。


ビジネスブロックチェーン実践活用ガイド - 長瀬嘉秀ほか

Web3の背景にあるブロックチェーンの技術を分かりやすく理解できたのがこの本。とにかく最初のブロックチェーンの説明が、非常に簡潔でわかりやすい。改ざん不可の話、コンセンサスの話…今まで読んだ中で一番わかりやすい説明でした。

特にスマートコントラクトの解説では、ビジネスでのユースケースとともにアーキテクチャやスクリプトが示されていて、いままでなんとなーく理解していたブロックチェーンの仕組みを正確に把握できます。
非エンジニアではなくても、プログラミングをかじったことのある方であれば読み解けるくらいの難易度です。


テクノロジーが 予測する未来 web3、メタバース、NFTで世界はこうなる - 伊藤穰一

Web3後の世界を「働き方」「文化」「アイデンティティ」「教育」「民主主義」という切り口で説明しています。どの話にも少しずつ伊藤さんの夢が含まれているように感じられますが、そういう未来になったらおもしろそうだし、ちゃんと現実感のある内容です。

僕の仕事柄もあり、特に興味深かったのは教育です。DAOの普及によって、これから「パーパス・ベース・ラーニング」という学び方が主流になる、という話。
これからは、「いい空気の環境で暮らすためには?」のように、特定の目的を達成するためのDAOが乱立して、これに参加することで金銭を得られる=仕事になるので、関心のあるDAOに参加して、その目的達成に必要なスキルを学ぶ、という学び方が広まります。

つまり、会社という1つの組織に所属するのではなくて、いろんなDAOの中から興味のあるものに参加して学びながら働く、という生き方が一般的になる、ということです。

まあ、夢ですよね。でも、僕もこういうビジョンをもって事業を推進していきたいよなあと内省しました。


Web3新世紀 デジタル経済圏の新たなフロンティア - 馬渕邦美ほか

最終的にはこれだけ読めばいいのかもしれません。前述の本でなるほどと思ったことは、だいたいこの本にも書かれていました。が、説明が簡素でちょっと難しいので、はじめにこの本を選択すると理解がぼんやりしそうです。

一方、ひととおり勉強したあとでこの本を読むと、知識を再整理できますし、インタビュー形式になっているので、実際にWeb3界隈で活躍されている方々がどんなビジョンを持っているのか、という点も興味深く読めます。


まとめ - Web3の課題

どの本もWeb3を広めていく立場の方々の本なので、基本的にはポジティブな未来が描かれています。その中で、どの本にも共通して書かれていたのが「すべてを多数決で決めることのデメリット」です。

いろんなものがDAO化されると、いろんなことを全員の多数決で決めていくということです。

現在の株式会社は株主の合議で決めていますが、DAOが主流になると、この合議に従業員や顧客も入ってきます。
そもそも数が増えると合議が大変ですし、中にはいちいち合議に加わるのが面倒だという人もいるでしょう。ただすべてをDAO化していくだけではWeb3は成り立たないということですね。こういった課題がどう解決されていくのか、興味深いところです。

ということで、いま話題のWeb3、ぜひ皆さんも勉強してみてください!


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