落語会におけるチケット転売の影響【ほぼ無料記事】

「エンタメ業界ではチケット転売は御法度」
「他の業種はOKなのに、なぜエンタメチケットの転売はダメなのか?」

という基本テーマは一応、解説した上で、

「落語会での転売については、特定の興行を除き、実はあまり影響がない」
「まさに特殊なエンタメ産業!落語!」

について、解説します。

(余談ですが…)
以前、上方落語協会のとある委員会で、繁昌亭の何かの特別公演について、
「チケットの取り決め」を考える時がありました。
その時に、「チケット転売は、なぜダメなのか」の基本を全くわかってない噺家が多かったです。そのため、その説明を私が一通り説明しました。
ただ、その説明後に、

「ただ、落語と言うエンタメの特性上、今回、転売禁止を敢えてうたう必要はないです」

という結論を出したら、その分かってない師匠方から

「ホナ、さっきの説明聞かんでええがな!」

みたいになりました…(笑)

半分、そらそうなんですが・・・。
ただ、委員会=供給する側ですから、どんな問題が起きるかをしっかり考える必要があります。いわゆる世間でよく起きてる具体的事例(転売問題)を踏まえ、それが起きるのかしっかり検討しなければなりません。

何も考えずに「結果オーライ」という姿勢はアカンと思うのですが・・・、割と「運だのみ」「結果オーライ」「意外と何も考えない方がうまくいく」というのが芸人なのかもしれません。

(前置き)
ふと、福山雅治さんのチケット転売禁止のニュースがあったので、思い出したので、今回、「チケット転売問題の基本」と「落語世界という特殊業界」についてまとめてみました。
※エンタメ業界で「チケット転売がなぜダメなのか」という基本を知ってる人はその部分は読み飛ばして大丈夫かと思います。そこをエラそうに語ったら、「誰でも知ってる経済のことを大上段に構えて語る元芸人」みたいな人になりますから(誰のことやねん…)

あくまで主眼は「落語会の特性」についてです。

チケットの転売はなぜダメなのか?【基本】

(※チケット転売禁止の理由について知ってる人は読み飛ばして下さい)
エンタメ業界がチケット転売を禁止する理由はいくつもありますが、
今回は、ともかく経済的に「なぜエンタメ業界が禁止するのか?」という話を書きます。

特に、主催者目線・商品目線(芸人目線)にスポットを当てて「なぜダメなのか」を解説します。

「具体例:1万円を5万円で売るダフ屋」

いわゆる転売問題が起きるのは、アイドルや人気ミュージシャンのチケットで、「入手困難なチケット」です。

例えば、とあるミュージシャンAのコンサートが
入場料1万円で、1万人のキャパだったとしましょう。

すると、完売した場合、売上は1万円×1万人=1億円です。

極端な話、ダフ屋(転売屋)が発生して、ダフ屋が
1万円のチケットを全部買い占めて5万円(5倍)で売ります。

興行元は普通に完売した場合と同じで売上は1億円のままです。
ダフ屋は5万円で売るので、2000人(キャパの5分の1)に売れば
「元」が取れます。2000人以上に売れたら儲かります。
「転売屋を擁護する人」は、”興行元は損しないからええやないか!”と言いますが、これは短期目線ではそうですが、長期目線では違うのです。

こういう状況ですと、需要と供給の関係で、そのコンサートは満員にならない可能性が出てきます。
エンタメという分野は「出演者がお客様と一緒に楽しむ」というものなので、「興行元 or 出演者がこれぐらいの人数で開催すれば楽しめる」という前提でコンサートを行っています。エンタメというのは、そのエンタメで「出演者とお客様が一緒に楽しめること」が重要です。それは「ターゲットとする顧客層と最適な人数」が重要になります。売上が上がっててもスカスカの客席では盛り上がらないです。

また顧客の嗜好とのマッチングが大事です。
当たり前ですが、、、「辛いことがあっても楽しく生きていこう!」みたいなメッセージソングを歌うミュージシャンが、「1億円払ってコンサートを買い切るたった1人の金持ち」の前では歌いたくないのです。
絶対にミュージシャンも楽しくないし、その金持ちはその歌を楽しめてるかというと疑問です(笑) 逆に昔の宮廷音楽家みたいに「王様のために作る」というのもアリですから、それぞれ芸人は一定の顧客を想定しています(宮廷音楽家みたいな場合は多数の貧乏人に理解させる音楽では無いのかもしれません)。
またミュージシャンのコンサートなら、「ファンクラブに入会してチケットを取る人=常連」が楽しめる内容にしていて、転売屋から高額なチケットを入手する一見さんでは楽しめない可能性もあります(そう言うチケットを買う人は、ファンでないので悪評を広めるだけのリスクが発生します)

つまり、ある程度、各アーティストは自分の芸を鑑賞できる審美眼(鑑賞眼)を持った人が必要なのです。そういう人がいなくなると、その芸人は育たなくなります(次の作品が作れなくなる)。「この値段でこの人数が集まる公演を何回打てるか」みたいなのを計測して、芸人は「今の自分の力量」を判断し、トライアルアンドエラーを繰り返し、成長していくのです。しかし、ダフ屋(転売屋)がいると、その人数の計測ができず、「売上はあっても、少ない人数での開催」となるため、自分の芸を客観評価できなくなります。徐々に成長していく機会を奪われたり、芸や人気がゆるやかに下降していってるのに気付く機会を奪われたり(それを是正する機会を奪われたり)するのです。そうなると、一気に、その芸人は廃業します。本来なら「ゆるやかな市場の動きを察知して柔軟に対応できた」かもしれないのに、その機会を奪われるのです。興行というのは、第1回目の評価が第2回目の売上を決定づけていきますので、「満員で盛り上がる予定だったのに、お客が少なかったので盛り上がらなかった」という結果になると、第2回目の売上は下がります。それが予測できた時点で、次回の興行は開催されなかったりします。
そうなると興行元(事務所)も、成長することによってまだまだ稼げた芸人を失うだけでなく(将来的な損失)、近未来の売上も無くなることになります。つまり、1回の売上&利潤は変わらないのですが、興行主や芸人からすれば、転売行為をされると、長期の売上&利潤は少なくなってしまうのです。

一方、ダフ屋にすれば、その芸人が業界から消えようが、焼き畑農業のように次の芸人をターゲットにダフ屋行為を続ければよいので気になりません。

しかし、そのエンタメ業界では才能のある人の芽を摘むことになります。「芽が育った時に、その事務所が儲かり、そのエンタメが栄える」のであり、芽を摘まれると、芸人だけでなく、その芸人を抱える事務所がダメージを受け、ひいてはそのジャンルのエンタメが滅びてしまいます。
(ダフ屋は別のジャンルのエンタメにいくだけで、そのジャンルのエンタメが滅びようが問題ないです)

そういった事情から、エンタメ業界では「転売行為(ダフ屋行為)」を禁止するのです。

もちろん、「他の商品では転売するやん!」という意見を言う人も出てきます。それこそ、昔、とある政治家が「価格は原則市場が決めるもの」とツイートしたり、チケット転売についてTVで「転売するというのは”資本主義の大原則”。価値があるものは高く売れる…これ資本主義」みたいな発言をした・・・とか聞きますが、、、、

それについては、

うどん屋の大将が、気に入らない客に「うちのうどんはお前には売らない!」と言ってもええのが、資本主義(自由主義)です。

つまり、先ほどのダフ屋(転売屋)の行為によって、自分の利益が損なわれるので、

利益が損なわれないと予想できる相手にのみチケットを販売しようとエンタメ業界がしてるだけの話です。

普通の商売では、あちこちに「転売」が発生していますが、その場合、売り手は相手を見て「お前にこの商品は売るか!」という拒否権も持っています。
チケット販売では、その相手が目の前の感じの悪い人ではなく、転売屋に「お前にこの商品は売るか!」と言うてるだけの話です。

※補足(雑感)~チケットと、他の商品との性質の違い

多くの他の商品は(賞味期限や使用期限があっても)、その商品自体が人と人の間を行き来する性質があります。
しかし、エンタメチケットは「鑑賞する権利」だけが、人と人の間を行き来し、それが消費されるのは「公演時間のみ」であり、商品(エンタメ)そのものは行き来しません。
飲食店や販売店では「マナーの悪い客」は、購入するタイミングで、他のお客様に悪影響を与えたり、それを消費しているタイミングで他のお客様に悪影響を与えたりします。だから販売店では販売するタイミングで「売らない!」と拒否したり、飲食店では販売時や店内での飲食時(消費されている瞬間)に「売らない(お金は返すので出ていけ!)」と拒否します。
しかし、エンタメの商品は「1回しか消費されない商品の販売期間が物凄く長い」のです。ですから、その販売期間全体にわたって、店主(興行元やアーティスト)が「こいつには売らない!」と叫ぶことになります。
そしてその叫ぶ相手とは「転売屋(ダフ屋)」ということなのです。

あと、他の商品は売れると判断した後、増産できたりします。それによって需給バランスなどを変えられます。しかし、エンタメは興行元が「予想した公演」を基本は増産できません。「限定100人のライブ」が入るからと言って、「限定200人」にしたら、もう商品は違うので、お客様は興行元に「契約違反や!」と怒りますから(笑) まあそこらが他の商品と「興行チケット」との性質の違いです。

まあ、もっと詳しく調べたい人は他のサイトで色々見て下さい。

【結論】
結局のところ、

「なぜアーティストや興行主が転売を嫌うのか」(→転売をすると芸人にダメージがある)
「資本主義であっても、売り手はお客を選べるので、興行主が転売禁止と言えば転売禁止」(販売において双方が合意するような自由な契約をすることが出来るので供給者が転売禁止と言えば転売禁止の前提になる)

というのが、転売禁止のキモです。

落語会では転売問題は起きにくい

「落語界会の特殊性」

落語会では、事業者による転売が起きにくいし(=営利目的の転売がない)、実際、転売が起きても落語界は何とかなるという業界の特性についてお話をします。
(※いわゆる「行く気のあった人がやむを得ない事情があり、定価そのままか安くチケットを誰かに譲る」ぐらいしか起きない業界)

これはあってるのか不明ですが、ジャニーズやアイドルのコンサートなどは、「性欲や食欲などに近い生理的欲求に近い快感」を含むエンタメです。
しかし、落語というエンタメは、「その価格で得られる快感は、本当にその値段ぶんで無いと笑えない(その瞬間は仮に笑ったとしてもリピートしない)」という属性をもつ娯楽(快楽)なのです。言い換えれば本能的に「適正価格だと思う価格でないと楽しめない娯楽」です。

つまり、落語は、やや理性的な娯楽であり、「もしそのエンタメが値段の割に合わない場合、そんなもんに金を払うやなんて、アホか」という理性を持ってる人が楽しむ芸能なので、どうしても購入者は価格にシビアになります。

勿論、有名人が出演する高額な落語会を観に行くお客様は、
「今日はこれを見に行ってきたの!(初めて行くものへの期待的価値)」という教養的価値であったり、
「セレブとしてのたしなみ(他の日は歌舞伎や劇団四季に行ったりするので、ある程度のクオリティをクリアすれば十分満足する)」としての価値を
その会に感じるので、落語ファンからすれば法外な値段を支払います。
一瞬、落語ファンからすれば高額な落語会は、シビアではないように思いますが、そこへいくお客様は、「妨害電波のついてる高級なホール」で「世間的な評価と認知度を持つ落語家」が「一定以上のクオリティの落語をやる」落語会にお金を払うのですから、シビアな価値観です。忙しいお金持ちにとって、「有限な人生の時間の中で、決してハズレない落語会を選ぶ」というシビアな選択をしているのです。しかし、そんな人の数は「ある一定数」しかおらず、そんな人たちは「ダフ屋から買ってまでその落語会を見たい」とも思わないので、その落語会に転売屋はほぼ発生しません。(転売されるような不当な価格のチケットの落語会に行くぐらいなら、歌舞伎やUSJや劇団四季などの別の高級なエンタメを選択します)

一方、落語とはそれぞれ個性や個人差はあるものの、「世間的な標準とは何なのか」という常識をベースに持っていないと、楽しめない娯楽です。なぜなら、落語は「標準的価値観からのズレを理解した時に笑う」という娯楽だからです。

そうなると、「このぐらいの笑いの満足度は、このぐらいの料金を払ってしかるべき」というシビアな判断がお客様に生まれます。落語が好きになればなるほど、他の娯楽や他の食事にかかる費用など(ありとあらゆる市場価格)と比較して、各々の落語会の入場料を判断します。そして、そうなるとダフ屋も知らない「有名でないが、本当に面白い落語会」という公演を複数知っています。ですので、ダフ屋(転売屋)が現れても、落語ファンは「そんな高い値段やなくても、もっと面白い会があるのを知ってるから、別の会に行く」と言って、そのチケットを買わないのです・・・。
つまり、ダフ屋(転売屋)がチケットを売ろうにも売れないのです。

ちなみに・・・

「先ほどの有名人の落語」であっても、落語ファンになると「有名人であってもリーズナブルに見られる落語会」が世の中には存在してることを知ってるので、そもそも、そんな高額な落語会には行かないのです。
(落語家が会場費の安い小さな小屋で、面白い芸人だけが凝縮して出演している会などに行くのです)
他の産業に比べて、ファンの人達は、業界の評論家などよりはるかに詳しいからです。

実際、落語ファンが評論家をバカしがちなのは「お客様が評論家よりも業界の流行や次世代の動きを察知」しているからです。
他の業界では「評論家が一般人に次世代のアーティストを紹介して一般人が流入して市場形成する」のかもしれませんが、落語界はマーケットが小さすぎて、そんなことはなく、「落語ファンが多くなった時に、メディアが騒いで、そのあと評論家が後追いで訳知り顔で説明する」という業界だからです。

それほど落語業界のファンは、情報キャッチが凄いのです。

【結論】顧客属性からも成立しない「落語の転売」

上記とも重複しますが、
落語会の顧客の属性は、「転売」の視点で分けると、
下記の3種類です。

①1年に1回ぐらい見に来る高所得者
※「1000人規模のホールの高額チケットの有名人が出演する落語会に行くような人」=「色んなエンタメを見るのに忙しいので、最高の落語家を自分で厳選していく時間はない人」(無数の落語家を比較して、その中から最高の落語家を選ぶというような時間などない人≒別の日に歌舞伎や劇団四季を観に行くのに忙しい人)=「一定レベル以上の上等な落語家だけを見る人」

②地方にいてるので、落語はその地域の会場でしか見られない人

③落語ファン(色んな落語家を知っており、自分の満足度に見合った適正価格を自分ではじき出せる人・・・有名人の落語であっても、リーズナブルに観る方法を知ってる事情通=ダフ屋以上の事情通)

上記①②のうち、落語を強烈に好きになった場合、③になるので、もちろん「①②→③へ移行中のグラデーションの人」は存在します。
しかし、全体の比率で言えば、その過渡期の人は、わずかの人数になります。(なぜなら①②から③に変化する場合、凄い熱量のため、一瞬で変化するからです)

①②の人は、そこまで落語が好きではないので転売屋が高額なチケットを販売した場合、他のエンタメに行ったり、食事に出かけるので転売屋のチケットは書いません。
転売屋というのは、「固定の落語家」のチケットに執着するものであり、業界全体に執着することはできません(←全体をリサーチするには、かなりの労力がいるので)。落語ファンは「落語家全体を見た中で好きな落語家数人を見つけた」時に発生するので、転売屋によって法外な値段の落語会が発生しても、それと同じかそれ以上の面白さの適正価格の落語会を見つけるので、落語ファンは、その会のチケットは買いません。
つまり、転売屋からのチケットは、ほぼ売れない・・・・のです。

※補足1

それでも「超・有名人の特殊な落語会」ではプレミアムチケットみたいになって、転売問題は発生するのかもしれません…。
しかし、その場合であっても、それぞれの興行主がそれぞれの価値観で「転売はダメ」と規制を強化するのか、放置するのかを選択するだけです。
いわゆるミュージシャンの大規模コンサートでは「転売は絶対に損するので禁止」という定石があるだけです。落語会だと「俺の独演会にダフ屋が現れてるらしい!」とネタにする方が経済的効果が出る場合もあったりするので、結局、「転売禁止への規制強化」は主催者判断なのです(特に落語業界は)。→落語会の多くの場合、「転売禁止」を強化するのは費用対効果が悪いので、しないだけです。
それぞれの経済状況のタイミングで戦略は変わりますし、規模が小さい状況では何も考えなくてよかったりします。大規模コンサートをする事務所は、落語世界と違い、転売問題をまず基本として考えなければならない状況だというだけです。

※補足2

転売ですが、似て非なることですが、ごっちゃになる事例は以下です。

①「事業者による割高な転売」と
②「顧客がいけなくなって、知り合いに定価(か安値or無料で)譲ること」

です。①が転売問題です。そして大規模コンサートでは①と②がゴッチャに起きるので、①を規制しようとしたときに②と区別がつきにくくなるのです。また②であっても「安売り」されると興行主は困るのです(しばらくすると、顧客が安くなるチケットを求めだすなどの悪影響が生まれる)。
しかし、落語界では基本は①は成立しないので、②が起きます。落語の世界はマーケットが小さいので、②で安値か無料で常連が入っても「損害は微少」です。②で新規客が来た場合は、そこからリピーターになる=得になる可能性があるので、「まあええか」になりやすいです。唯一困るのは、その安値か無料で入って来た客が「あまりの新規客」で「マナー違反の困った客」である場合のみです。
ですから落語会で「転売禁止の強化」は、「微少な損害の可能性と、得になる可能性と、マナー違反の顧客が来るリスク」などを主催者が判断して舵取りをすることになります。
ただ、実際の落語家は「そんな難しいこと考えてられへんから、●●でええ!」と、野性的な瞬時の判断をするだけです。
→それも「転売なんか起きひんから、ほっとけ!(野放し)」か、「皆が転売禁止言うてるんやから、転売禁止てしとけ!」か、、、、その噺家の感覚によります(笑)


ふと思ったこと…

上記からふと思ったのですが、、、
転売屋が発生する落語会がもしもあるなら、それは「面白さ」以上の「話題性による別の価値」が発生してる落語会でしかないように思います。
そう言うと「死にかけの名人の高座」とかは、少しそういう感じになってるような気がします・・・。たとえ、そういう会に落語ファンも行くかもしれませんが、ほぼ1回ぐらいで、何回も行くと損した気がするので、そうなんべんも行かないです(笑) ですから、基本は発生してないように思います。

逆に言うと、エンタメの転売問題とは、
「面白さ・楽しさ以上にその公演を渇望する理性的でない何かを含むエンタメ」で起きてるような気がします。

つまり、

転売が起きているのは
「鑑賞して得られる快感に見合う金額」よりも高額
に売れるチケットだけ
ではないでしょうか。

アイドルとかに物凄い会いたいという生理的欲求とか、そういう
「芸の中身ではない快感」を含むエンタメの時に転売が発生する
ことが多い気がします。
(※ただ、世の中は、そっちの方が多いし、そっちの方が儲かるような気もします…。その意味で落語は特殊なのかもしれません)

そうでないなら、転売は「リピーターによる厳しい査定とは別の金額査定」のチケットで起きる気がします。
(初心者による期待値の高さで高額になるということ)

まあこれは、落語業界に「福山雅治さん」に匹敵するような個人がいないだけなのかもしれません。落語ファンは基本は、そのジャンルのファンであり、「笑福亭●●だけのファン」みたいな人は存在したとしても本当にごく少数ですから。(落語ファン全員を足しても「福山雅治ファンクラブ」より少ないように思いますし(笑))

多くのリピーターと多くの初心者を持つ「福山雅治さんのエンタメ」と
落語業界とは全然違うと思いますので、この部分は「私がふと思った」程度
で何の確信も信念もないです。
(※「ふと思ったこと」の部分については、別の納得する意見があればスグそっちになびきますので、将来含めスグに撤回する可能性も含めご了承ください)

落語の持つシビアな特性

以上のことから、
落語の場合、高額な転売が発生しても、ほぼ誰もが「そこまでして観る価値はない」という判断になってしまいます。

落語とは「その価格で得られる快感を正当に判断する人間が見る娯楽」なのだと思います。落語を知らない人であっても、落語を知ってる人であっても…(不思議ですが)

※その意味で「チケットが取りにくい噺家」という人が出て来ると、すぐアンチが出て来る理由もこれと関係します。

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