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マーベル初の魔法学園シリーズがついに完結! 最終巻『ストレンジ・アカデミー4:ファイナルズ』発売記念!

11月21日、ShoPro Books公式オンラインストア他にて流通限定商品として発売されるMARVELタイトル新刊『ストレンジ・アカデミー4:ファイナルズ』。

マーベル初の魔法学園ものとして登場した「ストレンジ・アカデミー」シリーズが、本作でついに完結を迎えます。
   
そこで最終巻の刊行を記念して、これまでのストーリーを振り返りながら、本シリーズと最終巻の見どころをライター・翻訳者の小池顕久さんに解説していただきます!

※今回の記事は既刊『ストレンジ・アカデミー』1~3巻の内容に触れています。ネタバレにならない範囲での記述に留めていますが、事前情報を一切知りたくないという方はご注意ください。

ストレンジ・アカデミー4:ファイナルズ
【流通限定】
スコッティ・ヤング[作] ハンベルト・ラモス[画] 小池顕久[訳]
価格4,950円(10%税込)

「ストレンジ・アカデミー」シリーズの始まり

さて、いよいよ最終巻を迎えることとなったマーベル初の魔法学園シリーズ「ストレンジ・アカデミー」。この度発売される『ストレンジ・アカデミー4:ファイナルズ』は、2022年に刊行された全6号のリミテッド・シリーズ『ストレンジ・アカデミー:ファイナルズ』をまとめた単行本です。

そもそも『ストレンジ・アカデミー』の物語は、2020年に創刊された『ストレンジ・アカデミー(vol. 1)』オンゴーイング・シリーズとして幕を開けました。同誌は2022年に全18号で一旦終了し、それらは邦訳版『ストレンジ・アカデミー』の1~3巻に全話収録されています。

一方、本書の元となる『ストレンジ・アカデミー:ファイナルズ』は、オンゴーイング・シリーズの終了から約半年後、2022年秋から2023年初頭にかけて刊行されました。このリミテッド・シリーズで、オンゴーイング・シリーズの中では未解決だったいくつかの展開に決着がつけられ、『ストレンジ・アカデミー』の物語にひとまずの幕を下ろすことになるのです。

そんなわけで、この最終第4巻の内容を紹介する前に、これまでの3巻の物語を振り返り、残された展開についてまとめてみましょう。

『ストレンジ・アカデミー1:ファースト・クラス』

ストレンジ・アカデミー1:ファースト・クラス』  
スコッティ・ヤング[作] ハンベルト・ラモス[画] 小池顕久[訳]
定価2,640円(10%税込)

まずは第1巻『ストレンジ・アカデミー:ファースト・クラス』。
本巻は非凡な魔術の才能を持つ少女、エミリー・ブライトが、至高魔術師ドクター・ストレンジに見いだされ、彼が創設した魔法学校ストレンジ・アカデミーに入学するところから始まります。

入学式早々、生徒たちに「死なんことだ」と、物騒な助言をするドクター・ストレンジ理事長。
ちなみにストレンジ自身は、翌2021年のクロスオーバー・イベント「デス・オブ・ドクター・ストレンジ」で唐突に死亡し、学園の皆を大いに動揺させました。

エミリーは、“ドルマムゥ(ドクター・ストレンジの仇敵)の息子”のドイルや、魔法の革ジャンを持つカルヴィン、アスガルド人のアイリックアルヴィ兄弟など、個性的な面々と同じクラスとなり、魔術を学んでいきます(その過程で、ドイルに好意を持っていきます)。

一方で、生徒たちの魔力を狙う、魔術師集団「ホロウ」にカルヴィンがさらわれるという事態が勃発。エミリーは仲間たちと共にホロウに立ち向かいます。

『ストレンジ・アカデミー2:ブライト・サイド』

ストレンジ・アカデミー2:ブライト・サイド』  
スコッティ・ヤング[作] ハンベルト・ラモス[画] 小池顕久[訳]
定価2,750円(10%税込)

続く第2巻、『ストレンジ・アカデミー2:ブライト・サイド』は、ホロウとの戦いで重傷を負ったエミリーとドイルが、ドクター・ストレンジら学園の教師らによって、治療を受けるところから始まります。

 幸いなことに2人ともが一命をとりとめますが、ホロウとの戦いの際にドイルの持つ暗黒の魔術を吸収してしまったエミリーは、以降、ドイルが作り出した魔法の指輪を常に身に付けることで、体内の暗黒魔術を抑制していくこととなります。

また、1、2巻での出来事から、学園の生徒の中から、将来的に魔術界を揺るがせる邪悪な破壊者と、それを防ぐ救世主が現れるという予言の存在が明らかとなります。

ドイルは、自身の魔力を用いて、エミリーの体内の暗黒の魔術を抑える「指輪」を作り、彼女に渡します。こうした交流を経て、エミリーとドイルは互いを意識し合うようになるのですが……。

他方、エミリーらと同じクラスのトスが殺されるという衝撃的な事件をきっかけに、カルヴィンの魔法の革ジャンが、実はドクター・ストレンジの過去の因縁に関わっていたことが発覚します。

アカデミーの生徒に危険を及ぼすことになったこの一件で、エミリーは学園の教師陣に対しての不信感を強めていくことになります。

『ストレンジ・アカデミー3:ウィッシュ・クラフト』

ストレンジ・アカデミー3:ウィッシュクラフト』  
スコッティ・ヤング[作] ハンベルト・ラモス[画] 小池顕久[訳]
定価2,860円(10%税込)

第3巻『ストレンジ・アカデミー3:ウィッシュ・クラフト』では、革ジャンを失い、魔法が行使できなくなったカルヴィンが、学園の近郊にあるニューオーリンズの街に棲む“願い事”を商う怪人ガスランプと接触。その一方で、自身が予言の破壊者となることを恐れたドイルが退校を決意するなど、生徒たちの将来に影響を与える事件が起きます。

やがてガスランプの手下となったカルヴィンは、他の生徒らにも“願い事”を売り付けますが、その現場をブードゥー校長に見つかり、学園を退学に(“願い事”は、何でも願いを叶える強力な魔力ですが、使用者がその魔力に頼りきりにさせ、やがてはその肉体をも蝕んでいく、魔術師にとっては麻薬も同然の存在でした)。

その名の通り、「ガス灯」をかたどった小物がトレードマークの怪人ガスランプ。丁寧な物腰でカルヴィンに接近し、彼の“願い事”をかなえてくれるのですが……。

しかし、以前からドクター・ストレンジの秘密主義や、教師たちの一方的な態度に憤りを感じていたエミリーは、このカルヴィンの退学を期に、学園に公然と反旗を翻し、他の生徒らに呼び掛けて、集団で学園を去ってしまいます。 

『ストレンジ・アカデミー4:ファイナルズ』

かくて第4巻、『ストレンジ・アカデミー4:ファイナルズ』は、前巻の展開を受けて、密かに生徒らに“願い事”を売り続けるガスランプと、彼から離れられなくなったカルヴィン、それに、学園に対して反抗するエミリー率いる離反した生徒たち、という2つの明白な問題を主軸に、例の「予言」の真相について、アカデミーの生徒と教師らが取り組んでいく展開になります。

ちなみに、本作の主要登場人物(エミリーのクラスの生徒たち)は11人いますが、4巻の開幕時点では、エミリー、ゾー、アイリック、デッシーの4人が学園から離脱、カルヴィンが退学と、ほぼ半減しています。そのためか本巻では、これまでは脇役として登場していた狼男のホーウィが、レギュラー・キャラクターに昇格しています。

今回の学園側のメインキャラクター。左からシェイリー、へルマン、ドイル、アルヴィ、ホーウィ、トス。これに霜の巨人のガスを加えた7人が開幕時のメンバー。  
ちなみにドイルとアルヴィの間に顔を覗かせている、髪を半分緑に染めた女の子、ヘイディは、エミリーに同道しているので、学園側のシーンに登場しているのはおかしいのですが……(多分、作画か彩色のミス)
こちらは、学園と敵対するエミリー派の面々。左からアイリック、エミリー、デッシー。これにゾーを加えた4人が、反学園派の中核メンバー。
エミリーは暗黒の魔力に侵食されて左腕が変質し、またデッシーは悪魔の本性を隠さなくなるなど、いかにも「悪役然」とした様子。

学園側のメンバーは、前シリーズで残された2つの課題の決着に取り組む一方で、折々で「全校生徒による学内清掃」「期末試験」「チャリティーカーニバル」「地域へのボランティア」など、学生らしいイベントにも取り組んでいきます。

生徒、教師、そして地元の魔術師の《評議会》もが、絢爛な魔法を駆使して盛り立てるチャリティーカーニバル。ところが、思いもよらぬゲスト(日本でも有名なあの“邪神”)が乱入し……!?

それら数々のイベントを乗り越えた先に待つ、終業式(ファイナルズ)の会場に、すべての因縁が収束していきます……。

はたして暗黒の魔術に囚われたエミリーの運命は? エミリーと一時は恋人同士だったドイルは、彼女に立ち向かえるのか? そして予言の破壊者とは……?

まもなく発売される『ストレンジ・アカデミー4:ファイナルズ』を手に取って、生徒一同の運命を確かめてください!

ストレンジ・アカデミー4:ファイナルズ
【流通限定】
スコッティ・ヤング[作] ハンベルト・ラモス[画] 小池顕久[訳]
定価4,950円(10%税込)

小池顕久

編集者、ライター、翻訳家。『トランスフォーマー』『スパイダーマン:クローン・サーガ』他のコミックの翻訳、単行本『石川賢マンガ大全』(双葉社)の構成・編集・執筆を担当。
@AtomJaw

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