読了 「流浪の月」
読書感想文ということでストレートな感想文を書きたいと思います。
まずはネタバレにならない程度にあらすじを。
主人公の更紗は実の父母と別れ、伯母の家で暮らしている。ある日、ひょんなことから文という男に付いていき、しばらくの間、生活を共にする。後に誘拐で逮捕された文と更紗は、数年後思わぬ形で再会するが…
まずこの作品は「本屋大賞」を受賞しているのですが、まさになるべくしてなったのだと実感しました。
というのも、気持ちの表現が豊富で繊細に文章が練られていると思います。それが「流浪の月」というタイトルにも表れています。エンドにわずかにそれに関わる一文があるのですが、印象に残りました。
また、読んでいて、主人公の二人に気持ちを寄り合わせる自分と第三者として物語を見ている自分という2つの存在を感じました。前者においては共感を抱きながら、後者では異常さを感じるという明らかな矛盾です。
ですが、その矛盾すら肯定に変換させてしまうくらいの力がこの作品にはあります。
ぜひ一度手に取ってみてください。
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