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ビバリウム(ネタバレ)



公開 2021年 ベルギー/デンマーク/アイルランド

監督 ロルカン・フィネガン

出演 ジェシー・アイゼンバーグ イモージェン・プーツ


↓以下ネタバレ↓


忙しい人のためのあらすじ

不動産屋に紹介された住宅街から出られなくなってしまった若いカップル。家の前に置かれた段ボールを開けると赤ちゃんが入っていて、育てれば解放されるって書いてあったので育てたら激キモ異星人だったの巻。


忙しい人のための感想

・キモ〜
・ジェマが可愛過ぎる
・キモ〜


登場人物

ジェマ(イモージェン・プーツ)

彼女。小学校の先生。

トム(ジェシー・アイゼンバーグ)

彼氏。庭師。喫煙者。

マーティン(ジョナサン・アリス)
不動産屋の職員。シャーロックの鑑識の人。

「SHERLOCK」鑑識官フィリップ

概要

ジェマとトムは新居を探すカップル。その日も不動産屋に立ち寄り、
カルト宗教の幹部みたいな変にハキハキした喋り方の職員に「ヨンダー」という住宅地を紹介される。
あまり乗り気ではないトムだったがジェマがとりあえず見るだけ見てみようというテンションだったので、内見へ行くことに。
職員のマーティンが運転する車についていくと、緑色の全く同じ家が延々と建ち並ぶ不気味な住宅地に到着。人影も一切ない。この時点ですでに誘いを断らなかったことを後悔した二人だったが、ついてきた手前何も言わずに帰るわけにもいかないので、さっさと内見を済ませることに。

扉に「9」と書かれた家に入ると、まあ内装は至って普通。壁紙が緑なのはまあいい。飾ってある緑色の家の絵(寝室には寝室の絵が飾ってある)はキモいが、まあ家って感じだ。もうすでに男の子用の部屋が用意されているのは…何で? 冷蔵庫に入っていたシャンパンとイチゴを勧められる。運転するのでと言って断った。イチゴも運転するのでと言って断った。
最後に庭を案内されたあと、なぜかマーティンの姿が見えなくなる。あ、透明になったとかではない。いなくなったのだ。

家の外に出ると、彼の車もなくなっている。姿を消すのはよくわからんが、この隙に帰ってしまおう。二人は車に乗って走り出した。
ところが、どこを曲がっても同じ景色なので迷ってしまったのか、一向にヨンダーの出口が見つからない。走り回った挙句また「9」の家に戻ってきてしまう始末。トムが運転を代わっても同じ。何度も同じ家の前に戻ってくる。何かがおかしいと感じてきた二人(遅い)。
とうとう日が暮れ、ガソリンも底をつき、二人は諦めて「9」の家で一夜を明かすことに。

翌朝、屋根に登りヨンダーを見渡すトム。
不自然な形はともかく雲はあるし太陽もある。無限に並ぶ家の庭を突っ切り太陽を目指してひたすら進む大作戦で行くことに。
日が暮れるまで進み続け体力も尽きかけた頃、とうとう明かりのついた家にたどり着く二人。家に入り住人の姿を探すが、そこはまぎれもなく二人がいた9の家だった。さらに家の前の通りに段ボールが置いてあり、中には生活必需品と食料が入っていた。トムは段ボールを火種にし、9の家を火を放った。燃えさかる家を眺めながら、二人はそのまま眠りについてしまう。
翌朝目覚めるとまた段ボールが届いていた。中身はなんと男の子の赤ちゃん。箱には「育てれば解放される」というメッセージが添えられていた。

三ヶ月後、赤ちゃんはもう小学生くらいに成長していた。
この子供は、

・犬並みの成長速度
・言動を真似する(二人の会話なども再現する)
・お腹が空くと奇声を発する
・常に二人を見ている
・迷路みたいな幾何学模様の映像を見ている

などの特徴を持っている。キモい。

トムは庭の土が変な土であることを発見して以来、狂ったように毎日庭を掘る人に就職してしまった。
ある日、車のオーディオがまだ生きていることがわかり、二人は音楽をかけて踊り出す。異常な生活で険悪だった二人に笑顔が戻る。子供も家から出てきて、同じように踊り出す。しかしトムと体がぶつかり、トムはバランスを崩し転倒。怒ったトムは子供を持ち上げ地面に投げつける。
ジェマは焦った様子で子供に駆け寄り「ケガはない?」と声をかけるが、全然大丈夫そう。顔色ひとつ変わっていない。キモい。

とうとう精神状態がヤバいトム。ある日の朝食を子供から奪い、彼を車に閉じ込めた。食事を与えずに飢えさせるつもりだ。しかしジェマはそれを許さなかった。トムの目を盗み子供を解放した。

その一件以降、トムは彼女たちとは別に行動するようになった。別に食事をとり、穴の中で眠った。
一方でジェマは子供への母性が目覚め始めていた。

子供が姿を消した。
心配したジェマはヨンダー中を探し回ったが、家に戻ると庭にいた。一冊の本を手にして。本は見たことのない言語で埋め尽くされていた。フラクタル図形の映像を見続ける子供に「どこに行っていたの?」と聞くと、謎を解いていた、と。ジェマは「謎解き中に誰かと会った?」と聞いた。「言っちゃダメなんだ」と彼は言った。
ジェマはゲームをしようと提案した。ものまねゲームだ。子供にトムや犬のものまねをさせた。そして「誰か」のものまねも。
すると子供は、喉を蛙のように膨らませ、人ならざる奇声を発した。
ジェマは彼が人間ではないことを知った(遅い)。

やがて子供は青年の姿になり、ジェマは彼に恐怖心を抱くようになった。
トムは、自分一人で入浴できないほど体を壊してもまだ穴を掘り続けていた。そしてとうとう、地中深くに何かを見つけた。
トムの体調は悪化。子供は「そろそろ解放の時かもね」と言って、二人を家から閉め出す。
家の塀にもたれ、出会った時のことを話す二人。

家にいる気がした
君がいたから
だから今も家にいる

ほどなくしてトムが静かに息を引き取ると青年が現れ、トムを死体袋に入れ乱暴に(トムが掘った)穴に投げ入れる。
※この場面のイモージェン・プーツの演技!!!

怒りのあまり、ツルハシで青年に襲いかかるジェマ。顔に傷を負った青年は奇声をあげ、文字通り歩道をめくり、その下へ逃げ込んでいく。彼らが使う亜空間だろうか。追いかけるジェマ。しかし青年の姿は見当たらない。代わりに見たものは、彼女たちがかつて育てた子供とは違う顔の子供、そして、彼女たちのように閉じめられた男女の姿だった。
床に飲み込まれ、気づくと階段から転げ落ちていたジェマ。外へ出るとそこは9と書かれた家の前。ジェマはもう絶望しすぎて変な叫び声をあげた。

やがてジェマも死を迎えようとしていた。袋に入れられ、衰弱したジェマは「家が欲しかっただけなのに」と呟く。
「ここが家だよ」と青年は言った。

トムを入れた穴に彼女を放りこみ、穴をまた埋める。
彼が去ると、穴があった場所はフワ〜っと芝生に戻っていく(?)。

不動産屋に戻ってくる青年。そこには、年老いたマーティンがいた。マーティンは青年の姿を確認すると絶命。青年は彼の名札を自分の胸につけマーティンとなった。マーティンだった男を袋に詰め、引き出しへ収める。

そしてデスクに座った今回のマーティンは、不動産屋に訪れたカップルをヨンダーへ案内するのだった。


感想

はいキモいです〜
完全にキモいですね。今まで見た映画の中でも5本の指に入るキモさ。
「キモい映画は?」と聞かれたら「プリデスティネーション」か「ビバリウム」と答えるくらいキモかったです。はい2本の指〜

良かったところは、主演の二人の演技。
特にイモージェン・プーツの演技はすごく良かった。
お茶目なジェマも、母性に目覚めちゃうジェマも、ドン引きのジェマも完璧に演じてました。朝の歯磨きとか何気ないシーンも好きです。
この人昔から好きなのですが、いまいち評価されきってないのがよくわからないんだよなあ。声も特徴的で顔も可愛いのに。
ジェシー・アイゼンバーグも、優しくて愉快な彼氏っていうキャラクター像がぴったりはまってましたね。
最後、二人が出会った頃のことを回想するシーン、悲しいシーンだけどとても良かったですね。住む場所とかは関係なくて、君がいればそこが家なんだって台詞もじーんと来ます。映画にはまったくそぐいませんが。

悪かったところは、それ以外全部です。以上。
イモージェン・プーツが特段好きじゃなければ観なくていい映画です。まじで。

ちなみに、映画の冒頭で、木から落ちて死んでしまったひな鳥を二人が埋葬してあげるシーンがあります。
これは、托卵という動物の習性がありまして、自分の子供の世話を他の鳥(個体)に託すってことで、カッコウなんかは孵化が比較的早いので、後から産まれた(託された側の)本当の雛を巣から追い出してしまうそうで…んで、あのシーンなわけで…他にも、托卵を見破られないようにするため卵の色や斑紋などを仮親の卵に似せているなど、まさに、な設定なわけで…
父さん…

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