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オアハカ滞在記録1【アトリエのような町で人々は生きる】

どうも!

この3日は現地に住んでいる方々にオアハカをご案内いただきました。
あっという間なものでオアハカの滞在は折り返し。

計画当時は行けても10日間、家族で行くため治安的にも心配要素が多かったオアハカ。
行くか迷っていましたが、きて大正解。そしてポートランドの後に訪れることができてとても良かったと思える滞在になっております。

オアハカでまず一番驚いたのが、圧倒的なストリート?アート作品の多さです。
町中がキャンパスのようになっています。

近くの墓地の前に描かれたアート作品

ポートランドも非常にアーティスティックな町でしたが、オアハカは非にならないくらいの質感とボリューム感で僕らを迎えてくれました。

宿近くの階段にある作品。
モンテアルバン遺跡や伝統的な生き方に対して何かメッセージを感じる

そして、よりじっくり没入していくとわかることはアート作品によって、彼らは何かを伝えようとしていることです。

こちらは政治的な政治的な主張を感じる一枚。
「欲望が子どもたちを苦しめている」と言うことが書いてある。
資本主義的な背景の犠牲について訴えかけているのだろうか。
このARMARTEという団体は「女性の抵抗芸術」と言う意味らしい。女性たちによるコレクティブ名(チーム名?)で制作を行い、家父長制や女性の地位が低い状態が根強く残るエリアで、多様な立場の女性が匿名で、第一声を発する助けとなっているらしい。

このアートについてオアハカにいる友人に聞いてみたり、どんな意味があるのかについて自分でも多少なりとも調べてみました。

アートはオアハカでは多様な側面を持っていると感じています。

1つ目にはコミュニケーション。
様々な階級的な見方が根強く残る状況に対して、アートはその立場から社会に訴えかけていること。
「資本主義的なシステムへの問題提起」「女性や子供の権利」「民族や伝統的なものへの尊厳の回復」「労働者たちの権利主張」様々に勘知ることができます。
町中に描かれた作品たちは、かなりのサイクルでその姿を変えるようです。
様々なデモ活動と連動しており、オアハカを取りまく社会情勢によってその姿を変えていきます。
町中にある作品は完成したことが大事なのではなく、彼らの魂を代弁する重要なコミュニケーションツールであることが伺えます。
僕らの滞在2週間前にはメキシコ全体での大統領選挙。(そして初めての女性大統領が誕生するのですが)、その1週間後には、教員たちなどによる大規模なデモンストレーションがあったようで、町の中にもそのムーブメントの一端を見ることができました。

労働者階級によるデモンストレーションの呼びかけ。
これに呼応するようなアートもたくさんありました。
手話に関する巨大なアート作品。もはや教育機会にもつながっていそう。

2つ目には、アーティストの独立に向けて足がかりのためのギャラリー的な役割。
町中のアートを制作している彼らは、、町中に小さな工房を持ち活動しています。この彼らがアーティストとして成功していく一つの足掛かりとなっているようです。
その結果、アーティストたちはアーティストとして生計を立てることにつながり、自分たちの尊厳を守る活動に参画できているという状況があるようです。

実は、調べてみると竹田鎭三郎さんという日本人の美術教員の方も、オアハカに多大なる影響を及ぼしているらしいのです。
「自分の村で起きていることを書き、百姓のように自分たちでつくったものを売る」ことの重要性を彼らに伝えてきたようです。
偉大だ。
以下の動画で竹田さんの活動について知ることができます。

3つ目には、アイデンティティの表出と連帯の象徴となる役割を持っているように感じます。
オアハカというエリアは、共同体(コミュニティ)をとても大切にしています。これについてはまた書きたいと思います。
そして、その共同体(コミュニティ)はアイデンティティを持ち、オアハカで生きる人たちのシビックプライドにつながっているように感じます。(シビックプライドという表現も西洋的なニュアンスだと思うので、コミュニティの方ではもう少し共同体のそもそもの捉え方について感じたことについても書きたいと思います。)

その共同体のアイデンティティは様々な民族が築いてきた伝統的生活やスペインが占領していた時代に混ざり合ったキリスト教カトリックなどの考え方など様々な生活文化、あり方の習合が基盤となっているように感じます。

これについてはとても個人的な見方ですが、
オアハカの町にある様々なアートは抑圧されてきた共同体としての人格の声なき声の代弁であり、その連続によりオアハカという町の景観ができていると思うとその一つ一つのアートが歴史的であり、人々の美しい営みそのものだなと感じます。
そして、そのアートが象徴となり体験となり、共同体はさらなる連帯を強めていくきっかけを作っているのではないかと感じているところです。

オアハカの滞在は短いですが
とても濃い体験ですでに記録に残しておきたいことがたくさんあります。
自分自身の忘備録のために順不同ですがいくつかメモで残しておきます

・コミュニティのあり方
・オアハカの市民運動について
・アイデンティティの基盤になっている生活文化について
・歴史とは何か?モンテ=アルバン遺跡から感じたこと
・オアハカは結局幸せなのか?開発は文脈オアハカに何をもたらすのか?
・オアハカの食文化について
・ポートランドとオアハカの共通点について

「Oaxacaは決して死なない」 とても好きな壁画の一つ。

Adios!

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