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仏塔めぐり1|ミャンマー、ヤンゴン

今年1月に行ったミャンマー出張兼旅行を、写真とともにゆるりと振り返ります。

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ヤンゴンはミャンマー最大の都市です。空港を降り立って目にしたヤンゴンは、緑が多くてなかなか綺麗、という第一印象でした。
また、着物好きの私がときめいたのは、ロンジーという民族衣装。男女ともに腰に巻くのですが、女性は裾すぼまりに着こなすところが着物の美意識と通ずるところがありました。

ヤンゴンは仕事終わりにシュエダゴンパゴダに同僚に連れて行ってもらっただけなのですが、素晴らしかったので紹介します。

シュエダゴンパゴダは写真中央にある巨大な黄金の仏塔を中心に、周りを小さな仏塔と建物が無数に囲み、人々は仏塔の周りを一周しながらお祈りをする構造になっています。

裸足で構内に足を踏み入れると、静かな空間を包み込んでいるのはシャンシャンシャン…と鳴る鐘の音、お香の煙。
豪華絢爛な建造物群と、鐘の音と煙のもくもくとした情景という組み合わせがなんとも夢心地で、今まで見てきた宗教建築の中でも一、二を争う美しさでした。

なんの変哲もない平日の夕方でこの人だかり。私をここに連れてきてくれた同僚も、「仕事で辛いことがあった時は毎日お祈りに来ていた」と言っていて、ミャンマー人の厚い信仰心に触れることができました。

周辺にある建物も、この豪華絢爛さ。歴代の王家が競ってシュエダゴンパゴダの周辺に仏塔や建造物を作ったため、どの建造物をとっても良い作りになっているそうです。

小さい子供たちのお祈りにも出会いました。「タイでも子供が修行に出てお坊さんになるよ」と同僚に言うと「白い衣装を着ているのはお坊さんではなくて尼さん。少数民族の子たちは貧しくて、尼さんにでもならないと食べていけないんだよ。」と。

急に少し暗い話題を投じてしまいましたが、ミャンマーは国内に135の民族を抱える多民族国家です。

ミャンマーは独立から72年が経っていて、135の民族との和平交渉はいまだ一部進行中。義務教育の施行はやっと4年前で、人口の1/3はまだ公用語が通じず、それがまた和平交渉を困難にしているのだとか。

シュエダゴンパゴダの一角にある菩提樹の木。ここはもう大分ひっそりとして人影のないエリアだけど、敷地内の隅々まで、美しい。

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ミャンマーが複雑な問題を抱えている国でありながら、今後成長目覚しい国であろうという予感は色んな形で感じました。

アウンサンスーチーさんは、国際社会からはロヒンギャ問題で批判を浴びているけど、国内では義務教育の施行しかり、「確実に社会が変化してきている」という実感を持って受け止められているんじゃないかなとみんなの言葉尻から感じました。聞こえたのは政府は災害時の情報発信を始めてくれた、と喜びを持って語る声、遺産保護や世界遺産登録にも乗り出し始めた、と誇らしげに語る声。

また、タイ赴任していることを現地の方に伝えると「タイの上座仏教は亜流、ミャンマーの上座仏教の方が本流に近い、そして文明が発達したのはタイよりミャンマーの方が先」と誇らしげに伝えられました。タイの歴史を紐解くと、ミャンマーとベトナムから攻め入られるの繰り返しで、「ミャンマーとベトナムは東南アジアの大国意識ありそう」と想像してたのですが、それが実感できた瞬間でした。

大国意識を持っているというのは、そのプライドが原動力となって社会発展に大きく寄与する面もあると思うのです。

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出張の合間に弾丸旅行したバガン編は続編に譲ります。

最後にミャンマー旅行をする際の注意点を一つだけ。

ミャンマーに現金を持ち込む際は、「米ドルの新札」にしましょう。
ミャンマーには外資の銀行がなく、お金を気軽に両替できないため、「米ドル札を綺麗に保ち流通させ続ける」ということに命をかけています。汚い米ドル札と綺麗な米ドル札では、為替レートも異なります。そんなルールありなの…

私はタイから出張で行ったので、米ドルの新札を手に入れることができませんでした。試しに、タイで両替した少し端が切れているだけの綺麗な5ドル札を差し出すと、一瞬の戸惑いのあと必ず拒否されました。それ以来汚いお札を会計に使う時、ミャンマーにいなくてもドキドキするようになってしまいました。

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