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試合でコーナキックよりも多い「スローイン」

スローインは大事なのか?

僕は、高校生の時はSBでプレーをしていた。(中学までは中盤の攻撃的な選手)

SBなので、スローインを投げることが多くなる。

1試合の中で何度スローインを投げたのだろうか?
何度、成功したのだろうか?(成功の定義はチーム戦術次第)

当時の僕は、このスローインという作業について
ほとんど、何も考えていなかった。

いや、チームも、当時の指導者も意識していなかったと思う。

日曜日に公式戦がある場合、土曜日に行われるセットプレーの練習は、
FK,CKの確認だった。
もっと言えば、
高校時代の3年間で「スローイン」を意識するようなTRはなかった。

だから、チームがスローインから再現性を持って、狙ったことを起こせるわけがない。

全てが偶然であり、たまたま成功したり、失敗したりを繰り返す。

では、スローインは大事ではないのか?

大事ではないのであれば、なぜ、CLを制覇したLiverpoolは

スローイン専門のコーチがいるのか?

それは、スローインがGAMEを攻略する上で考えておいた方が良いからである。

単純に考えれば、スローインはFKやCKよりも多く試合中に行われている。

そんなよく起こる状況を理解していて、対策できるいるだろうか。

できていないのであれば、対策しているチームと比べた時に

ジワジワ、と差が広がっていくだろう。

育成年代の選手たちにも、

例えば、1試合の中で何度CKがあり、スローインは何度あるか?

10回あって、その6回が、スローインから2アクションまでにボールを失っていて、カウンターが発生している。

そのカウンターから相手にCKを与えて、失点している。

と簡単な事実を伝えて、
少しだけでもスローインを含むTRを行えば、意識は全く違うだろう。

以前は、僕も、スローインの大事さに気づくことができなかった。

おそらく、こういった指導者は多いのではないかと思う。

スローインは「ネガトラ」 

僕が尊敬している指導者と話していて、出てきた言葉。

去年、僕たちは、U15のリーグ戦で

14試合を戦い、合計45得点があった。

このコロナの期間にそのゴールを全てを見直してみた。
(優秀なアシスタントコーチが手伝ってくれた)

得点者、得点の時間帯、局面(ポジトラ、崩し、など)

簡単なデータではあるが、45点中を分類した。

45点中、22点が「ポジトラ」から発生していた。
(ショート、ロングカウンターの定義はチームで変わる。あくまでも自チームの定義。)

ほぼ50%である。

「数字」までは把握していなかったが、予想していた通りだった。

良い発見だったのは、

「相手のスローイン」から、ロングカウンター(自軍でボールを奪う)で

複数点取っていたことだ。

相手チームにとって、僕たちのゴール付近(30m程度)のスローインであり、

チャンスと思えるような局面である。

ただ、実際には、チャンスではなく、
相手チームはそこから失点しているのである。

“スローインはネガトラ”である。

そういった意識を選手たちが持っていて
TRで少しだけでも意識づけできれば、全く違う結果になると思う。

もし、スローインについて、何も意識していないのだとしたら

そこには、落とし穴があるかもしれない。

最後に、、。

指導者の立場から話すと

スローインだけの練習を設定することは難しい。

練習の時間は限られている。

スローインの練習はテンポも悪かったりする。

それ以外にも、練習しなければいけないことはたくさんある。

どうやって効率良くやるのか。工夫が必要である。

以前、僕は指導のテンポを優先して

スローインをできるだけ行わないようにしていた時期がある。

ある試合で失点した時に、その原因が30秒前のスローインから発生していることに気がついた。

それ以外にも、チームの流れが良い時に、スローインのミスからカウンターが発生して、自軍に押し戻され、相手にCKを与えて、流れがガラっと変わることがあったりもした。

スローインだけじゃない、
自分たちの課題や、次の練習のヒントは「自分たちの試合」を振り返ることで見えてきたりする。

ただし、しっかりと見なければいけない。

最先端のメソッドや最新のメニュー本を見る、ことよりも

多くの気づきがあると思う。



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