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弓に生きる夫婦の晴れ姿

山口県にて友人の結婚式に参加しました。

新郎は大学の弓道部の同期でした。
1年の頃は正直一番仲がいい同期であり、クレバーで頼もしくもユーモア溢れる男でした。
僕たちの部は、1つ下の入学生を勧誘するためのイベント運営を新2年生が行うのですが、その過程で僕と彼は大喧嘩をしました。

原因は僕が子どもだったこと。これに尽きます。
端的に流れだけを説明すれば、当時、書類作成や人員配置、タイムテーブル作成など新勧に関する様々なことを彼が自分だけで回すという状況に陥っており、それに対して不満を持っていたのかもしれません。僕はそんな彼に1人で抱え込んでおいて不貞腐れた態度を取るなと怒りました。

彼からすればもっと別のアプローチがあって然るべきだと思うでしょう。至らない形で喧嘩となってしまったのは20歳にも満たない子どもだったということで、お許しいただけませんでしょうか。

喧嘩の後、同じ部の仲間として、2人で本音をぶつけ合い、誤解が解けました。
しかし、めでたしめでたしとはいかず。
僕たちは2人とも結構喧嘩とかシリアスなやり取りをひきずる性質でした。

それから3年間、彼と僕はそのことを引き摺りこそしませんでしたが、お互いふざけ合うような関係には戻れませんでした。
僕は副将としてチームメイクの中心、選手として前線に。
彼は主務として遠征管理をはじめとする運営の中心、介添(選手サポートのような役割)として後衛に。

うやむやになってなんとなく会話しなくなった僕たちでしたが、彼は事情があり3年次に大学自体を中退して一緒に卒業することはできませんでした。

同期で集まればワイワイできるものの、2人だけで会話することはついぞなかったかもしれません。

そんな彼は僕の結婚式に来てくれました。
そしてその後、彼の奥さんから連絡が来ました。
(弓道つながりで夫婦ともどもお互いに知り合いなのです。)
「副将と喧嘩したり大学辞めたりしたことずっと引け目に感じてたから招待状が届いて嬉しそうにしてたよ」
と言ってくれました。

そんな彼と、彼と同郷で今も社会人弓道に熱を注いでいる新婦さんとの結婚式だったわけです。  

いつの間にか子どもも産まれており、シニカルな性格の彼とは思えない優しい笑顔を見せるようになっていました。

たとえ共に卒業できなくとも、学生時代にしこりがあろうとも、弓道部の仲間として欠けてほしくないピースの1人だと改めて認識することができました。

2人で弓道色満載のムービーやフォトを見て、
僕ももう一度弓道に挑戦しようかという気持ちにもなりました。

熱くなれる何かをずっと探していますが、ここに回帰するきっかけをくれたM夫妻には感謝の気持ちでいっぱいです。

大学の弓道部メンバーというのは、本当に生きる力を与えてくれる存在です。
人生がまたこれから始まるぞと思わせてくれる存在なのです。

彼らにとっても誇れるメンバーであるために頑張ろうという気持ちにさせてもらいました。

結婚式っていいなあ。


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