レン

家にある手つかずの本たちの記録。大学生。

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家にある手つかずの本たちの記録。大学生。

最近の記事

こころがホットゆずレモン

遠くから見ている僕が、クスッとして、こころがあったまった出来事。 『一冊の漫画』 コンビニと駐車場の間にあるあれ、ちょうど腰をおろしやすいあれ、U字型のパイプ。夜中の散歩がてら立ち寄ったコンビニのあれにお尻を預けてぼーっとしていたとき。目の前を通って行った女の子。その子の右手には漫画が一冊。おそらくさっきコンビニで買ったのだろう。買った漫画を夜空に掲げ、微笑みながら見つめて、写真を撮っていた。待ちわびていた新刊の発売日だったのか、ようやく見つけた漫画だったのか、パッケージに

    • そういえば、新年

       今年の年明けは、数年ぶりに実家で迎えました。元旦の今日、昼過ぎに起きた僕は家族に誘われるがまま近くの大きな神社へ初詣に行きました。この神社の境内は参拝者でごった返しており、久しぶりの人込みで少し疲れました。人が多いと分かっていたのですが、この神社の近くには僕の好きな川があり、その川をのんびり散歩できたことが良かったです。鴨が大名行列のように並びながらぷかぷか流れていたり、新年からランニングに励んでいる人たちがいたり、桜の木の蕾を見て来る春を想像してみたり、向こう岸で凧を飛ば

      • 喫茶店で朝食を

        午前七時。 いつもなら、心地よい布団の中で夢を見ている。やさしい朝日が漂う部屋に前日設定したアラームがけたたましく鳴り響く。眠い目を擦りながら僕は携帯をとりアラーム解除のボタンを押す。目が覚めた直後は少し機嫌が悪い。二度寝悪魔が僕に甘い誘惑の言葉をかける。 「ほら、ほら。布団はまだあったかいぜ。」 彼は布団の上で寝そべりながら、じっと僕を見つめている。いつもならそんな悪魔に誘われるがままに布団の中に潜り込んでしまう。そんな優しくも非情を併せ持つ存在を必死に振り払い洗面所に向か

        • 春よ、来い

           満開の桜を見ることができなかった今年の春。  旅行先で訪れた岐阜県では、まだ蕾であったり、見頃を終えた葉桜が多く立ち並んでいた。  辺り一面が桜色で染められている華やかな美しい春ではなかったが、いつもなら見落としていたささやかな春の幸せを感じることができた。  山々に囲まれた飛騨川のそばの国道を車で走っている時だった。  四方を山に囲まれちょっぴり閉塞感を抱いていると、少し遠く離れた山の中でポツンと静かに立っている山桜が目に入った。そのときの桜は、スギの木々との対比もあ

        こころがホットゆずレモン

          雪が降りました。初雪です。 友達と見た雪はより一層美しい白さで輝いていました。

          雪が降りました。初雪です。 友達と見た雪はより一層美しい白さで輝いていました。

          数日前、天気予報に現れた雪だるま。画面越しに映るかわいらしいシルエットが現実になることを願う。降雪が少ない地域だが雪が積もる景色は見たい。早朝、空気に寒さが張り付く。結露した窓。外に白銀の世界を感じる。カーテンを開ける。雪を被った葉。わくわくしていたのはまるで昨日のことのようだ。

          数日前、天気予報に現れた雪だるま。画面越しに映るかわいらしいシルエットが現実になることを願う。降雪が少ない地域だが雪が積もる景色は見たい。早朝、空気に寒さが張り付く。結露した窓。外に白銀の世界を感じる。カーテンを開ける。雪を被った葉。わくわくしていたのはまるで昨日のことのようだ。

          川端康成 - 日向 -

           テスト勉強に飽きてしまい、大学の図書館をあてもなく散歩していると、最上階の日本文学の棚が並ぶ場所に辿り着いた。  そこは、一般の書店では決して見ることができない書物の宝庫だった。古本の目利きがない僕でも、この蔵書たちの価値はなんとなく分かった。  一面に並ぶ夏目漱石全集に驚きながらも、ある文豪の棚を探していた。  その文豪というのは、つまり川端康成のことである。僕に情景描写の美しさを教えてくれた人であり、僕自身の好みを発見させてくれた人である。  彼のことを深く語れるほどの

          川端康成 - 日向 -

          「頑張れ」に代わる言葉

          「頑張れ」という言葉が少し苦手だ。 「頑張れ」はとても便利な言葉である。 何か相談してきた友達に「頑張れ」、入試や就活など困難なことに挑んでいる友人に「頑張れ」など、他人を励ましたり応援するときに使うことができる。 しかし、「頑張れ」にはどこか無責任かつ重い十字架を投げつけているような感覚がある。 その人を応援している気持ちが不純でないとしても、「私はあなたではない。これはあなたの問題。私は関係ない。」と言っているように感じる。 「頑張れ」には、「友達も結局は他人」と

          「頑張れ」に代わる言葉

          本の山に登る 3歩目

          「本の山に登る2歩目」更新から2週間ほど経ちましたが、地道に少しずつ本の山を登っていました。 数冊読み終わり、 noteを開いて何か文字を書こうとしました。 しかし何も言葉が出てことない。 書きたい言葉も特になかった。 何も無かったといえば嘘になるけど、書きたくもないことをわざわざ書くことはないかと思い、放置していました。 そして、少し立ち止まってみると気づいたことが。 「noteに何か書くために、つまりは記事にするために読書をしている」 noteを始めたきっかけ

          本の山に登る 3歩目

          歩道橋と僕

          僕は歩道橋が好きだ。 小学生の頃、通学路に歩道橋があり、六年間お世話になった。 はじめての登校日も、大雨の日も、階段に雪が積もり真っ白だった日も、学校に行きたくなかった日も、思い出と共に毎日登った。 歩道橋を見るとそんなたくさんの思い出が甦るから好きなのかもしれない。 少し急な階段、剥がれた塗装、上から見える夕陽、歩道橋の下を通り過ぎるたくさんの車。 ありふれた日常の中に歩道橋はぽつんと立っている。 歩道橋を見ると僕は登りたくなる。 景色を楽しみにしながら僕は階段

          歩道橋と僕

          本の山に登る 2歩目

          これから記すのは、家に積まれた本たちで生まれた山を登っていく僕の登本(登山とかけて)記録である。末永くお付き合いいただきたい。 本の山登山記録の記念すべき一歩目からすでに一か月経っているが、その間も少しづつ、大きく小さな一歩を踏み出そうと着実に本を読み進めていた。 ただ読むペースが遅かったり、読書する時間があまりとれなかったりしたので、一冊の本を読み終わるには数日もしくは一週間ほどの時間を要した。 今回は読んだ本たちは 「東京奇譚集」村上春樹著 「恋文の技術」、「夜は短

          本の山に登る 2歩目

          一人暮らし大学生 辞書を買う

          二十歳を過ぎてから、自分の生まれた日にあまり特別な感情を抱くことはなくなった。 学校で友達から祝ってもらえるかな、家族から何か貰えるかななどの特別な日としての感覚が消えてしまったため、ただの1日でしかないのだ。 「〇〇歳誕生日おめでとう、まあ呑気にやれよ」と心の中でつぶやくだけである。あとは親族からのお誕生日おめでとうLINEのみ。 「自分の機嫌は自分で取れ」じゃないけど、最近、心が落ち着かない日々を送っていたので、何か自分を甘やかしてあげられることを探していた。 以前

          一人暮らし大学生 辞書を買う

          本の山に登る 1歩目

          これから記すのは、家に積まれた本たちで生まれた山を登っていく僕の登本(登山とかけて)記録である。末永くお付き合いいただきたい。 記念すべき一歩目は、森見登美彦著「四畳半王国見聞録」である。 森見作品は、これまでも何冊か読んできた。 出身が京都ということもあり、彼の作品はとても親近感があり、馴染み深い。 そして、彼の作品で僕が好きなところでもある阿呆たちが、この作品には出てくる。とても楽しみな作品の一つだ。それでは読んでいこう。 「四畳半王国見聞録」は、京都を舞台に描か

          本の山に登る 1歩目

          本の山

          読んでいない小説たちの山が、僕の家では散見される。 僕は、本を買うことが好きだ。もちろん本を読むことも好きである。しかし、一冊の本を読み終わる速さより、本屋に行き魅力的な本を買ってしまう。そして新たな山を造り、山を高くしてしまう。 そこであちらこちらに広がる本の山の登山記録を残していくことで、手つかずだった本たちを読破していきたい。 地道に一歩ずつ、着実に、周りの風景もきちんと楽しみながら、一冊ずつ本を楽しんでいきたい。