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ブロックチェーンがもたらす「宗教の民主化」

仮想通貨の新しい潮流は「ありがとう」ベースの社会貢献

サトシナカモト氏(未だ正体不明)によって発明されたブロックチェーン技術を利用した仮想通貨(暗号通貨)の話題は誰しも良く知るところかと思います。一時期ブームは落ち着いたかのように見えましたが、最近また米中対立などからの経済不安により主流のビットコインを中心に動きが激しくなっているようです。JPモルガンやゴールドマンサックスなど世界的な金融企業が暗号通貨に参入していることからも、これからまた新たな波がやってくることが考えられます。仮想通貨のマイニングビジネスで起業している私の友人も、乱高下するチャートを見ながら粘り強くコインを掘り続けていることでしょう。

ところで、ブロックチェーンの使い道は金融だけではありません。私の友人知人の起業家の動きで目につくのは、ブロックチェーンを社会貢献に活用しようという動きです。

まずこちら。

Actcoinは、ソーシャルビジネスを支援するウェブサービス企業を経営する佐藤正隆さんが代表として仕掛ける、社会貢献促進のための仮想通貨プロジェクトです。

アクトコインは社会貢献のアクションをしたときにだけもらえるコインです。貯まったコインは「社会課題解決」のためだけに使えるようになります。

直接、法定通貨に換金はできるようにはしません。あなたの社会貢献アクションが貨幣価値に相当する次のアクションに使えるようにするのです。 それが、私達が目指す「愛と勇気とお金の等価交換の実現」です。

例えば、
・貯まったコインがNPOなどの寄付になる
・貯まったコインでエシカル商品等と交換できる
・貯まったコインで個人を支援できる

私は立ち上げ前から佐藤さんにお話を伺っていましたが、並々ならぬ力の入れようで、立ち上げを楽しみにしていました。今、参加企業や団体も増えて、勢いを増しています。これからが楽しみなプロジェクトです。

そしてもう一つ。

Peace-coinは、「多様性を認めあえる、豊かな社会をつくる」ことをビジョンに掲げ、持続可能性、富の集中性、不可視性、不参加性といった、現状の資本主義システムでは評価されていない価値を、PEACE COINを使って可視化・価値化・流動化することにより解決することを目指しています。

PEACE COINは、心理・感情とトークンエコノミーを連動させるという、ブロックチェーン業界において世界 的にイノベーティブなプロジェクトです。

PEACE COINは、「まだ評価されていない価値」の分散型可視化プラットフォームです。法定通貨やGDPなど の現行のシステムでは評価がなされない多くの価値に対して、”ARIGATO CREATION”という新たなシステムに より、評価や感謝が届きやすいインセンティブ設計を行っています。

“ARIGATO CREATION”は価値提供者への支払いをすることで増大するため、貨幣を使用するインセンティブ が高まり、使用されないトークンを減少させることにより貨幣の流通速度が増し、経済活動の活性化を促進し ます。 増大・減少するトークンを使うことにより、個人間だけでなく、企業や家庭、地域社会といった幅広いコミュ ニティの経済活性が起こるだけでなく、ソーシャルキャピタルやアンペイドワークと呼ばれる家事労働などの、 「まだ評価されていない価値」の可視化・価値化・流動化を実現します。PEACE COINの流通を通じて、人々 がゆとりと生きがいを持ち、笑顔があふれる「多様性を認めあえる、豊かな社会」の実現を目指しています。

私は最近、縁あって代表の阿部さんとお会いする機会があり、その志とビジョンに共鳴しました。とても夢のあるプロジェクトです。

Actcoin、Peace-coin、面白いのはどちらも「感謝」「応援」の気持ちをベースに社会課題解決の貢献を目的として設計された仮想通貨であることです。


テンプルモーニング/コワーキングと仮想通貨

ところで、私はかれこれ2年ほど、テンプルモーニングを開催してきました。ひとことでいうと、お寺の朝掃除の会です。

そして、テンプルモーニングに参加した方を対象に、お寺でそのまま仕事ができるテンプルコワーキングも何度か開き、私がこれからのお寺の役割と考えている「Co-working, Co-living, Co-experinece for Well-being」という流れを自分なりに試してきました。

そんな中で思うのが、ブロックチェーン技術をお寺の新しいコミュニティ作りに活かすことができないか、ということ。

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このnoteマガジンは、僧侶 松本紹圭が開くお寺のような場所。私たちはいかにしてよりよき祖先になれるか。ここ方丈庵をベースキャンプに、ひじ…

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