雑記3

お酒が好きだったなあと思う。

高校時代に祖父のビールをこっそり盗み、自室に持って行き缶を開けることに慎重になっていたことを考えると、今の僕はよくもまあこんなに節操なくビールの缶をプシュプシュと開けられたものだなあと感慨に浸ってしまう。

祖父のビールを飲み始めた高校生以降、僕の飲酒量は直線的に上がっていった。

高校を卒業し、大学生になるとそれまでの高校受験の反動か、入学当初から浴びるように酒を飲み、高田馬場でしっかりとゲロを吐いたりしながら、らしすぎる大学生活を送っていた。映画サークルという今思うとよくもまあこんなに酒が好きな人が集まるなあというコミュニティにいたのも相まって僕の飲酒量が増えた。

大学時代に働いていたバーでウイスキーの味を覚えてからは飲酒に拍車がかかり、さもお酒の味が分かるふりをしながらお酒のうんちくを語るものすごく嫌な奴になっていた自覚もある。

そして大学3年生頃にはランチビールなぞとのたまいながら昼から酒を飲み、僕は無事大学5年生になっていた。

大学卒業後は今思うと恐ろしいほどお酒飲んでいた。演劇をしていると驚くほどお酒を飲む機会がある。稽古をすればお酒を飲み、公演が終われば飲み、チケットを売るために飲み、バイト終わりになんとなく飲み、金銭的なストレスからお酒を飲んだ。お酒は僕にとってほぼ青春と同義だ。

ただ、最近お酒が美味しくない。全然コーラの方が美味しい。コーヒーの方が飲みたい。

もちろんお酒を飲むこと自体は、体が慣れている、というよりもむしろ習慣のようになっているので、飲むには飲む。そしてそれ自体に抵抗は全くないし、お酒の席は楽しい。人が赤らんだ顔をしながらそれぞれの人生哲学を語り始める時などは、意地の悪い僕からするとかなりのエンターテイメントだし、これからの話や過去の話を虚実入り乱れながら話すことは僕に取ってもストレス発散になっている。

ただ、最近あんまりそそられない。不思議だ。あんなに好きで毎日買っていた缶ビールは最近アイスになっている。コンビニで500缶を買うならハーゲンダッツを食べたい。

今、この文章はハーゲンダッツを食べながら書いている。ハーゲンダッツのストロベリー味はなんでこんなに美味しいのでしょうか。

お酒が僕の青春だとしたら、このハーゲンダッツはなんなのか、それらしいかっこいい言葉がそのうち見つかったりするんだろうか、ていうか僕の青春終わっちゃったんだろうか、なんて考えているとお酒も恋しくなってくるのでそろりそろりと深夜のコンビニにでも行ってきます。

おわり。