「文武一道塾 咲柔館」館長 綾川 浩史

「柔道家が増えることで、社会はより良くなる」という信念を持ち、子どもから大人まで皆が柔…

「文武一道塾 咲柔館」館長 綾川 浩史

「柔道家が増えることで、社会はより良くなる」という信念を持ち、子どもから大人まで皆が柔道を楽しめる環境づくりを目指す。17年間中学・高校の教員(国語科・女子柔道部監督)→1年間「文武一道塾 志道館」館長補佐→R2年6月栃木市に「文武一道塾 咲柔館(しょうじゅうかん)」を開館。

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“柔道家を増やすことで社会をより良くする” これが私の夢です。 「なぜ柔道家が増えると社会が良くなるの?」そう思われる方もいらっしゃるでしょう。柔道は、4年に1度、オリンピックの時に大注目されます。しかし、柔道の価値はオリンピックで勝つことだけではないのです。柔道には人や社会を変える大きな力があります。 例えば… ・学習や古典の素読を行う柔道場 ・高齢者の方に安全な転び方を教える柔道場 ・食育を行っている柔道場 ・発達障害の子どもの教育に柔道を生かしているNPO法人 ・柔道

    • 100人の中高生が柔道を学んでいたら、100通りの目標があるはず

       「『強く優しい子に育ってほしい』『でも続けられるか不安』そんなあなたに朗報です。咲柔館なら、お子さまのペースで柔道を楽しむうちに、自然と成長していけます。年代の幅広い咲柔館だからこそできる、世代を越えた交流も魅力のひとつです。お子さまの趣味として、柔道を始めてはいかがでしょうか。」  実はこの文章、咲柔館に通う高校生が自主的に書いてくれた道場の宣伝文なんです。咲柔館の特徴をよく理解しており、文章もうまい。彼の文才は本当に素晴らしいです。ちなみにすでに、ある広告の中で使用さ

      • 「夢の黒帯」への道~努力は嘘つかない~

         7月7日(日)、4名の塾生様が昇級・昇段審査会に参加しました(小学生1名・高校生3名)。咲柔館が審査会で心がけていることは、①自分の力を信じて全力を尽くす②投げられたら潔く受身をとる③勝っても負けても心を込めて礼をする、の3つです。参加された皆さんは、普段とは違う環境、状況で少し緊張されていたようですが、この3つを常に心がけ、怪我なく無事に1日を終えることができました。  審査結果は、2級・1級は全員が合格。初段に挑戦した高校生1名は、審査試合において2ポイントを獲得しまし

        • 開館4周年に感謝

           6月21日で文武一道塾 咲柔館は4周年を迎えました。柔道場の運営・経営を続けてきた「オリンピック1回分」の期間はとても濃密であり、この仕事をしたからこそ得られた経験や出会いが沢山あったように思います。特にこの1年間は、新型コロナウイルスが5類に移行したということもあり、最初の3年間にはできなかった色々なことに挑戦することもできました。 【1年間で挑戦した主なこと】※詳しくはコラムをご覧ください。 ・「国際生涯柔道セミナー」への参加 ⇩ ・「昇級昇段審査会」への参加 ⇩

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          黒帯への道~昇級・昇段審査会までの準備~

           7月7日(日)の昇級・昇段審査会まで1ヶ月を切り、今回挑戦される皆さんの稽古にもより一層熱が入ってきました。柔道を始めた当初は1分、長くても2分で行っていた乱取り(実戦練習)も、今では3分になり、寝技も含めた試合に近い状況の稽古も行っています。皆さん、本当に体力がつきました。1級と初段の審査では5試合程度する予定です。それに耐えうるだけの体力をつけると同時に、余計な力を入れないことも心がけなくてはいけません。審査会で、力だけに頼らない理にかなった技や動きを出せるように稽古を

          黒帯への道~昇級・昇段審査会までの準備~

          親子で「組みニケーション」を楽しもう!

           咲柔館には親子で通われている塾生様もいらっしゃいます。親子で柔道をする姿はとても楽しそうです。お互いに、投げても投げられてもずっと笑顔。組み合っているだけで、自然と笑みがこぼれます。きっと、お子さんはお父さんの優しさや愛情を肌で感じたのだと思います。お父様もお子さんの成長を体全体で感じ、とても嬉しそうでした。私もいつの日かこうして息子(2歳)と柔道をしてみたいです。  親子で柔道をやるようになった、興味を持つようになったきっかけはご家庭によって様々です。  「子どもと一緒

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          柔道場の外でも柔道家

           「どこでも自然と靴を揃えるようになったんです。」ある保護者様から嬉しいご報告をいただきました。もちろん、こうした習慣は柔道場での教えのみではなく、ご家庭や小学校でのご指導があってこそ身についていると思います。習慣は、色々な人(大人や上級生)の姿を見たり、様々な場面で繰り返し教わりながら身についていきます。その機会の一つとして、柔道場が役立てたことをちょっとだけ誇らしく思っています。  柔道場の「中」での経験を、柔道場の「外」で活かしてほしい。これが私にとって1番の願いです

          優しさのバトンをつなぐ

          「刻石流水(こくせきりゅうすい)」とは、「受けた恩は石に刻み、かけた音は水に流す」という意味の言葉です。このような生き方ができたら本当に素敵だと思います。 先日の稽古でこの言葉をふと思い出す場面がありました。あるお子さんは未就学児だった頃、お兄さん達にいっぱい技を受けてもらっていました。道場のお兄さん、お姉さんたちにとっても優しく接してもらいながら、のびのびと稽古をしていたのをよく覚えています。 小学生になってからは、少しずつ「お兄さん」という感じが出てきました。たまに「先

          柔道で心も体も健康になろう!

           咲柔館の中高生・大人クラスには、約20名の方が在籍されています。大人の方が柔道をされる目的として1番多いのが「体を動かしたい」、つまり「運動不足の解消」です。学生時代は、体育や部活動などで体を動かす機会が多いですが、大人になるとどうしても運動をする機会は減ってしまいます。運動不足は健康面においても心配ですね。そんな悩みを解決する手段の一つとして、塾生の皆さんは柔道をされています。  柔道は全身運動であり、1回稽古をするだけでもかなりの運動量です(咲柔館の場合、1回の稽古が

          Jキッズフェスタふり返り⑥(乱取りタイム編)~笑顔あふれる乱取り~

           Jキッズフェスタの締めくくりは、参加者全員(未就学から高校生・指導者)による乱取りタイムです。年齢や柔道経験によって乱取りをする場所を設定し、約100名でわいわい乱取りをしました。  乱取りを何本やるか、誰とやるかは本人の自由。試合でやったお子さん同士の再戦、年下の受けをやってくれるお子さん、道場の端の「遊びゾーン」で鬼ごっこをするお子さんたち、とそれそれがやることを決めて自由に乱取りタイムを楽しんでいました。  最初は乱取りを見守っていた先生方も、お子さんたちが元気に柔

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          Jキッズフェスタふり返り⑤(柔道川柳・柔道クイズ編)~柔道を知る・柔道を考える~

           Jキッズフェスタでは、柔道のことをもっと知る、もっと考えることを目的とし「柔道クイズ」「柔道川柳」のコーナーを設けました。柔道には長い歴史の中で育まれた様々な技、そして哲学があります。また、柔道は国内外において、教育はもちろんのこと、福祉の分野において活用されるケースもあります。こうした様々な柔道の価値を再確認、再発見するために、これからのコーナーを実施しました。  柔道クイズの出題内容は「柔道の歴史」「技」「日本の柔道・海外の柔道」「パリオリンピック」「柔道の多様性」に

          Jキッズフェスタふり返り⑤(柔道川柳・柔道クイズ編)~柔道を知る・柔道を考える~

          Jキッズフェスタふり返り④(背負投講習会編)~石川先生と背負投への憧れ~

           Jキッズフェスタでは、元全日本強化選手の石川裕紀先生をお招きし、背負投講習会を行いました。今回の講習の主な対象は「背負投をやったことがない」「背負投に苦手意識を持っている」お子さん・中高生です。  対象をこのように設定した理由は、私自身も「背負投はできない」と長年思っていたからです。指導者を志した大学時代から、背負投を教えるために必要な知識は勉強しだしたものの、自分自身が使えるようになるとは考えていませんでした。しかし、そんな私でも24歳の時に初めて試合で背負投がかかったの

          Jキッズフェスタふり返り④(背負投講習会編)~石川先生と背負投への憧れ~

          Jキッズフェスタふり返り③(親善試合編)~相手に勝つより己に克つ~

          (※写真は、特別試合として石川裕紀先生がお子さんと対戦した時のものです)  Jキッズフェスタでは、主に「試合に出たことがない」「試合出場経験が少ない」お子さんたちを対象とした親善試合を行いました。安全面に配慮した特別ルールを作り、習熟度・柔道経験年数で3つにカテゴリー分けをしたことが大きな特徴です。以下、特別ルールとカテゴリーの概要です。 【親善試合ルール】 ・1人2試合程度とし、組み合わせについては申込時に記載された「学年」「身長」「体重」「経験年数」「練習頻度」を総合

          Jキッズフェスタふり返り③(親善試合編)~相手に勝つより己に克つ~

          Jキッズフェスタふり返り②(柔道遊び編)~畳の上で遊びが生まれる~

           「柔道遊び」という言葉を初めて知ったのは、約5年前。当時務めていた柔道教室「文武一道塾 志道館」やNPO法人「judo3.0」主催のワークショップで知りました。「柔道遊び」というのは、「畳」「柔道衣(帯)」「裸足」といった柔道の特性を生かした遊びです。遊びを通して基礎体力を向上させたり、柔道の基本動作を身につけることができ、またお互いに近づく(組み合う)ことも多いのでコミュニケーション力の向上も期待できます。  私は5歳から柔道をやってきた中で「道場で遊ぶ」という発想が全

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          Jキッズフェスタふり返り①(準備編)~菅野先生五つ子説~

           おかげ様で2月24日(土)のJキッズフェスタは、約100名の方(未就学児~高校生)にご参加いただき、怪我なく無事に終えることができました。改めまして、参加してくださった皆さま、ご協力・ご支援いただいた皆さまに心より感謝申し上げます。  このイベントは、文武一道塾 咲柔館のこれまでの活動を集約したものと言っても過言ではありません。記録、記念としまして、開催に至るまでの経緯と準備、そして当日の様子を何回かに分けて記したいと思います。お時間のある方はどうぞおつきあいください。

          Jキッズフェスタふり返り①(準備編)~菅野先生五つ子説~

          大人の方が柔道を始めるタイミング

           咲柔館(しょうじゅうかん)の中高生・大人クラスには、60代・70代から柔道を始めた方もいらっしゃいます。基本的に稽古は皆さんと同じメニューを実施され、適時休憩を入れながらご自身のペースでご無理なく取り組まれています。  受身や技の反復練習が中心ではありますが、時には中学生や高校生と組み合って立技・寝技の乱取りをすることも。組み合った学生さんたちは、その力強さと動きの巧みさに驚かれています。先輩方の稽古に対する姿勢は、塾生の皆さんにとって、すごく良い刺激になっているようです。

          大人の方が柔道を始めるタイミング