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いつだって扉開く世界でありますように。

「料理臺灣」
「五味八珍的歳月」
台湾料理に関するストーリー、2冊、どちらも読みかけ(いつ読み終わりますねん)。

1冊は、レストラン料理としての台湾料理の発展を、本省人と呼ばれる、比較的古い時代から台湾に住む漢人の視点で。

もう1冊は、テレビの料理番組を通じて台湾家庭料理の発展に寄与した料理人の物語。彼女は、第二次大戦後に中国大陸から台湾にやってきた、外省人と呼ばれる立場の人。

台湾には他にも、原住民と呼ばれる複数の少数民族や、漢民族の中でも独特の文化を持つ、客家と呼ばれるグループなどが住む。
最近に目を向ければ、東南アジアを中心とした地域からの、出稼ぎ或いは移民の存在も大きくなりつつあるだろう。

そのどれもが、台湾だ。

もともと多民族が暮らしてきた島は、政治面では次々と支配者が代わり、人々は翻弄されつつも、朗らかに柔軟に、たくましく厳しく生きてきた。
その積み重ねが、今の彼らだ。

日本人にとっても親しみやすい、懐かしい感じがする、なんて言われる台湾だけど、
歴史上いつだってずっと「日本」で、自分たちのカルチャーといえば、純粋さ血統的正当性に拘りがちな私達とは、まるで違うメンタルだと思う。

そんな彼らの国との出会いは、私の中のたくさんの扉を開いてくれた。

世の中が、世界的に、閉鎖的に萎縮する方向に動いていることを、憂う。

そんな時代に、混沌を堂々と受け入れることを、意識的に、あるいは無意識的にアイデンティティとし始めた彼らの未来が、どうか明るいものでありますように。

いつだって、差異の発見をおもしろがり、味わい、世界を広げられる、私たちでありますように。

2020.1.11


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