マガジンのカバー画像

サスティナブルな共感型モデルへの道

61
世界の要請であり、地方、地域の在り方でもある持続可能な循環型社会へのシフトとそれを支える事業について考えます。
運営しているクリエイター

2021年8月の記事一覧

サスティナブルな共感型工務店への道を5つの経営資源から考える① 〜ひとの課題〜

サスティナブルな共感型工務店への道を5つの経営資源から考える① 〜ひとの課題〜

私は神戸市で創業してから20年になる建築と地域コミュニティー事業を生業とする株式会社四方継と、全国の建築建築実務者向けに潜在的な才能を開花させる研修と事業者向けに職人育成のサポートを行う一般社団法人職人起業塾の2つの法人の代表を務めています。この二つの事業に共通するのは私が企業した際に掲げたシンプルなミッション、「職人の社会的地位の向上」です。そしてそれを叶える為の持続可能な循環型ビジネスモデルの

もっとみる
サスティナブルな共感型工務店への道を5つの経営資源から考える② 〜カネの課題〜

サスティナブルな共感型工務店への道を5つの経営資源から考える② 〜カネの課題〜

近年、小学生が学校で国連で採択されたSDGsについて学ぶようになる位、日本でも持続可能性が重要視されるようになってきました。持続可能な社会とは、際限のない成長拡大志向と決別して、あらゆるものが循環し継続できる状態を指しており、私たち建築会社、工務店もそのような価値観へのシフトが求められていると最近ひしひしと感じます。しかし、同時に実際の建築業界の現状は循環型事業とは大きな乖離があると感じており、時

もっとみる
サスティナブルな共感型工務店への道を5つの経営資源から考える③ 〜コトの課題〜

サスティナブルな共感型工務店への道を5つの経営資源から考える③ 〜コトの課題〜

新型コロナによって明らかにされたのは、パンデミックによって世界中が鎖国状態に陥ったグローバル社会の脆弱さと、金が金を生み、強い者だけが勝ち残る弱肉強食の新自由主義の資本主義が世界平和にも、社会課題の解決にも寄与せずに環境にも人にも負荷をかけ続けるという構造的問題でした。
この閉塞感に包まれ始めた世界を打開するのは、人と地球に優しい思いやりを持つ共感型資本主義だと、最近になって日本国内でも世界の識者

もっとみる
サスティナブルな共感型工務店への道を5つの経営資源から考える④ 〜情報の課題〜

サスティナブルな共感型工務店への道を5つの経営資源から考える④ 〜情報の課題〜

地球は有限であり、際限のない成長拡大は不可能である。との原則論があります。ITバブルが巻き起こり、テクノロジーの進化があらゆる問題を解決すると夢見心地だった平成時代は地球にある資源は有限でも人間の英知を結集し、イノベーションを起こし続ければ成長に限界は無いとの説を唱える方もおられましたが、IT革命を始め圧倒的な技術革新とイノベーションを起こした結果、世界の貧富の格差はどんどん広がり、戦争状態の放送

もっとみる
サスティナブルな共感型工務店への道を5つの経営資源から考える⑤ 〜共感の課題〜

サスティナブルな共感型工務店への道を5つの経営資源から考える⑤ 〜共感の課題〜

2015年のSDGsの国連での採択から6年が経ち、それに批准した国々の取り組みが加速する中、日本でもようやく持続可能な循環型社会への転換が認知されるようになってきました。最近は内閣官房室主導で国交省と経産省、そして環境省を横断した環境への負荷軽減への法整備の議論がタスクフォースで活発にたたかわされるようにになり、2020年に見送られた住宅の断熱性能の義務化も再度法制化に向けて議論されるようになって

もっとみる
鹿児島式流しそうめんに学ぶサスティナブルモデル

鹿児島式流しそうめんに学ぶサスティナブルモデル

鹿児島式流しそうめん知ってる?私が代表を務める株式会社四方継では四半期ごとに年4回、スタッフ全員との個人面談を行っています。主には期の初めに立てた事業計画の進捗確認で、それぞれに配分した目標の仕事量をスケジュール通りに進められているかの確認と、業務全般についての改善提案を求めたり、課題の共有をしています。常日頃からミクロとマクロの両方の視点を持ってスタッフと目標や目的の共有を頻繁に行うことがとても

もっとみる
志とその実践こそが事業だろ @経営実践研究会

志とその実践こそが事業だろ @経営実践研究会

人生は選択で作られると言われます。人は皆、意識するしないにかかわらず、常に選択にさらされており、その1つずつの選択の積み重ねがその時々の状態を形成して結果を生み出します。そのように考えると、選択の基準になる考え方や観念、哲学や人生観が人生を作ると言っても過言ではありません。吉田松陰先生が言われた「志を以って万事のの源と為す」とは、このように在りたいと理想を掲げ、ゆるぎない信念を持つことで常日頃から

もっとみる
第5の経営資源の作り方と使い方 @共感資本社会へのシフト

第5の経営資源の作り方と使い方 @共感資本社会へのシフト

神戸の西の果てで大工集団のような小さな工務店を営んでいた私が自立循環型ビジネスモデルの構築を標榜して社内改革に取り組んだのは15年ほど前のことです。その当時、外部環境に大きく影響される建築事業で持続可能な営業形態を目指すと、その当時主流になっていたチラシによる宣伝広告やイベントでのプロモーションで新規顧客を次々と集めては刈り取るような新規集客重視の事業形態、組織運営からの脱却を口にしても、同業の経

もっとみる