見出し画像

【5分読書】セコム創業の飯田氏が考える「仕事と経営」

本日はセコム創業者であり、創業後は45期連続増収を実現した飯田亮氏の仕事と経営の哲学をまとめた、「正しさを貫く 私の考える仕事と経営」を要約したいと思います。

飯田氏は「水と安全は無料」という時代において、当時存在しなかったセキュリティ領域の会社を創業し、日本にセキュリティ産業を創造しました。そして長期間に渡ってリーディングカンパニーであるセコムを経営してきました。

成功することは難しいが、成功し続けることはもっと難しい

飯田氏は長期的に成功し続けるためには、人間の本質に立脚した普遍的な原則や哲学、日々の継続的な努力が必要だと考えています。本書を通じて、飯田氏の考える仕事や経営について学習していきます。


全体要約


画像2

本書は上記のような三部構成になっています。またそれぞれの対象とする人は以下のようになっているため、自分に必要な点を選んでインプットしていくことができます。

画像2

今回の要約記事では、第一部と第二部について要約していきます。

画像6



第一部:成功のための原点

画像3

第一部は3つの章から構成され、各章には12個のポイントが記載されています。今回は、そのなかで私が当事者意識を持って感じた経験があることや、失敗経験のあることなど、特に印象に残ったポイントについて記載していきます!

その他のポイントが気になる人は、ぜひ本書を購入してみてください!


第一章 体験的・成功の原点となるもの

画像7

飯田氏は物事は最初が肝心であり、スタートに当たって特に重要なことは、「自分の理想と現実の間で決して妥協しないこと」だと考えています。

理想と現実で妥協している例
・現実から見たらこんなもんだよ
・まあまあでいいじゃないか
と考えてしまっている状態

一度妥協をはじめると、仕事の細かいところ一つが積み重なり、最終的に全てにおいて妥協していくことになります。その妥協の結果、いい加減な仕事になってしまうのです。

だからこそ、最初が肝心であり、いかなる立場であっても理想と現実の間で妥協してはならないのです。


実際の例

飯田氏は特に組織のカルチャーや雰囲気については妥協してはならないと考えています。

組織の雰囲気面での妥協がその後に大きなマイナスをもたらした経験があるため、飯田氏の考えに非常に共感できました。私が支部長を務めるキャリア支援団体では、組織が5人→20人に急拡大し、活動の主体性やタスク履行強度が低下してくるという問題が生じました。

この急拡大は採用計画の遅れや獲得計画の見込みの甘さなど、さまざまなミスや外的要因が重なった結果であったのですが、自分は組織においては仕方なく生じる事象だと妥協してしまいました。その結果、状況改善までに必要以上の時間を要してしまった経験があります。

今思えば...
この状況では、まず全体(特に状況悪化を感じているメンバー)に対して、状況を改善しなければいけないという危機意識を伝え、妥協しないという姿勢を見せるべきだったと思います。また、そうした状況に対して、今できることを明確にし、コントローラブルな要素についてしっかりと対応をしていれば状況は早く改善していったのではないかと考えています。

最初の妥協がその後の大きなマイナスに繋がってしまった事例であり、今回飯田氏の考えを知り、しっかりと振り返りを行うきっかけにもなったので、今後は同様の失敗はしないようにしていきます。


第二章 仕事とは何か


画像8

飯田氏は、やりたいこと(天職)が見つからないのは、実行しないから見つからないのだと考えています。とにかく正面からぶつかってやってみるということが大切です。

最初から天職があるというよりも、自分自身がいろいろ経験し、いろいろ苦労しながら、その過程を通して「これが天職だ」と実感を得ていく方が現実であると述べています。

飯田氏の実例
飯田氏もセコムを創業した当初は、将来性があるとは思いつつ、これが天職だとは思わなかったとのことです。創業して十数年経過し、様々な苦労を経験したのちに、これが天職だと感じれるようになったそうです。

まずは経験をしてぶつかってみるということが大切だと改めて感じました。


実際の例

私は今まで3社で長期インターンやキャリア支援団体の代表や支部立ち上げなどを経験してきました。しかし、やっていることのすべてが楽しかった経験はありません。もちろん振り返ればどれも良い思い出であり貴重な経験ですが、当然ネガティブなこともありました。

自分にとってすべてがポジティブな仕事はないと感じており、やりたい・やりたくないや好き・嫌いでなく、まずは一生懸命にぶつかることが大切というのはとても納得しました。

特に新卒ではできることが少ないので、仕事(できること)はだれてもできることになりやすいです。そこで、嫌だなと思うのでなく、まずできることにぶつかり、その輪を広げていくことが、やりがいに繋がると思いましたし、私もそのように頑張りたいと思いました。


第三章 逆境のときの考え方

画像9

苦しいとき、皆さんならどのように考えますか?

苦しいときは誰でも気持ちが沈んでしまいますよね。それは飯田氏も同じです。しかし、ネガティブな気持ちを持ち続けていると、どんどんマイナスに働いてしまいます。飯田氏はそんなときは、意識的に心を弾ませるようにしているそうです。

今苦しいから将来花が開く。こういう苦しいときがあるから人として成長できる

このように発想を転換しポジティブに考えることで、意識的に心を弾ませ、その結果自然とポジティブになっていくのです。

実際の例

苦しいときのマインドは人の特性のように受け取りがちですが、スキルであると私は考えています。私は苦しいときやストレスを感じたときには、どんどん気持ちが下がり自然回復を待つタイプだったのですが、下がりかけの気配を察知してリフレッシュをしたり睡眠時間の調整や意図的に人と話す機会を設けるなど、自らコントロール可能な部分で、意識的に心を弾ませるようにしています。

意識的に心を弾ませるためにできる行動を考え実践することで、苦しいときやストレスがかかった時に早く回復し高いパフォーマンスを発揮できると思います。飯田氏はマインド面で無理やりポジティブに考えるところから入っていますが、私としては行動面から入った方が実践しやすいなと思いました。


第二部:成功の途上で

画像13

第ニ部も3つの章から構成され、各章には12~14個のポイントが記載されています。中間幹部や経営管理者層を対象としているため、学生である私には少しとっつきにくい部分もありましたが、学生でも「たしかにそうだ!」と共感できたポイントについて記載していきます。

第四章 体験的・成功の途上で大切なこと


画像10

客観的に世の中を見ていると、大雑把なトレンドが見えてきます。そして大きな流れが見えたら、今度は必ずそうなると思い込んで自分の仕事のプランを考えて実行するのが重要だと飯田氏は考えています。

いま、行動を起こせば、世の中は自分の仕事を必要とするようになる」と信じるのです。

未来を自分の手で創るという志があれば、人に先駆けて新しいビジネスで成功できる可能性が高まるのです。

セコムの事例で考えてみましょう!
【創業当初】
・警備会社なんてうまくいくはずがないと言われる
【現在】
・セキュリティ業界が創造され警備のリーディングカンパニーになる
【なぜ?(①or②?)】
①:創業者飯田氏の未来予測が正確だったから
②:社会に対してセキュリティの重要性を社会に働きかけたから

飯田氏が話すようにマクロ的な予測は必要だとは思います。また、結果論から見てしまうと、①の予測の正確さにフォーカスしがちだと思います。

しかし、それを実現させるにあたっては粘り強く社会に働きかけることの方が重要であり、後者の未来を創るという意思と行動がとても重要なんだなと感じました。


実際の例

所属するキャリア支援団体で、自身が担当する支部や立ち上げ支援を行った支部では、組織フェーズの拡大において全体の雰囲気が低下する傾向があることを学びました。そうしたときに組織拡大フェーズに起こり得る課題及び事前対処法を知らなかったので、問題が起こり始めて気が付いたのですが、どこからアプローチして良いかわからず、予測が不適当だった過去の自分を言い訳にして、すぐに改善アクションが取れませんでした。

しかし、現在は卒論など同期メンバーが繁忙期を迎えていますが、雰囲気は上昇傾向となってきています。外部環境としては悪化していても支部の状況は改善している、これは自分たちに今できることを私含め多くのメンバーで考えてアクションできているからだと思います。

未来を予測することも大切ですが、理想的な未来のためにできるアクションを行なっていくことの大切さを感じました。



第五章 上司・リーダーとは

画像13

飯田氏は部下を育てるという言葉が好きでないそうです。なぜなら人間というのは自分で育ってくるものだからです。

上司の仕事は「場」を与えることだと飯田氏は考えています。下の人たちが自分から気が付き、育つような場を与える、自ら育つような場の環境を作るのが上司の役割なのです。教えるべき知識が技術を教えるのは当然のことですが、「場」を与えて、責任を自分取るのが上司の役割だといいます。

ジョンソンエンドジョンソンやライザップ、カルビーで社長を務められている松本氏も、記事のなかで、「社員は育てるのではなく、自分で育つもの」と述べています。実際のところは分かりませんが、そうした考えのもと権限移譲を積極的に進めるスタイルの方だと聞いたことがあります。まさに「場」の提供です。


実際の例

「場」を与えるということは、信頼をして任せるということと同義だと思いました。1~10まですべてを教えて育てようとすることは、暗に相手に「君を信頼していない、まだできないよね」というメッセージを送っていると思います。

最低限必要な1を教え、あとを任せることで、「信頼しているよ、君なら出来るよね」という信頼や期待を伝えることになると思うので、飯田氏の「場」を与えるという考え方には非常に共感できました。

私は「場」の提供と、こちらの記事で紹介をしているコミットメントと一貫性を掛け合わせるのが効果的だと思い実践中ですので、気になる方はぜひこちらの記事もチェックしてみてください。


第六章 経営とは何か

画像12

こちらは本章最後のポイントとなります。様々な飯田氏の考え方を紹介してきましたが、仕事でも経営でも現場で学ぶしかないという体験の重要性について語られています。

笑い話としてこちらが紹介されています。

・エピソード
一時MBAが流行ったときに、AさんがMBAの資格をとって会社を始めたが失敗してしまった。それで、もう一度MBAに行きなおした。どう失敗したのか、もう一度MBAに行って学ぼうとしたらしい。

みなさんはどう思いましたか?野球を上達したいと考えた際に、もちろん書籍やYouTubeで勉強するのも大切ですが、1番は実際に練習することが大切ですよね。仕事においてもリサーチなど机上で考えるだけでなく、実際に現場を経験することが1番良い学習だと飯田氏は考えています。


・記事内容抜粋
人間的エネルギーというものは使えば使うほど増殖されるものなんです。僕自身、人間的エネルギーは使えば減るし、減った分を補充するには、それなりの時間がかかると思っていた時期もありましたが、そうではない。充電するには時間などかからないし、使えば使うほど、充電されるものなんです

こちらの記事の中で「エネルギーは出し切れ」とあるように、まずは徹底的にアクションすることの重要だと思いました。


実際の例

私も現場での体験は得られる情報量や学びも多くとても大事なことだと考えています。現在の長期インターン先では、現場を経験しておらず顧客のイメージや事業スキームの理解など一部イメージできていない部分がありましたので、先日上司にお願いをして、北関東拠点に実際に訪問し、1日ですが現場を体験してみました。

自分が感じている課題意識と実際の現場にある課題感では大きなギャップがあると感じ、また得られる情報量も具体性もとても濃く、とても充実した時間となりました。もちろん根拠としてのネットリサーチなど現場以外の業務も重要ではあると思いますが、現場で学びそれをアウトプットし組織をさらに盛り上げられるような人になりたいと思いました。


補章 艶っぽくあろう

画像5

補章では通常のビジネス常識からは外れてしまうが、飯田市が大切だと思う点について7つ記載されています。そのなかで私も大切にしたいと思ったポイントを1つ紹介したいと思います。


画像13

艶っぽさとはなにか?飯田氏は説明するのは野暮だからとのことで、説明を割愛されているので、私なりの理解を共有したいと思います。

どちらが艶っぽい会社でしょうか?
・詐欺事業で儲かっている会社
・社会課題を解決するソーシャルビジネスで解決する会社

いずれの会社も成果を残すために一生懸命に頑張っているとしても私は後者の方を魅力的に思います。会社・個人の能力(利益や年収等の定量的ステータス)だけが高くても魅力的には思えず、会社・個人の能力に加えて、会社の存在意義や個人としての魅力(社会貢献性や優しさ等の定性的魅力)があることが艶っぽさだと私は思います。

実際の例

艶っぽさどのようにすれば得られるでしょうか?

人によって艶っぽさの定義やそのためのアクションは異なると思いますが、特に定性的な魅力を磨くうえでは、私はいろいろな経験をすることが重要だと考えています。だからこそ、仕事(インターン)以外にも、キャリア支援団体・柔術・プログラミング学習など色々なことを同時に経験して、また初マラソンに挑戦したり、自作ダメージジーンズを作成(失敗)するなど、意識的にいろいろなことを経験するようにしています。

これからも何かの機会に対して否定的ななるのではなく、肯定的に捉え積極的に挑戦し、艶っぽい社会人になっていきます!

まとめ

セコム創業者である飯田氏が感がる仕事や経営について執筆された「正しさを貫く 私の考える仕事と経営」の内容について要約しました。

本記事においては、私が特に重要だと感じたポイントに絞って記載をしましたが、それ以外のポイントでもとても勉強になることが非常に多かったので、気になる人はぜひ読んでみてください!


参考資料
・アイキャッチ画像
正しさを貫く|書籍|PHP研究所

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?