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退職エントリ③~僕の仕事観~

1社目、2社目と少々具体的な身の上話を書いてきました。

たった7年間、営業として働いてきただけの無知な男のお話です。

7年前は文系の、言語系専攻の大学生だった僕ですが、大学で学んだ学問を生かすこともせず、特に興味も見識もない業界の営業になりました。

学生時代、僕は仕事とは部活と同じだと思っていました。

精いっぱい頑張り、結果を出して、先輩に気に入られ、後輩をかわいがり、同僚と切磋琢磨する。

人生の中で、こんな部活動のような活動の比重が今までより大きくなる程度だと考えていました。

部活動は基本的には学生のものです。学生の頃はいつだって勉強や友人との交友関係と両立してきました。

同じことをより本腰入れてやるだけ。本気でやってなかったやつとは地盤が違う、くらいには考えていました。

しかし、1社目で「あれ?これは違うな」と思いました。

そもそも会社では、同じ目標に向かって同じモチベーションで仕事をしていないのは当然です。

色々な人生、色々な仕事観、色々な環境が入り混じってはじめて会社であり、部署です。

部活動のように一つの目標に向かって同じ熱量で走り抜けていく明快なものではありませんでした。

そもそも部活動は3年間、4年間といった長いようで一瞬の距離を走り抜ければ美談であり、思い出になります。

しかし会社で勤めることは40年続きます。

それはもう人生そのものなのです。人生をベットするに足るか否か、余計なことを考える機会があまりにも多すぎます。

夢中になれなければ苦しいのか、そこそこの熱量で続けることもまた才能なのか。

新卒の時点で感じることはたくさんありました。

家族ができれば辞められない、子どもができれば辞められない、楽しくないけど生活していくためには仕方ない。

これくらいの熱量で好きでもない仕事を何十年も続けている方もたくさんいると思います。

僕もかれこれ29歳なので、全く同じことを言う同級生もたくさんいます。

そしてそれこそがまっとうな社会人の在り方です。

そんな中、どうして僕は会社を簡単に辞めてしまうのか。

僕は社会不適合者なのか。

これからどうやって生きていくのか。

これからも同じように頑張っては嫌になって会社を辞めることを繰り返すのか。

わからないことが多すぎて、今は転職活動をしていません。

結婚もしていますので、少なくとも数か月以内には定職に就くべきだと思いますし、貯金が多いわけでも実家の遺産が太いわけでもありません。

考え始めればそれなりに焦ります。

1社目に在籍していた頃は、率直に「物足りない」と感じました。

中高が私立の進学校だったこと、大学が国立大学だったこともあり、僕の周囲はそれなりに輝かしい肩書を持っている人が多くいます。

大きな企業の正社員を名乗れたら、同世代の収入を凌駕する稼ぎがあれば、久々に会った友人にも劣等感を感じることはないだろう。

そういう劣等感を消し飛ばしたいという虚栄心が原動力でした。

大学生の頃から新卒3年目あたりまで、そう言った価値観で仕事をしていました。

結局、1社目の名前を言ってもわかる人は少ない、大学受験の時には目もくれなかった大学のOBばかりの中で働いていることに違和感がある、というちっぽけなプライドを満たしたいがために、勤め先と言うステータスを埋めたかったのでしょう。

そういう意味で2社目の肩書は僕の小さなプライドを満たしてくれました。

誰もが知っている大手企業、その正社員。

バッジをつけて営業に赴くだけで頑張ろうと思えました。

終電まで働いても、汗だくで現場作業の手伝いをしても、

「ぼくはこの企業でこんなにも頑張っているんだ。」

と感じていました。

営業成績も良かったですし、それなりの評価もいただいていたので居心地は悪くありませんでした。

基本的にほぼ全員が転職して来ている方だった環境もあり、僕はここで頑張って勤め上げていくのだろう、と考えていました。

それなのにわずか4年足らずで辞めてしまいました。

今の僕が当時の僕に言うとしたらこうです。

「それで?」

大手企業とは言え、22時前には家に帰ることもできず、土日も無く20連勤以上のスケジュールをこなし、頑張って身を削って対応してきた顧客に嫌味を言われ、割に合うとも思えない歩合給を得て、それが何?

肩書のプライドだの、高収入での優越感だの、本当に豊かな人生に変えられるものではないのではないか。

では、豊かな人生って何?

それもわかりません。

楽しいことに精を出し、それがお金になって不自由なく暮らしていければそれは僕の理想です。

それができればみんなやっている。と思います。

でもそうありたいのです。

世の中はそうなればいいけど難しいだろうな、という妥協で溢れています。

でも、少なくとも2社目で疲弊した僕より、余裕のある豊かな生活をしている人もいるはずです。

僕はあくまでそちら側に行く、という思いを持って転職活動をしてみようと思っています。

まずは会社に生かしてもらおうという前提を取っ払ってみます。

会社に生かしてもらおうとすれば、退職金はもらえるのか、基本給はいくらなのか、転勤は致し方ないのか、昇給やボーナスはどれくらいなのか、と条件にがんじがらめにされます。

慎重に条件を探ったとて、入ってみて違った、部署や上司に当たり外れがあった、など不確定要素はキリがありません。

僕もまずは、次こそ会社に生かしてもらいたい、今年30歳になることも踏まえて4度目の転職活動だけは避けたいと思い、転職サイトを漁りましたが、全くピンと来ませんでした。

やりたいことを続ける心と体と時間の余裕。

会社ではなく自分自身に生きていく力を求める知恵。

もっと泥臭く、自分の在り方に正直になれればいいですよね。

二転三転して一貫性のない仕事観ですが、今、退職を経て正解にたどり着いたとは思っていません。

これまでの経験やスキルを活かして、もう一度営業を頑張ろうとも思っていません。

あくまで第3章といったところでしょうか。

これからも価値観は転々と移り変わるでしょう。

キャリアや年次で安定を得ることは今の僕にはできません。

2度退職しただけの元サラリーマンに過ぎないですから。

生かしてもらうために好きでもないことを我慢するのではなく、

自分の好きなことを認識して、

そこに飛び込んでいく為のツールとしてお仕事を探していきたいといったところですね。

そうすれば仕事にも部活動のような熱量を取り戻し、若々しく生きていくことができるかもしれません。





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