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建設業の構造改革とタレンティズム

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競争原理が根本にあるグローバル資本主義の次の時代は、関係資本や信頼資本をベースにした共感資本主義社会になると言われているし、期待を込めてそうなれば良いと思っています。そんなパラダ…
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2021年8月の記事一覧

蓋を破った若者たちが持つ圧倒的な可能性 #タレンティズムとセルフイメージの深い関係

蓋を破った若者たちが持つ圧倒的な可能性 #タレンティズムとセルフイメージの深い関係

平成の終わりから、様々な書籍を読んだり、セミナーに参加する度に令和になると世の中はガラッと変わり、これからはこれまでの延長線上にない。と繰り返し耳にしました。実際、圧倒的なテクノロジーの進化や、スマホの普及によるインターネット環境の大きな変化を感じていたこともあり、リアルに危機感を感じ、令和に改元された一昨年に22年間慣れ親しんだ社名を捨てて、事業ドメインを転換する勢いでリブランディングを行いまし

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真実の瞬間を担うタレンティズム

真実の瞬間を担うタレンティズム

私が主宰する建築実務者向けの研修事業、一般社団法人職人起業塾で行っている研修は決して安易に起業を推すものではありません。しかし、その名の通り、末端の現場実務者に起業出来るくらいのスキルと経営感覚を身につけてもらうことを目指しています。VUCA(不透明、不安定、複雑、曖昧)化が加速する今の世の中ではあらゆるスピードが速くなっており、現場で怒った問題に対して判断を下すまでの時間を要する、これまでのトッ

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運命を変える、人生を拓くイメージ力とその習得法

運命を変える、人生を拓くイメージ力とその習得法

怒涛の三日間が終りました。
研修事業を行っている一般社団法人職人起業塾で第18期のスタートと、第17期の最終講が1日おきに重なり、その間に国交省事業の若手大家育成プロジェクトの開校式と1回目の講座がはまってしまい、3日連続朝9時から夕方6時まで研修講師を務めることになり、体力には自信が有る私もさすがに消耗してしまいました。3連投の締めくくりとなった昨日は、始発で博多に乗り込んで、最終の新幹線で帰神

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サスティナブルな共感型工務店への道を5つの経営資源から考える① 〜ひとの課題〜

サスティナブルな共感型工務店への道を5つの経営資源から考える① 〜ひとの課題〜

私は神戸市で創業してから20年になる建築と地域コミュニティー事業を生業とする株式会社四方継と、全国の建築建築実務者向けに潜在的な才能を開花させる研修と事業者向けに職人育成のサポートを行う一般社団法人職人起業塾の2つの法人の代表を務めています。この二つの事業に共通するのは私が企業した際に掲げたシンプルなミッション、「職人の社会的地位の向上」です。そしてそれを叶える為の持続可能な循環型ビジネスモデルの

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サスティナブルな共感型工務店への道を5つの経営資源から考える② 〜カネの課題〜

サスティナブルな共感型工務店への道を5つの経営資源から考える② 〜カネの課題〜

近年、小学生が学校で国連で採択されたSDGsについて学ぶようになる位、日本でも持続可能性が重要視されるようになってきました。持続可能な社会とは、際限のない成長拡大志向と決別して、あらゆるものが循環し継続できる状態を指しており、私たち建築会社、工務店もそのような価値観へのシフトが求められていると最近ひしひしと感じます。しかし、同時に実際の建築業界の現状は循環型事業とは大きな乖離があると感じており、時

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サスティナブルな共感型工務店への道を5つの経営資源から考える③ 〜コトの課題〜

サスティナブルな共感型工務店への道を5つの経営資源から考える③ 〜コトの課題〜

新型コロナによって明らかにされたのは、パンデミックによって世界中が鎖国状態に陥ったグローバル社会の脆弱さと、金が金を生み、強い者だけが勝ち残る弱肉強食の新自由主義の資本主義が世界平和にも、社会課題の解決にも寄与せずに環境にも人にも負荷をかけ続けるという構造的問題でした。
この閉塞感に包まれ始めた世界を打開するのは、人と地球に優しい思いやりを持つ共感型資本主義だと、最近になって日本国内でも世界の識者

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サスティナブルな共感型工務店への道を5つの経営資源から考える④ 〜情報の課題〜

サスティナブルな共感型工務店への道を5つの経営資源から考える④ 〜情報の課題〜

地球は有限であり、際限のない成長拡大は不可能である。との原則論があります。ITバブルが巻き起こり、テクノロジーの進化があらゆる問題を解決すると夢見心地だった平成時代は地球にある資源は有限でも人間の英知を結集し、イノベーションを起こし続ければ成長に限界は無いとの説を唱える方もおられましたが、IT革命を始め圧倒的な技術革新とイノベーションを起こした結果、世界の貧富の格差はどんどん広がり、戦争状態の放送

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サスティナブルな共感型工務店への道を5つの経営資源から考える⑤ 〜共感の課題〜

サスティナブルな共感型工務店への道を5つの経営資源から考える⑤ 〜共感の課題〜

2015年のSDGsの国連での採択から6年が経ち、それに批准した国々の取り組みが加速する中、日本でもようやく持続可能な循環型社会への転換が認知されるようになってきました。最近は内閣官房室主導で国交省と経産省、そして環境省を横断した環境への負荷軽減への法整備の議論がタスクフォースで活発にたたかわされるようにになり、2020年に見送られた住宅の断熱性能の義務化も再度法制化に向けて議論されるようになって

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若者たちに伝えたい職人の責任と役割と未来

若者たちに伝えたい職人の責任と役割と未来

私は昨年、九州の工務店団体から研修講師として招聘されて、若手大工育成プロジェクトに参加しました。それが非常にいい取り組みだと感じて今年度からは同じスキームで国土交通省の補助を受けて私が理事を務めている京阪神木造住宅協議会でも若手大工向けの実習研修事業を行っています。この度の研修事業では工務店から正規雇用されている入職三年未満の大工見習いが8名集まりました。会員数が100社近い工務店団体での研修事業

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