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映画感想『アクアマン:失われた王国』

ネタバレありです

個人的には普通でしたね。最初から最後まで平坦に盛り上がっていた印象はあるのですが、最高潮になることはなく、むしろ最後の盛り上がりがなかったので尻すぼみな印象を受けました。
最もこれは緩急と最後の大盛り上がりが好きな僕の特徴で判断しているだけで、その部分を考えないと、一つ一つの場面は楽しさを感じることも多かったです。例えば、アトランティスが急襲を受ける場面、海の中という特異な場面でのスピード感あるアクションは、さすが。あとは、ジャングルで巨大化したバッタに追われる場面や、砂漠で変な生き物に追われる場面、主にスピードとノリで構成されてる場面は素晴らしい出来だったと思いますね。地上にいてもアクアマンだと思って見ていられるのは、一作目からのキャラクター作りのおかげですよね。海にいろよ、と思わないのは、改めて考えるとなかなかすごいことかも。

とはいえ、最後の盛り上がりはどうにかならなかったんですかね。前作の大戦争を越えるものを、序盤から迫力満点の映像だったので、正直期待していました。しかし、最後は小規模の軍隊で敵の本拠地に突っ込み、やがて一対一の戦いになり、真の敵が復活したと思えば、槍を投げただけで勝利が確定し、小さくまとまった印象でした。残念です。
同時に、最後の戦いで重要とされていたのは、兄弟の絆だったのではないか、ということも思いました。弟が再び悪の道に行こうとするのをアクアマンが止めることに、焦点を起きたかったのかもしれません。ただ、この二人の関係は、コメディとしては好きでしたが、ドラマとしてはありきたりで見慣れていたため(それこそロキとソーそのもの)、人間関係からなる感動は生まれなかったんです。
そもそも、今回のアクアマンはどういう成長、変化をしたのかも僕には伝わりませんでした。その場を凌ぐために、家族を第一にする時もあれば、王としての振る舞いを第一にする時もあり、人としてではなく、ヒーローだから世界を守りたいに決まっているよな、という忖度をしてしまいました。弟に関しても、仕方なく弟を利用するはずだったのに、いつからか助けたいから助けた、みたいになっているし、どうやって弟と兄弟愛を取り戻したのかもあやふやです。
キャラクターと掛け合いは好きです。弟の真面目だけど裏切らない世間知らず、という感じは好感を抱きました。
アクアマンは言うまでもなく、豪快で気楽な南国人という雰囲気が前作に引き続き好きです。
そしてタコ。生々しい見た目に反して、挙動が可愛くて、より多くの出番を望みます。

といったような感じで、面白かったですが、あくまで平均の域を出ず、普通でした。もちろん、これで一旦DCEUが幕を閉じるのは寂しいですけど。皆さんはどうだったでしょうか。

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