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オアハカ滞在記録6【オアハカを振り返って】

どうもです。

今回でオアハカ滞在記録も最終回となります。
短い滞在ではありましたが、非常に濃い時間を過ごせたと思います。

振り返ってみるとオアハカでの滞在を通じて考えていた問いは
「オアハカの人たちはどんな世界観に基づいて生きているのか?」ということでした。

町に到着した直後から町中の壁面に描かれたアート作品を通じ伝わってきた衝撃と共に直感的に強い連帯感を感じたことや話を聞いたり、人々の行き交う姿を見ていて浮かび上がってきたのが共同体(コミュニティ)というワードでした。

コミュニティという表現ではなく、共同体という表現の方が近い気がします。人々は生活のために緩急のある連帯関係を築いています。
共同体が様々な社会生活を送っていく上での基盤になる衣食住や仕事を含めた仲介機能を持っている印象です。
同時に、自分たちの権利を守り、主張する社会集団としての役割も持っている。オートノミーという概念もグスタボさんという方がオアハカの人たちの生活の動機をヒアリングする中で見出されてきた概念であるので非常に納得感が高いです。
とにかく共同体(コミュニティ)の機能は多岐にわたっているように思います。

個人的に感じたことはその共同体の根底にある精神性について。
オアハカのエリアで3000年以上前から続く伝統的な生活様式や食文化に基づく精神性、そして同時にカトリック的な隣人愛の精神性が混ざり合っているように感じます。

また、メキシコも地震が非常に多いエリアであり、日本と並ぶ地震大国として有名です。オアハカも例外なくそのエリアとして当てはまるわけです。
陸前高田での震災後の活動をしていた時のことを思い出し、なぜオアハカの共同体(コミュニティ)が強固なのかということについてつながることも多くあります。

ただ、それが今日まで続く社会運動や日常の基盤になっているということもまた驚異的だなと思います。

異文化理解のフレームワークであるホフステードの6次元モデルでメキシコを見てみると改めて非常に面白いなと思います。

ホフステードの6次元モデル、文化次元「権力格差」について
出典:CQラボ

スコアが高い国々では基本的には、権力の不平等を認めその権力構造受け入れ、美徳的に年長者などのいうことを大切にする文化があるエリアです。
メキシコは非常に高いスコアを持っています。

人生の楽しみ方”主観的幸福感"について
出典:CQラボ

スコアが高い国々では、幸せや健康を感じている人の割合が高い社会です。
ゆるい社会で、言論の自由なども保障されています。

権力格差が大きい国でありつつも、主観的な幸福度は高く言論の自由も保障されています。同時にある程度の社会善なるものが存在しており、正解が比較的存在していると思い込んでいる社会のようにも思います。

訪れる前まではちょっとイメージがわかなかったのですが、実際に行ってみると納得感の高いスコアだと思います。

自分自身が知れたのはメキシコの中でもオアハカ、そしてその一部であるという認識ではありますが、今回の滞在を通じてオアハカの人たちの世界観に触れられたことは非常に意味のある時間だったと思います。

そして、このオアハカという非常に稀有な社会環境を持ったエリアもまた経済的成長のプロセスにおいて生活バランスが経済的活動に偏重していく動向に大きく影響されています。
豊かな社会とは何か?ということについて
土地に基づく多様な生活習慣に基づく精神的ものからある一定の物質的生活水準のある状態へと変わってしまった現代。
今一度、豊かさは精神性を伴うものへと移り変わりつつあると言われています。その移り変わる一つの営みとして、生活の主導権を取り戻していくということは含まれていくと思うし、その際の重要な機能の一つに共同体があるのではないかなと思います。

オアハカという町にはその共同体の片鱗を垣間見たような気がしました。

ということで、オアハカでの滞在記録もこれにて一旦終了!
次回はデンマーク編なはず!?

それでは!adiós!


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