映画感想『シティーハンター』
ネットフリックスで配信が始まりました、鈴木亮平さん主演の実写版シティーハンターの感想です。
ネタバレ気にせず。
驚きました。面白くて。
原作は未読で、正直何もわかりませんが、原作を現代に通用する形に上手く、しかしリスペクトをもって変更したのは伝わります。
どうやら主人公の冴羽獠というのは、銃のプロフェッショナルのようですね。その描き方が特にこの作品の好きなところとなりました。
特に銃の魅力を感じたのは、人質を取った相手と相対する時です。そういう時、僕が知っている映画ならこうなります。
「人質を離せ!」
「ならお前が銃をおけ」
「く……(銃を置く)」
のような。
どんな銃のプロでも、この場面ではこうなります。あるいは、銃を置くように見せて不意をついて攻撃します。
しかし冴羽はそんな面倒くさいことをせずに、問答無用で撃ち抜きます。圧倒的技術です。今までのお決まりを華麗にぶち壊すその姿と、そのテンポの良さと、技術の高さ、容赦のなさが、作品のクオリティを凝縮しているようで、素晴らしかったです。
その場面だけでなく、終始アクションは無駄がなく、本気のアクションとふざけたアクションのどちらもクオリティが高く、自分の目が喜んでいるのが伝わりました。
恐らくアクションの見ごたえがあるということは、それ以外の場面との対比が上手くできているということです。
コメディの部分はとても慎重に作られていましたね。
女性好き、巨乳好き、遊び好きの冴羽は、それこそ描き方を間違えれば、昭和の男尊女卑の筆頭です。女性を性的搾取の要素としてしかみなしていないと苦情が入ってもおかしくはありません。
ただ、女性好き、巨乳好き、遊び好きということ自体は、何も責めることではありません。冴羽の構成要素を変えてしまうのはお門違いで、要は、どう描くかです。
そういう意味での「慎重」です。
冴羽が、女性を差別しているような言動を起こすことはなく、ただこの男の性質なんだな、と思わせる笑いばかりでした。
そして、笑わせる時はしっかりと笑わせます。
この部分が、鈴木亮平さんの手腕に感心させられた一番の部分ですね。オンとオフが、まさにアニメのような切り替え具合で、正直人間離れしています。ここまで一気に0から100へ、100から0へとテンションを変えられるのは、そんじょこそいらの役者魂ではできないでしょう。
まとめますと、笑いとアクションの差こそが今作の魅力だと思うわけです。慎重に練られた笑いがあるからこそアクションが際立ち、洗練されたアクションがあるからこそ笑いも活きています。
これはまた、次回作がどんどん出てきそうな、良作が出てきたのではないでしょうか。
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