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自分はツイている。

2020年2月29日。
本当だったらこの日は、認定理学療法士の試験を受ける日だった。

理学療法士のキャリアに、新たな称号がつく重要な機会。
実力試しの貴重な機会でもあった。

本当だったら当日は、試験会場のある福岡に飛んで、試験を受けて、
その後は、一緒に試験を受けた同僚達と福岡の街を飲み歩く。そんな予定を組んでいたが、もうこんな身体じゃ試験を受けることも叶うはずもないと
ひとり病室で途方に暮れていた。

しかし、試験1週間前に届いた一通のメール。

日本理学療法士協会から、試験延期のお知らせだった。

このころは、中国で新型コロナウイルスが猛威を振るい、世界的にもちらほらと新型コロナウイルス患者が発生し出した時期。
日本国内でも、チャーター便帰国者からPCR検査の対象者が多数出て、国内での感染確認を含めると、新型コロナウイルス患者が90人を超えた時期だった。

水際対策に追われる中、国内でも二次感染予防の為、密閉空間で行われるセミナーなどは次々と中止となっていき、認定理学療法士試験もその対象となった。

このご時世の中、不謹慎ではあったが
自分にとっては、試験放棄とならなかった事はツイていた。
この時期には、他にも重要な仕事が複数入っていたが、それらもすべて新型コロナウイルスで流れる形となった。

なんでよりによってこの時期に?
自分の命も奪われるリスクが一層上がった為、ネガティブにも捉えられる状況だったが、
「自分はとてもツイている。」
そう思う方が、いろいろ前向きになれた。

<続く>

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