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松本紹圭の方丈庵

このnoteマガジンは、現代仏教僧、松本紹圭が開く、お寺のような場所。私たちはいかにしてよりよき祖先になれるか。ここ方丈庵をベースキャンプに、ひじり仲間と対話と巡礼の旅に出ません… もっと読む
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noteマガジン「松本紹圭の方丈庵」へようこそ!(定期購読者の方へ/はじめにお読みください)

感謝とご挨拶松本紹圭の方丈庵、ご購読ありがとうございます! このマガジンをご購読くださったこと、本当に嬉しく、感謝しています。 ここ方丈庵は、遊行する掃除ひじり、松本紹圭が開く「インターネット上のお寺」のような場所。Post-Religiousな時代の宗教とは?僧侶とは?お寺とは?といった問いを探求していきます。ここ方丈庵をベースキャンプに、好きな本を携えて、ひじり仲間と掃除の旅に出ましょう。  【こんな方にオススメ】 ・お寺や仏教が好きで、もっと楽しみたい方 ・日々の

後悔をのこす

ダボス会議でマイクロソフトCEOのサティヤ・ナデラが「OpenAIのChatGPTが今後2〜3年ですっかり世界を変えてしまう」というような話をしていたと思ったら、帰国後、マイクロソフトがChatGPTに約1兆3000億円の追加投資を行うというニュース。彼の本気を感じた。 ChatGPTとは何か。 「ChatGPTは、OpenAIによってトレーニングされた大規模な言語モデルです。入力テキストに基づいて自然言語生成を行い、対話的な問題や情報の要求に応答することができます。」

Interview from Davos

ダボス滞在中、Morning Meditationに関心をもってくれた「Hub Culture」(デジタル通貨Venを運営するソーシャルネットワークサービス)のインタビューを受け、「Ancestorist」について話をした。10分ほどの短い動画なので、シェア。   Lush 「 Hub Culture」編集長 Lush より、松本紹圭さんをお招きしています。「Ancestorist」でいらっしゃいますね? 松本 そのようにご紹介くださり、ありがとうございます。最近、私の立

ダボスにて@世界経済フォーラム 2023 (5)

フォーラム最終日、Morning Meditaionを開いて3日目となる最後の朝。前日までの開催から口コミが広がり、今日は40人を超える人が集まった。日本人の参加者もあり、何人もの方から、深く心に響いたと感想を寄せてもらった。参加者の声も、フォーラム主催者からのフィードバックも嬉しい内容で、無事に終えられてほっとしている。 政治経済を議論する世界経済フォーラムの会場で、こうして先祖に想いを馳せる時間を成立させられたことは、これまでの複雑なコンテクストを含む道のりを思うと感慨

ダボスにて@世界経済フォーラム 2023 (4)

期間中、3日間にわたって朝の時間帯に開催している "Morning Meditaion" は、前回書いたように祖先に想いを向ける時間だ。連日のミーティングで声は枯れかけているが、お経を読んで「How can we become better ancestors?」をみなさんに問うている。毎回15〜20人の参加者があり、感覚をシェアしてくれる人も多く嬉しい感想もいただいている。 ◉ Wysa Chatbot for Mental Health https://www.wys

ダボスにて@世界経済フォーラム 2023 (3)

3日目の朝、メディテーションの時間が始まった。メディテーションといっても、禅の修行経験もなく、一般の人以上に坐禅の苦手な私にできることーーお経を読み、「How can we become better ancestors?(いかにして、私たちはよりよき祖先になれるか)」を集まるみなさんに問いかけた。 過去に想いを巡らせて、アンセスター(祖先)につながる「Deep Time」を設けることも、ひとつのメディテーションと言えるだろうか。スピーカーとして呼ばれて登壇した他のセッショ

ダボスにて@世界経済フォーラム 2023 (2)

自分は「Civil Society(市民社会)」という市民参加枠の招待を受け、ダボス会議に出席している。 2日目の今日は、そういう意味で自身が一員でもある「Civil Society Meeting」が開催された。参加したのは主に宗教者の集まりで、気候変動や生態系の多様性をテーマに、宗教コミュニティがWEF(世界経済フォーラム)のようなプラットフォームとどのように連携し得るか議論された。 仏教者は自分一人だったが、会合に仏教が含まれていたこと自体に意味があろう。宗教者の集

ダボスにて@世界経済フォーラム 2023 (1)

昨年5月に続き(前回報告)、2023年1月16日〜20日開催の世界経済フォーラム(ダボス会議)に参加している。スイスの山間部、ダボスの町に世界から忙しなく人々が集まっている。 メジャーなカンファレンスはオンラインでもLIVE配信されているので、興味があれば、世界経済フォーラムのサイトからぜひアクセスしてみてほしい。自分はカンファレンスを聴講しつつ、会って話をしたいと思っていた方々や、会場で声を掛けていただく方との個人的な対話を大事にしよう。 まずは1日目、話をした方々の記

横ざまに超える

昨年末に虎ノ門ヒルズをぶらぶらしていたら発見したSPBSという本屋さん。 売り場面積はとても小さいのだけど、ラインナップがもう自分の読みたいものにぴったりハマりすぎていて、店員さんに誰が選書しているのか聞いてしまったくらい。「スタッフみんなで選んでます」とのことだけど「大手の本屋さんみたいに、取次から自動的に大量に送られてくるベストセラー本みたいなのがないので、こういうスペースでやれています」とのこと。そういえば、確かに大手の本屋さんでは、入り口とか各フロアの目立つところに

音で全体性を観る

あけましておめでとうございます! 今年の年始はふるさと、北海道で過ごしていました。みなさんはどんな年末年始を過ごしましたか? さて、正月に実家で父と「音」について少し話した。 父の会社は精密機械のエンジニアリングなので、さまざまなセンサーを使うのだけれど、基本は視覚的な空間把握(ナノミリ単位の寸法計測や、 AI画像判断による加工処理など)が主であり、「そういえばあまり音のセンサーとか使うことはないな」とのこと。確かに、考えてみれば、いわゆるモノづくりの現場では「音」の出

観音する

先日、山形出張合宿に行ってきた。産業僧として関わっている、クライアント企業の社長と、少人数の若手リーダー社員、そして、産業僧事業を一緒にやっているサイエンティストチームの、総勢8名だ。庄内ではちょっと有名な水田テラスに泊まり、イタリア語のように聞こえる庄内弁を名前とするレストランに行き、羽黒山に参拝。仕事と呼ぶにはお楽しみ要素がずいぶん多いようにも思うけれど、楽しいからこそ発想も広がるわけだし、それでよかったのだろう。 自分はワークショップのファシリテーター役だったのだが、

2022 年末に寄せて

今年、安倍首相暗殺のいたましい事件を契機に、旧統一教会と政治の癒着、さらには、そのカルト性が生み出す問題の深刻さに世間の注目が集まった。 私の見るところ、組織のカルト性とは、関わる人を他から孤立させ、その組織とのつながりを唯一の依存先にさせようとする力学の強度である。その視点からすれば、カルト化するのは宗教組織だけではない。高い理想を掲げて社員を熱狂へと導くベンチャー企業のパーパス経営しかり、あらゆる集団がカルト化しうる。SNSの広がりからエコーチェンバー効果やフィルターバ

僧侶 / Ancestorist

これまでずっと、「僧侶」と名乗ることに、どこか違和感を持ち続けてきた。 それにはいろんな背景がある。 まず、一般的に「僧侶」というときに想像される、「住職」に近い意味合い、つまり、どこか特定のお寺に蟄居し、檀家に支えられて、檀家の先祖を守り、葬儀や法事といった死者供養の営みに奉仕する僧侶、という形では、私は僧侶としてほとんど活動していないこと。 また、一般的に「僧侶」というときに想像される「修行に励む人」という意味において、私が僧侶とししての本籍(僧籍)を有する浄土真宗

念仏サバティカル

『グッド・アンセスター』の著者、友人のローマンにメールを送ると、たいてい、数秒も経たずに返事が来る。もちろん、ローマンがいつもメールに張り付いている訳ではない。自動返信メールで、こんな感じの文面がテンプレートで送られてくる。 日本人にはあまり馴染みがないかもしれないが、この手の自動返信メールは、欧米の人はかなり一般的に使っている。ローマンの場合は、2年間のサバティカル(自分の研究や執筆に専念する期間)のことが書かれているが、夏の長期バカンスや年末年始の休暇などでオフィスを離