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ずっと大切にしたいあの言葉③~目指すのは「生徒に好かれる先生」ではない~

 入学式や始業式のシーズンになると毎年思い出す言葉があります。教員時代、ある学年主任の先生が、学年をスタートさせる最初のミーティングでこうおっしゃいました。
 

 「生徒に好かれる先生」になりたい。そういう気持ちで教員になった方も多いのではないでしょうか。でも、私が先生方に目指してほしい先生像は違います。皆さんには、「生徒を好きな先生」であってほしいと思います。
 生徒に好かれるかどうかを気にしすぎると、「良い先生」ではなく、「生徒にとって『都合の』良い先生」になってしまうこともあります。好かれるかどうかは相手次第です。でも、生徒1人ひとりを好きであること、大切に思うことは、自分の心がけ次第で必ずできます。
 今年1年間、縁あって自分が関わることになった全ての生徒を、生徒のそのままの姿を、どうか心から好きになってあげてください。それが私たちにとって1番大切なことです。そして、そのような気持ちで生徒に向き合い続ければ、きっと1年後に「生徒に好かれる先生」になっていると思いますよ。

 私は、教育実習生や、教員になりたての頃は、漫画やドラマに出てくるような「生徒に好かれる先生」になりたい、という気持ちが特に強かったように思います。もちろん、生徒に好かれるのはすごく嬉しいことです。ただ、そこが教育のゴールではありません。
 相手(生徒)を変えようとする前に、自分(先生)が変わること。生徒を好きになるには、生徒の良い所を沢山見つけること。何より、良いも悪いも含めて、生徒まるごとを好きになること。あの時の学年主任の先生の言葉は、自分の考え方を変える大きな分岐点になりました。

 「生徒を好きな先生であること」。当然のことではありますが、ずっとこの気持ちを大切にしています。これからも塾生様お1人おひとりを大切にする気持ちを常に持ち、稽古に臨みます。
 今日から新学年がスタートする幼稚園や学校が多いですね。お子さんたちにとって良い出会いが沢山ある1年になりますように。

「柔道家が増えることで、社会はより良くなる」
文武一道塾 咲柔館



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