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山岳写真、ネーチャーフォト、和紙漉き、和紙の工芸、灯りなど、ものつくりがライフワークの…

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山岳写真、ネーチャーフォト、和紙漉き、和紙の工芸、灯りなど、ものつくりがライフワークのおじじんでんす。 今は山野草や野鳥を中心に撮影と生態観察をしています。一人工房和素美と称して、 和紙漉き職人たちと楮を育てて、材料作り、好きな和紙を作って和紙写真や個展をしています。

最近の記事

和紙漉き 5  和紙の種類など

1.和紙の紙名について 色々な紙の種類と名称があります。 ”和紙の文化史 久米康生著 木耳社”を、参考にしてまとめてみましょう。 歴史の流れ、製作された地方に沿って、種類、用途によってつけられてきたようです。 1)紙屋紙(かんやがみ) 平安時代(794年~1185年)の400年間、藤原時代がつづき、かな文字が使われ、女流文学が栄える。文化は女性が担い手となり、紙そのものの美しさが求められ、製紙職人が技術を競うようになった。 この時代の中心となったのは、政府の製紙場である紙

    • 和紙漉き 4 和紙のちょっと科学

      和紙はつよい 和紙は、日常使っている用紙に比べて圧倒的に破れや水に強い。 なぜでしょう、、、 一般の洋紙は、機械装置で大量に生産される。材料はパルプだ。パルプは針葉樹など樹木の表皮ではなく、中の木材部分だ。これは解砕していくと、繊維が短い。和紙の楮などの樹皮では太さは10ミクロン程度で、mm単位の長さだ。 用紙は繊維が短いので、互いに絡みにくい。紙にするため、タルクという鉱物の粉を混ぜる。この粉のタルクが白い用紙となっている。 一方、和紙は繊維だけになるので、和紙漉きで、材

      • 和紙漉き 3 和紙の歴史と印刷の発明

        和紙研究第一人者、久米康生氏の和紙の文化史を中心に、歴史学事典(弘文堂)、紙の歴史 ピエール=マルク・ドゥ・ビアシ著 創元社を参考に以下まとめる。 蔡倫(さいりんTs'ai Lun) 後漢の元興元年105年に蔡倫(さいりんTs'ai Lun)という帝室技芸監の地位であった人物が初めて製作したとされる。 彼は大麻を主として楮、葛、山藤などの樹皮繊維、苧麻(ちょま)などの草皮繊維、さらにこれらの繊維を利用した布や漁網などを臼で突き砕いて、水に溶かして、簀ですくいあげて、静かに

        • 和紙漉き 2 和紙十工

          はじめに 昔、小川町の和紙学習センターを訪問したとき、和紙教室をやっているとのことで通った。これが今の自分の和紙に関する基本になっている。 当時、和紙学習センターには女性が中心で数名の先生たちがいた。 和紙十工という手作りの指南書をいただいた。学習センターを技術的に支えているのは、小川町にある和紙工房の職人たちで、組合として和紙道具のメインテナンスなどを行っていた。和紙漉きの指導は、学習センターで働く和紙技術を身につけた指導者たちだった。結局、生徒も含めて、2,30名の和紙

        和紙漉き 5  和紙の種類など

          和紙漉き 1 和紙は美しい

          和紙を漉いて遊んでいる。楮を少し育て、12月に刈り取り、皮はぎ、蒸しなどやって、叩いて繊維を解砕する。和紙十工といい、基本的に10段階の工程がある。粘剤のトロロアオイの根はあまりとれなかった。 手持ちのタイコウゾも煮熟、材料は充分だ。 和紙を始めて、12、3年になる。小川町の和紙学習センターの教室に参加して、楮畑でのさぎょう、刈り入れ、蒸し、皮剥、などなど、覚えた。 和紙の染め付け、切り絵、諸々のアート作品の作り方を習った。 夢だった和紙の工程に触れて、和紙産地の越前、美濃

          和紙漉き 1 和紙は美しい