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宇宙寺院を建立するという醍醐寺に行ってみた(2) ~上醍醐編~

「宇宙寺院を建立するという醍醐寺に行ってみた(1) ~下醍醐編~」に続き、上醍醐へ。

ここ上醍醐には、もともとは西国三十三所一険しい札所と言われる第11番札所の上醍醐准胝堂があった場所(准胝堂は焼失したため、現在御朱印は准胝観音を祀る下醍醐観音堂に)。

上 醍醐寺境内

上醍醐は、下醍醐から標高450mまでの山頂にかけての広大な地域で、登山道を約1時間をひたすらてくてく歩きます。

間もなく、女性の入山を禁じる場所として置かれた女人堂(かつては女人禁制だった)があり、そこから険しい山間に入っていきます。

上醍醐への道


醍醐水

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歩くこと約1時間。
この場所が、醍醐寺発祥の地と言われています。

貞観16年(874年)に、平安時代の僧「聖宝理源大師」が霊力によってこの泉を発見。そこに山の神である「横尾大明神」が突然現われ、このこんこんと湧き出る清らかな水を口に含むと「あぁ醍醐味※なり」と感嘆したという。そこに小さなお堂を建立して准胝観音像を祀ったのが醍醐寺のはじまりと伝えられています。

※醍醐味・・・元仏教語で五段階の味で最上級を意味する

この「醍醐味なり」が醍醐寺の名前の由来と言います。

その神様が最上級と認めた名水である醍醐水、今でも飲むことができます
まろやかな美味しい超軟水がすーと喉を流れ登山の疲れを癒してくれます。

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神の使いのお出迎え

蛇のお出迎え

お堂に近づくと人口的な階段が現れたとたん、「がさがさっ!」という音。

なんと、神の使いである蛇が出迎えてくれました。

ちょっと怖いけど、白蛇じゃないことからお寺の演出でもなさそうだし、これから「実(巳)」を運んでくれると嬉しいな🤗

准胝堂跡

准胝堂跡

聖宝によって創建された西国三十三箇所11番札所の准胝堂やその周辺は、残念ながら2008年8月24日に落雷で火災、焼失😫

薬師堂(国宝)

薬師堂

説明書きによると、「山上伽藍としては最古の建造物で数少ない平安時代の遺構として貴重。貞観後期の豪快な気分を十分に感じさせる優美な作品、歴代の聖帝がご病気の平癒を祀られる度に金箔を尊像に貼り加えられたことは有名であり、「箔薬師」の名で厚い信仰を集めている。」

五大堂

五大堂

説明書きによると、「醍醐天皇の御願により延喜7年(907年)に建立。「不動明王、後三世夜叉明王、軍茶里夜叉明王、大威徳明王、金剛夜叉明王」の五大明王による国土安泰、清除不祥のご誓願をもち「五大力さん」の通称で尊崇されている。」

如意輪堂(重要文化財)

如意輪堂

説明書きによると、「貞観18年(876年)、聖宝が准胝堂と共に創建。自己の如意輪観世音菩薩を祀られた由緒深いものであるが、再三焼失し其の都度再建。現在の建物は、慶長11年(1606)に豊臣秀頼により再建されたものであるが、その木造りは全て大阪に於いておこなわれたものである。

醍醐寺新要録によれば『結構花見前代の堂に十倍』とあり、此の堂の再建当時の美麗と、昔時の堂の簡素さがしのばれる。」

開山堂(重要文化財)

開山堂

説明書きによると、「延喜11年(911年)に建立、雄大な桃山時代調をよく発揮した山上最大の建造物。お堂の内内陣には、中央に醍醐寺を開山した聖宝理源大師像、左に弘法大師・空海像(聖宝理源大師は空海の孫弟子)、右に醍醐寺第一世座主・観賢僧正像が奉安されています。」

最後に

宇宙寺院を建立するという醍醐寺は、

富士山噴火(864年)や貞観大地震や大津波(869年)の天災があった直後の貞観16年(874年)開創。

醍醐寺は、現在までの1147年間、約200万坪の敷地に国宝や重要文化財等10万点以上の貴重な寺宝を管理、守ってきた。

実際に、これまで度重なる天災に見舞われお堂などが焼失したりしています。盗難もあるみたいです。

行ってみてつくづく思いますが、約200万坪の山全体にあるお宝を守るなんて至難の業。わたしなんて一日たりとも無理です。

よくもこれまで守ってきたものだと。

感心と感謝しきりです😂

人工衛星による宇宙寺院は、GPSで宇宙からお寺を見守ることも大きな理由の一つなのだと思いました。

最後に、第103世の仲田順和座主のお言葉を、再度お伝えしたいと思います。

醍醐寺は「木の文化」「紙の文化」伝承の宝庫。
醍醐寺一山は、一木一草に至るまで文化財と心得、「生かされてこそ文化財」という一語を大切に、伝承を続けています。

仲田順和座主、心から応援してますので、「伝承の継続」をよろしくお願いします。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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