山村しょう(こどもの本の作家)

こどもの本の作家です🖊第8回集英社みらい文庫大賞🥇大賞受賞作『スプラッシュ! ぼくは犬…

山村しょう(こどもの本の作家)

こどもの本の作家です🖊第8回集英社みらい文庫大賞🥇大賞受賞作『スプラッシュ! ぼくは犬かきしかできない』🏊第2弾『スプラッシュ! 世界にたったひとつの泳ぎ』集英社みらい文庫より発売中です!✨✨無言フォロー&スキするかも知れません

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自己紹介〈2022年3月現在〉

《主な経歴》2018年:第8回集英社みらい文庫大賞 大賞受賞 2019年:『スプラッシュ! ぼくは犬かきしかできない』(集英社みらい文庫)でデビュー。 2020年:続編『スプラッシュ! 世界にたったひとつの泳ぎ』(集英社みらい文庫)を刊行。 2021年:上記2冊が中国語に翻訳され、台湾の小熊出版社より刊行。(翻訳出版は集英社みらい文庫で初。) 《著作一覧》◆2019年:『スプラッシュ! ぼくは犬かきしかできない』(集英社みらい文庫) https://miraib

    • 小説のお仕事を募集しています!

      打ち合わせは随時可能、企画などの着手も大歓迎です!! (2023年3月10日 更新) 《プロフィール》小説家。児童文庫を執筆。5万字以上想定の長篇、短篇、ショートショートいずれも今なら、常時相談可能!! ご相談は、shouyamamura☆yahoo.ne.jp(☆を@に変えてください) または、ツイッターのDM( @shou_yamamura )までお願いいたします。 これまでの著作一覧や経歴など、詳しくは以下記事もご参考に。 《著作一覧》◆2019年:『スプラッ

      • あらすじ/アビスの手術(オペ)【ジャンププラス原作大賞応募作品】

        ある激しい雨の夜。14歳の少年ハシは、どの医者も匙を投げた病を治せるという、アビスの家の門を叩く。アビスは美しい女性だった。 患者はハシの同級生。アビスの治療は、患者の体を舐めて、憑りついている悪魔を浮かび上がらせ、十字架状のメスで切除するというもの。 アビスの腕前を見たハシは、埋葬された母親を蘇らせてほしいと頼む。死者の蘇生はできないと、アビスは断った。だが、ハシはアビスの家に住み込みねばる。 アビスは、昔亡くなった兄の姿をハシに重ねるようになる。ついに禁忌の術でハシの

        • アビスの手術(オペ)【ジャンププラス原作大賞応募作品】

          雨が激しく木や岩を叩きつける。昼でさえ薄暗い森の中、ましてとっくに日は落ちている。数歩先も見通せない暗闇を、ランプを下げて走ってくる者がいた。荒く吐き出された息が白くにごり、ぼんやりした光と混じる。 「ごめんください! ごめんください!」 おとぎ話の魔女の家かと見まがう一軒家の戸を、勢いよく叩く。訪問者は雨除けのコートを着て、フードを目深にかぶっていた。 扉が開く。目線を下げると、幼児のように小柄で赤い頭巾をかぶった少女がいた。だが人形のように無表情だ。名を、ルミナという。

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        自己紹介〈2022年3月現在〉

          たとえば愛【ジャンププラス原作大賞応募作品】あらすじ

          山名由香の彼氏、北村宗介は目が見えない。ある日、由香の元に悪魔が現れ「由香の視力を宗介に移すことができる」という。そうすれば宗介は目が見えるようになるが、由香は視力を失う。宗介はつっぱねる。 しかし宗介が、駅のホームから転落して怪我を負う。それをきっかけに由香は結婚して、宗介に視力を渡すことを決意した。 目が見えなくなった由香は、宗介と結婚。しかしある日、宗介の浮気が発覚する。後日、宗介は何者かに背中を押され駅のホームに転落した。 一方その頃、由香は両親の離婚以来会ってな

          たとえば愛【ジャンププラス原作大賞応募作品】あらすじ

          たとえば愛【ジャンププラス原作大賞応募作品】

          たとえば愛とは、何だと思いますか? こんな話がある。 あるえらい菩薩様が、ひとりの目の見えない男に会った。男は「何とかして目が見えるようになりたい」と言った。菩薩様は男の願いを叶えるため、自分の目玉をやることにした。それはそれは地獄のような苦しみに耐え、菩薩様は目玉を取り出した。 するとそれを見た男は「何だこんな汚いもの」と言い、目玉を捨ててしまった。菩薩様は怒りを覚えたという。 この話は、大学の授業で先生が話してくれた。あの修行を積んだ菩薩でさえ、怒りを覚えることがある

          たとえば愛【ジャンププラス原作大賞応募作品】

          ツィゴイネルワイゼン 【ジャンププラス原作大賞応募作品】あらすじ

          とあるクラシックコンサートの会場。楽団の中から三人が演奏すると、突如会場中の人間が錯乱して、殺し合いを始めた。 音による殺人、「音殺(おんさつ)」事件。 テロとして捜査される中、新人刑事の渚日和(ひより)はドイツから来た女性、晴香・メンデルスゾーンと行動を共にすることに。晴香は、付き添いの女性・響の手話通訳を通して話す。彼女は耳が聞こえなかった。 晴香によれば、事件の背後にはテロ組織「コンツェルト」がいるという。奴らの最終目的は、究極殺人兵器『ツィゴイネルワイゼン』を演

          ツィゴイネルワイゼン 【ジャンププラス原作大賞応募作品】あらすじ

          ツィゴイネルワイゼン 【ジャンププラス原作大賞応募作品】(第一話)

          「 ドイツから来た少女 」 かつて、天才的な演奏で観客を虜にしたヴァイオリニスト、ニコロ・パガニーニ。人間離れした超絶技巧から繰り出される音楽で、失神する者が相次いだという。彼を知る者は、後にこう言った。「悪魔に魂を売った男」と…。 パガニーニがこの世を去って、およそ180年。現代の東京。 とあるコンサートホールで今宵、クラシックの演奏会が開かれている。曲は今まさに、フィナーレを迎えていた。 髪を振り乱し、情熱的にタクトを振る指揮者。その指揮に必死で追いつき、巧みな演奏

          ツィゴイネルワイゼン 【ジャンププラス原作大賞応募作品】(第一話)

          ツィゴイネルワイゼン 【ジャンププラス原作大賞応募作品】(第二話)

          「 マイ・ベートーヴェン(前編) 」 日本初の「音による殺人=音殺」事件が起きてから一週間。新人刑事の渚日和(なぎさ ひより)は、なんとか頼み込んで、警視庁の捜査会議を立ったままだが聴くことができた。徐々にあの日、コンサートホールで起こったことが明らかになってきていた。 ある特殊な方法で楽器を演奏すると、聴いた者の精神を錯乱させ、無差別に人を襲うようにしてしまうという。当時コンサートホールはほぼ満員だったが、警官が突入したとき、生き残っていた者はわずか十数名。ドアは開けら

          ツィゴイネルワイゼン 【ジャンププラス原作大賞応募作品】(第二話)

          ツィゴイネルワイゼン 【ジャンププラス原作大賞応募作品】(第三話)

          「 マイ・ベートーヴェン(後編) 」 間もなく開演の時間だ。会場には、続々と観客が集まってきている。日和は、新海教授の姿がないか周囲を警戒していた。 すると、響が爪を噛んで不安そうにしているのを発見する。 「堀切川さん、大丈夫ですか?」 「ああ、すみません。平気です」 「気分が悪いようなら、ここは俺にまかせて…」 「いえ、本当に大丈夫です。ただ…」 響はうつむいた。 「この前、ホテルの廊下でテロリストに遭遇した時、私は何もできませんでした。それどころか、渚さんに襲いかかっ

          ツィゴイネルワイゼン 【ジャンププラス原作大賞応募作品】(第三話)