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#小説
狙ってるんだから当たって当然
久しぶりの小旅行の帰りだったように思う。新幹線の中で二人並んで座っていた。平日の指定席車両は人もまばらで、静かで快適な空間だった。ざっと半径3メートル以内には他の人も居なかったので、概ね会話が成立する程度の声で時々ボソボソとしゃべっていた。大体たあいもない話をしていたのだが、その時ふと、将来についての漠然とした不安を漏らしてしまった。
大学進学と同時に一人暮らしを始めて一年ちょっと。周囲は自
きつねにつつまれたはなし
乗り心地の悪さに少々ウンザリしていた頃。彼女の運転するその車はいきなり左折して、たいそうな勢いでどこかの駐車場に突っ込んだ。ウインカーも出さずに。今さらそんなことで怒る気にもならないけど。
今どきかなり稀少な存在であるところの、いわゆるドライブインらしい。とは言っても我々の他には、やたらとでかい長距離トラックの類と、いかにも商用車といった感じのバンが数台、疎らに停まっている程度。舗装もなく、
ヤるとかトるとかヤメてください
不慣れな夜の都市高速を必死に逃げてた。僕のランエボも相当頑張ってくれてるけど、さすがに分が悪い。数分間ほとんどアクセルべた踏みしてる状態にもかかわらず、確実に差は縮まってきてる。ああ、なんでこんなことに。いやだー!死にたくない!!
「うるさいなあ」
後部座席の彼のことを忘れてた訳じゃない。ただ、暫くは目が覚めないだろうと思ってた。
「どこ? 誰?」
僕は、あなたを連れて来いって言われただけ
4Dサウンドアドベンチャー:序
一体何が起こったのか。元の場所に戻る方法もまるでわからない。新入生たちはひとしきり騒いで途方に暮れたところで、ふと、空中に半透明の3DCGのような《厚みのある八分音符》が浮かんでいることに気付いた。大きさは1メートルくらいか。人の頭のちょっと上くらいの所に、それがフワフワと周期的に上下運動してる。
「なんなんこれ」
「音符だな」
「フワフワしよる」
そのうち、みんながそれを見上げる感じで取り囲